NOVELS ROOM from ROCKMANZERO

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巻ノ弐



「な、何だあ!?」
ファーブニルが頭だけ起こし振り向いたそこには、一人の侍が立っていた。
周りの皆が、彼に注目した。
ファーブニルよりも深い真紅の着物で、輝かしい黄金の髪の毛を高い位置で結ってい
た。
「・・・・・貴様、何者。」
ファントムがセルヴォに向けた刀を、下に下げて言った。
金髪の彼は、ファントムの質問に答える前にチラッとシエルを見た。
シエルは、戸惑ったような表情をしている。
「俺は・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・名乗るほどのものではない。」
「いや、”俺は”まで言ったんなら、言えよ・・・。」
ファーブニルが軽く突っ込むと、侍は苦虫を噛み潰したような表情になった。
「・・・俺は、呂玖曼のゼロ。さすらいの侍だ。」
「さすらいの侍って、語呂悪いな・・・。」
「いちいち突っ込むなああっ!」
いきなり金髪の侍はキレて、自分の腰にあった刀を抜きはなった。
その刀は、光を帯びていた。
その刀を、ファーブニルの頭の上でバサバサバサッ!っと、勢いよく振り回した。
「・・・・・何を・・・っ!」
ファーブニルが驚いて、反射的に自分の頭に手をやるといつもあるはずのかっちょイ
イ(?)髪の毛に手が触れなかった。
ファントムが、すごい哀れみの目で見ながらつぶやいた。
「・・・・ファーブニル・・・、御主の髪・・・モヒカンになっているぞ・・・・
・。」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「NOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

シエルは今までの緊張感を忘れて吹き出している。
周囲の観客は、状況の展開の速さについていけてない。むしろ、呆れている。
可哀想なファーブニルは悶絶しながら叫んだ。
「くっそお~っ!!覚えてろよ、そこの赤いやつ!・・・俺も赤いか。そんなことは
どうでもいい!帰るぞ、ファントム!」
「はっ・・・?っちょ・・ファーブニル!?」
・・・二人の武士は、走り去って言った。
シエルは、はっと我に返って金髪の侍、「ゼロ」の方を改めて見た。
「有難う御座います、何てお礼をいったらよろしいのか・・・」
「礼はいい、俺が個人的にむかついただけだ。」
輝く刀を鞘に戻しながら、ゼロは言った。
「・・・だが、やはり何か訳有りの様だな。」
「はい、ちょっと・・・。あ、あのっ!こんなとこで立ち話もなんですから、どうぞ
中へ・・・。」
そういって、シエルはゼロを玄関のほうへ案内した。
店先では、セルヴォが客に「本日は休業にしま~す!」と、叫んでいた。


「・・・で、いったい何事だったんだ。」
ゼロは出された茶を、すすりながら聞いた。
「はい、実は・・・。うちの店はそんなに儲かっていないのです・・・。早い話貧し
い訳ですが・・・。」
「・・・?見た感じ繁盛していたようだが・・・。」
「うちの売りは、『安くて早くてうまい!』なんです・・・・。」
「(どこの定食屋だよ・・・・・;)・・・で、あの武士らとの関係は。」
「さっきも言った通りうちは、貧乏なんです。だからこの店を経営していくにはやは
り御国の補助が必要なんです・・・。」
それでも判らないといった感じで首をかしげているゼロに、シエルの隣に座っていた
セルヴォが言った。
「借金ですよ、借金。やつらは殿の配下の借金取りです。」
「・・・(水戸●門的展開だな・・・。)・・・成程な。」
その瞬間、シエルが意図的になのか、本心からなのか、涙をポロリと流した。
「お願いしますっ!私たちを助けてくださああ~いっ!!」
・・・泣きついた。ゼロは、多少戸惑ったものの
「いいだろう、ここまで生活が追い詰められた一因に国が関係してくるだろうし。し
ばらくの間俺がこの店にいてやろう。」
と、言ってしまった。
かくしてゼロはまた、レジスタンスの仲間についたときのように訳も分からずままシ
エルの泣き脅しに騙されたのでした(何

・・・巻ノ参に続く・・・


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