NOVELS ROOM from ROCKMANZERO

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第三章



第三章 漆黒のレプリロイド


「どう?セルヴォ、何かわかった?」
シエルはレジスタンスベースでただ一人の技術者、セルヴォに聞いた。
シエルたちがトランスサーバでレジスタンスベースに帰った後、一人のレプリロイドがレジスタンスベースに倒れこんできたのだ。
しかも今は意識がない。


           *


「シエル様!外に黒いレプリロイドが!」
「えっ!レプリロイド!?どこ?」
「砂漠のゲート付近です!」
ゼロとブルーも現場に向かったが、保護されたレプリロイドは酷い状況だった。
きっと元は漆黒のフォームだったのだろうが、戦いで傷ついた人工皮膚から漏れたオイルが全身を真紅に染めていた。
シエルたちがベースに帰るときにも、そのレプリロイドは地面に赤黒い染みを作っていた。


           *

セルヴォが答えた。
「いや・・・・データが読み取れない・・・」
データに強いプロテクトがかかっている、とセルヴォは言った。

それから程なくして、そのレプリロイドは目覚めた。
「うう・・・・ここは・・・」
「あ、気がついたのね?」
「ここは・・・どこだ・・?」
シエルはそれに答えた。
「ここはレジスタンスベースよ。あなたの名前は?」
「私は・・・・ヘイトだ・・・この名に確証はないが・・・」
そのレプリロイドはヘイトと名乗った。
口調からはわからないが一応女だということも伝えた。(シエルは少し驚いた。)
ヘイトが目覚めて数分後、ゼロとブルーもやって来た。
「目が覚めたのか。」
「大丈夫ですか?」
二人とも言い方こそはかなり違ったが、少なくともゼロは心配はしていたようだった。
「ああ、平気だ。」
三人はシエルが話があるというのでしばらくその部屋で待つことにした。

「じつはね・・・・・」
シエルは話し始めた。
今まで誰にもできなかったことで、もしかしたらゼロ達にはできるかもしれない事。
それは、スクラップの処理工場に連れて行かれた、レプリロイドの救出である。
シエルの話では、いまこうして話している現在も、無実のレプリロイドたちが処分されているという・・・
「あ、でも、ヘイトは休んでいて。さっきまであんなに重症で、いま目覚めたばかりなのにもし行ったら、あなたの命が危ないもの・・・」
「いや、行こう。」
シエルの制止を振り切って、ヘイトは行くといった。理由は、
「折角助けてもらった。シエル、そしてレジスタンスの人たちに、恩返しがしたい。」
そういうと、ゼロたちと出て行ってしまった。

途中、雨が降ったりしたが、三人はさほど難なく先へと進んで、妙な瓦礫の山にたどり着いた。
《処理施設はその向こうよ》
三人のインカムからシエルの声が聞こえてきた。
《気をつけてね・・》
その声を合図に、三人は瓦礫を上り、先へと進んだ。

「私は、四天王ハルピュイアさまのごめいれいでスクラップどものしまつをしているアステファルコンだ」
目の前の隼の形をしたレプリロイドがこう言った。
「ああ!助けて!助けてくれー!」
下のほうを見ると、レジスタンスの声が聞こえた。
「オマエたちもスクラップどもの仲間だな?ふふ、ついでだオマエたちもいっしょにしまつしてやる!」

ぼそりとヘイトがこうつぶやいてから、戦闘は始まった。
「命乞いとは・・・・愚か・・・・だが・・・・助けないわけにはいかない!」


第三章  完  第四章に続く

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