NOVELS ROOM from ROCKMANZERO

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第三話


今からの話は、作者による完全オリジナルストーリーなので、読みたくないなと感じた人は 第四話 へ飛んでください。



第三話 記憶

これは、ゼロがまだ封印される前の話である。




 ここは、未来都市。名もない普通の都市。
 そこには、一家に一人はいると言われている、人工生命体、レプリロイドが共存している。
 だが、この時代にはレプリロイドを暴走させる「シグマウィルス」と言うウィルスが少々はやり始めている。
 「シグマウィルス」とは、レプリロイドに感染するウィルスで、レプリロイドを凶暴化させる、暴走プログラムの事である。
 感染したら最期、そのレプリロイドは処分しえざるを得ない状態になってしまう。そのレプリロイドの事を、「イレギュラー」という。そして、「イレギュラー」の処分を行うのが、「イレギュラーハンター」という。
 だが、大量に発生してはいないので、レプリロイドが暴走をすると言う事件はめったに起こらなかった。
 めったに起こらないことでも、政府は、イレギュラーハンターを使って、この都市の人々を守っていた。
 現在活動しているハンターは二人。
 一人は、全身青いボディーで造られた、優しい心を持つハンター。名をエックスと言った。
 もう一人は、身体(からだ)は赤いボディーで造られ、金の長髪を持つ、クールで冷静沈着なハンター。名をゼロと言った。
 二人はいつも一緒であった。
 どんなときも、二人でいた。

 そんなある日の事である。

「ねぇ、ゼロ?」
「ん?どうした、エックス?」
「いまさら言うのもなんだけど…この街は平和だね…」
「あぁ、そうだな…。最近…いや、ほとんど『シグマ事件』が起きていないからなぁ…」
「うん…そうなんだけどさ…ボク思うんだ…。ボク達は何の為に造られたのか…って」

 エックスがそう言うと、ゼロはクスッと笑った。
 そしてこう言った。

「俺達は、この街…いや、この都市を守る為に造られた…そうなんじゃないのか?」
「そうだよ…」
「じゃ、何でそんな事を言い出すんだ?」
「…………………………」

 エックスは少しの間だけ黙った。
 何かを考えるかのように…。

「何かが違うんだ…」
「『何かが違う』?」
「うん。だっておかしいじゃないか…。こんなに平和なのに、『シグマ事件』が起きないのって…」
「…それはたまにあることだ…別におかしい事じゃない」
「…でもさ…まだ大量に発生してもいないのに、ボク達を造ったのは、何か…変だと思う…」
「オマエは、自分がここにいる資格はないと…そう言いたいのか?」
「違うよ…そんなんじゃ無くて…」
「じゃ、何なんだ?」
「……………………」

 エックスはまた黙り込んだ。

―ボクは何を言っているんだろう…―

 黙り込む二人。

 何時間ほど黙っていただろうか…。
 突然とゼロが話し始めた。

「…俺達に、この時代を楽しんで行ってほしんだよきっと…」

 少しエックス口調で話すゼロ。

「え!?」
「戦いのためだけに造られたのなら、感情なんていらないだろ…?」
「……」
「だから…この時代を守りながらも、人間のように暮らしていてほしいのかも知れないって事だよ」
「…そうか…分かったよゼロ。ありがとう」

 エックスはゼロにお礼を言った。
 どうやら、頭にたまっていた何かが晴れたようだ…。

「…おまえのせいで、この言葉が出てくるのが遅くなっちまったよ…」
「何だよそれ!」
「ははは」

―ピピ…

 二人のインカムが鳴り出した。

『はい、こちら…』「エックス」「ゼロ」

 二人は同時に言った。

≪たった今他の連中から連絡が来たんだ!『ウィルスで暴走しているレプリロイドが大勢いる』って。このままじゃ、この街全体にウィルスが広まってしまう!≫

『場所は?』

 また二人は同時に言った。

≪エリア35の住宅街だ!頼む、急いでくれ!≫

 通信はそこで切れた。
 二人は顔を見合わせ、こくりと頷き、その場所へ向かった。




 二人が向かっているときに、「シグマウィルス」は完全に街を征服し、ほとんどのレプリロイドは、暴走し人間達に危害を加えていた。
 そんなレプリロイド達を、いやいや破壊しながらも、発生場所へと向かっていた。

 そして辿り着く…

 二人はとても良いチームワークを見せ、「イレギュラー」を破壊していった。
 エックスは、X(エックス)バスター、ゼロは、Z-SABER(ゼットセイバー)を使い、二手に分かれ、発生源からだんだんとイレギュラーを減らしていった。

 そのとき、初めて二人が離れていることに、彼らは全く気付いていなかった。




「こっちは何とかなりそうだな…ゼロのほうはどうなんだろ…?…そうえば、初めて離れたな…ボク達…」

 少し息を切らしながら、エックスはゼロに連絡をとろうとした。

「……ゼロ?聞こえる?こちらエックス。応答を願う」

 だが、ゼロからの返事は全くなかった。
 エックスは、ゼロに何かあったのかと思い、ゼロを探し始めた。

 もちろん、イレギュラーを倒しながら…。

「ゼロ~!!ゼロ~!!」

 彼の名前を呼んでも全く返事はない。
 一体どこへ行ってしまったのだろう…。


 ゼロを探す事、約十分。
 やっとの事で彼を見つける事ができた。
 だが、彼の様子が少しおかしかった。

「やっと見つけた…」
「…………」

 ゼロは、エックスの声を聞きゆっくりと振り返った。
 彼の顔は、とても悲しそうな顔だった。

「ゼロ、探してた――」
「なぁ、エックス」

 ゼロはエックスの言葉をさえぎった。

「俺は…俺は…もう…………」
「え?何なの?」

 エックスはゼロに問い掛けた。

「…………」
「ねぇ、どうしたの?話してごらんよ?」

 ゼロは、泣きそうな顔でこう言った。

「……さようなら…エックス…」
「え!?」

 エックスは理解ができなかった。
 何故、ゼロが『さようなら』と言ったのかが…。

「何!?何だよ『さようなら』って。よく解らないよ!ボク達、いつでも一緒だっ――」
「来るな!!」

 エックスがゼロに近付こうと前に出たが、彼の声にエックスは止められてしまった。

「俺はもう…俺はもう…!」

―カッ!

 突然とゼロが激しく輝きだした。

「うあぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!!!!」

 ゼロは叫び出し、完全に光に包まれ、そして、光の弾となってどこかへ飛んで行ってしまった。

 エックスが目を開けたときには、もうそこには、ゼロの姿はなかった。

 ゼロの記憶は、そこで途切れた…。
 そして、100年の眠りによって、その記憶はすべて排除された…。


第四話へ続く…

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