火曜日の夜の話
フタに何やらマジックで書いてある。
『見て!!』
他にもゴチャゴチャ書かれていたが、『・・・猫が入っています・・・』の一文が目に入った。
猫が入っていますったって、開けっ放しのダンボール箱だから逃げるんじゃね?
と思いつつ箱を少し浮かせたら、あら重い。
まさか、仔猫さんがワラワラ入っているんじゃねーだろーなー、
でも、鳴き声しないから違うかなー、グッスリ寝ていたりするのかなー
箱の中には、まず丸めた紙くずが大量に入っていた。
それを掻き分けていくと薄茶色の毛が見えてきたが、様子がおかしい。
フタに書かれている文章にもう一度目を向けると、『・・・死んだ猫が入っています・・・』
なによ、これ。
市内の電話番号も書いてあり『環境センターの番号です。この箱を見た人は電話してください』
環境センターって、つまりは清掃局だろう。
番号まで調べておいて、なぜに他人に電話をさせようとするのか・・・
小学校高学年くらいの女の子っぽい字だったが、どこかで隠れて飼っていたのだろうか。
夜だったので、電話をかけても誰も出ないかもしれない。
明日の朝まだ箱があったら、出勤途中にあるペットの葬儀屋さんに持っていこうと考えた。
そんな話を焼き鳥屋のにーちゃんにしたら、にーちゃんは気になって夜中に見に来たらしい。
真夜中にその番号へ電話をかけたら、電話に出た人がいたそうで、
翌朝取りに来てくれることになりました・・・と、にゃおんが寝ている間にメールが届いていた。
焼き鳥屋のにーちゃんは、本当にいい人だ。
【本日のビール】
生ビ