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街並みを歩いていると、
きみたちがうようよいる、
全盛期を迎えたのかな、
大中小が揃い踏みして、
更地にもねぐらの空地にも、
建設途上のビルの上にも、
鉄骨で組まれた長い首を、
長々と伸ばして存在している、
荒々しくふてぶてしく壮観だ、
「我思う故に我あり」かな、
そんな言葉が降ってくるの。
その上の恐竜たちとちがって、
きみたちは人と共存している、
人が造ったんだから当然か、
だけど複雑な気持ちになる、
パワーショベラサウルスと、
ブルドザウルスはきみたちの、
よき仲間でやはり繁栄している、
その仲間も含めてきみたちは、
まだ頑丈な建物を壊して食べる、
その跡にもっと大きな建物を作る、
それはきみたちの子孫のためかな、
200年300年前の建物が、
まだ充分に実用になっている例を、
きみたちは知っているだろうか、
まだ十二分に実用に供せる建物を、
たかだか数十年で食べてしまう、
強力な破壊力と咀嚼力からすると、
どうやらきみたちは肉食恐竜らしい、
僕はとてもとても危惧している、
きみたちの獰猛なまでの食欲は、
やがてすべての建物を食いつくし、
飢えて子孫に残す建物も作れない、
はてしなく広がる荒れた更地に、
きみたちが累々と屍をさらしている、
新たな恐竜絶滅伝説の幕開けだ、
そんなことにならないよう、
どうか僕らともっと優しく共存できる、
新種の恐竜に進化してほしい。
WEB絵劇場はこちら ◆志茂田景樹のホームページ・
本
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