NOVELS ROOM from ROCKMANZERO

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第五章



第五章  第二の任務




シエルが言った。
「敵の輸送列車を破壊して、敵の補給を邪魔したいの。偵察班からの連絡によると‥敵の列車は、今、旧プラットホ-ムで荷物を
 積み込んでいるらしくて‥攻撃する絶好のチャンスみたいなの・・・この輸送列車を‥破壊してくれないかしら‥」

ゼロたちは、即刻地下鉄跡に向かった。


《輸送列車は、その地下道の奥にあるわ。気をつけてね・・・》

地下鉄跡は、地下鉄と言うよりすたれた廃墟と言うほうが近かった。
中でも、配線が剥き出しになり、漏電しているところはかなり危なかった。
仕方がないのでそれを切って進んだ。

グライアイを切り捨て、穴を飛び越え、配線をバラバラに切り刻んで進んだ先にあったものは、敵の輸送列車だった。


ここでシエルからの通信。
《みんな、大変!輸送列車には、以前ベースから盗まれたサイバーエルフが積み込まれているらしいの。敵の本拠地に持っていかれたら、
きっと悪いことに利用されるわ!おねがい・・・助けてあげて・・・》

「わかった。」
「いいよ。」
「了解。」

返答は様々だったが、全員了解済みの話だ。列車の破壊と、サイバーエルフの救出のため、皆は列車に飛び乗った。
その時、
三人の耳元でつよい風が吹き抜けた。

《発車しちゃったみたい・・》
三人が下を見てみると、確かに地面が動いていて、じっと見ていると酔いそうだった。
「うぉえ・・」
ブルーがすでに酔いかけている。三人は視線を元に戻した。
《さらわれたサイバーエルフを助けないと・・・みんな、お願い!》


「うわぁ!」
危うくブルーが風圧で飛ばされそうになる。
元々からだが軽い少年型レプリロイドなので、ここでは一苦労だ。
「しっかり掴まっていろ!」
ヘイトが警告を発する。
「掴まってますけど・・・・やっぱり風圧がっ」
「・・・仕方がないな・・・ブルー、お前は中から行け。そのほうが安全だろう」
前には丁度車両の連結部分があり、そこから中に入れるようになっていた。
「あ・・・じゃあ、二人ともお気をつけて。」
こうして、ゼロとヘイトはブルーと別れた。

「・・・なんかこっちの方が敵が多いような気がするんですけど・・・・」
自分のことをトゲつきのローラーで潰そうとする酷い敵をライドブレードで蹴散らしながら、先に進んでいた。
すると、シエルから三人に通信が入った。
《みんな、聞いて!その列車に・・・・・人間が乗っているわ!見つけ次第保護してあげて!》

『了解。』

同じころ、蒼い髪の人間が、列車の先頭部に乗り込んで行った。




「人間はいなかったぞ。」
ゼロが合流したブルーにこう言った。
「こっちも、いませんでしたけど・・・」
今、三人は先頭車両の前にいる。
「残るはここだな・・・・。・・・もしかしたら、ここにいるんじゃないのか?」
「まさか。・・・でも時間がないな・・・・行くぞ。」
ゼロの一声で、三人は先頭車両に乗り込んだ。その瞬間、目の前で炎が吹き荒れた。
そして、ヘイトの予想は当たっていた。

炎がきえた後、目の前に人が倒れていた。
「グリーンさん!」
ブルーが叫んでグリーンに駆け寄り、危険地帯から連れ戻した。
「知っているのか?」
ヘイトが問う。
「はい、昔会ったことがあって・・・でもグリーンさん!何でこんなところに?」
すると、グリーンがかぼそくつぶやいた。
「ト・・・トッター・・・が・・・あいつに・・連れて行かれ・・ぐっ!」
グリーンは忍者なのである程度の攻撃には普通の人よりは耐えることができる。
だが、精密メカニロイド、パンテオン・コアの灼熱の炎連続攻撃には、修行で鍛え上げた体も耐えることはできなかった。
「!!おい、足元が・・・」
せりあがってきた。そして天井が開いてトゲが見える。
レプリロイドにとってトゲはとても危険だ。普通のレプリロイドなら、トゲが体の一部に突き刺さると即死である。
四人は急いで乗っている床から飛び降りた。
そして飛び降りた床もトゲに向かって上に上る。
四人はその動作を繰り返した。
しばらくすると床は止まり、再び炎が繰り出してきた。
「まずいな・・・」
「何がだ?」
「時間がない!」
その直後にシエルから通信が入り、あと少しで敵のベースに着くと言う事を知らされた。

「どうするんだ!?」
「慌てるな!あいつに大ダメージを一度に与えれば・・・・できるか?・・・ゼロ、ブルー・・・」
「何でおれたちなんだ?」

《みんな!あと少しで敵ベースに着いてしまうわ!時間は・・・・10秒・・・》

「私の属性では奴に巨大なダメージを与えることはできない・・・というよりはダメージを与えられないな・・・」
ヘイトは続けた。
「奴の弱点は雷・・・だからブルーの轟雷烈落斬とゼロのサンダーチップで奴にダメージを与えてくれ!」

・・・残り6秒・・・

「「わかった!」」

ゼロとブルーがチャージをする間、ヘイトがゼロのバスターでパンテオン・コアにわずかながらダメージを与えていく。

・・・5・・・・

ゼロとブルーのチャージが完了した。

・・・4・・・

ヘイトがダメージを与えて相手の動きを止めているところに二人が突っ込む。

・・・3・・・

バチバチという耳をつんざくような音を立てて、パンテオン・コアに大きなスパークが走り、大きな爆発を起こす。

・・・2・・・

パンテオン・コアの残骸からサイバーエルフカプセルを発見、回収し、列車を脱出。


―AM 1:27 サイバーエルフトッター救出 人間一名保護 輸送列車破壊成功 ミッションコンプリーデット




第五章  完   第六章に続く

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