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15日付の朝日朝刊3ページの記事によれば、
東大分子細胞生物学研究所の所属だった、
加藤茂明元教授の研究グループの論文のうち、
なんと48本に捏造、改ざんなどの不正の疑いがあり、
撤回が妥当、と東大当局が中間報告で発表したという、
医学・生命科学の分野で、
不正で撤回される論文は、
日本からのものの場合、
2001年頃から増える傾向にあったらしい、
これは何を物語るか、
論文でも、ノンフィクションでも、
インターネットが普及する前は、
コピー機でコピ-された資料を含めて、
机の傍らに積み上げた、
紙の冊子、本の文献資料を読み込み、
この部分をどのように使うかを考えるだけで、
多くの時間を割いた、
引用ならその旨を明記し、
参考にして自説を展開する場合でも、
作品の巻末に参考資料名を列挙した、
ワープロを使うにしろ、
原稿用紙にしろ、
引用部分は一言一句もなおざりにせず、
打ち込んだり、
手で書かなければならなかった、
だから、活字になって読んだ人間から、
この結論はどういう根拠で導き出されたものか、
と訊かれても、
そらで参考にした複数の説の由来を言えたし、
各説の長所短所を踏まえて、
自分はこう思う、
とはっきり自説を主張できたのだ、
今はインターネットを駆使すれば、
あらかたの文献資料を見出すことができる、
紙媒体ではまだ得られない最新の情報まで入手できる、
さらに、
実はそこに落とし穴があるが、
必要な箇所を切りとったりコピーしながら、
作成中の論文などにいくらでも貼りつけ挿入できる、
やたら引用があっても、
きちんと出典を明記すれば問題ない、
ただ、自説を展開するときに、
本来なら引用なのに、
数行の短いものだと、
つい自説の中に繰り込んでしまうことがある、
のではないか、
これが癖になると、
引用したかどうかも定かでなく、
安易にコピー、貼りつけをしたので、
出典が何かは思い出すことさえできない、
という有り様になる、
もう1度、確認しようにも、
その出典にたどりつけない、
という事態さえ起こる、
2001年前後は、
研究者のすべてがインターネットを、
駆使しだした時期ではないだろうか、
インターネットの負の部分に、
前途有為の研究者の多くがはまっている、
としたら由々しいことではないか。