おはなし  真意




啓介が恭子のFDで、勝利を得た後のおはなし。

管理人が「ダーリン」という言葉が苦手なので「彼」に置き換えた。

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啓介が、恭子の前へ行った。
恭子は、ドキドキした。

 啓介「ありがとう。 俺が勝てたのは、おまえのおかげだ」

 恭子「そんな事ないです。私は、ただ自分のFDを貸しただけです」

 啓介「後日、改めてお礼をしたいけど・・・」

 恭子「お礼なんて、別にいいです。
    私は、啓介さんのお役に立てただけで、うれしいです」

 啓介「そっか・・・じゃ。ありがとうな」

啓介は、車に乗ってしまった。
恭子は、啓介を見つめるだけだった。

埼玉最終戦が、終わったんだ・・・
もう彼らは、埼玉に用はないんだ。
もう彼は、埼玉に来ないんだ。
一生彼に、会う事はないかもしれない。

プロジェクトDが、行ってしまう・・・

啓介は優しい目で、恭子に<ありがとう>と言っているのがわかる。
恭子は、手を振る事もなく、ただ啓介を見つめるだけ。
手を振ったら<さよなら>と言ってるみたいだから。
このまま、会えなくなるのは、イヤだから。

プロジェクトDが、行ってしまうと、恭子の目からこらえていた涙が自然と
出てきた。

もう2度と、会えないの?
このまま、さよならなんてイヤだ。
でも、どうする事もできない。


 延彦「どうした?」

仲間の延彦が、恭子の顔を覗き込んだ。
延彦は、他の仲間と一緒に、このバトルを見に来たのだ。
バトル後、偶然恭子を見つけたが、啓介と一緒だったため、声をかけられずに
いた。

 恭子「あっ。何でもないよ」

恭子は、慌てて涙をふいていた。

 延彦「高橋啓介に、おまえのFDを貸してやったんだろ」

 恭子「うん」

 延彦「それで勝ったんだから、泣く事はないだろう?」

 恭子「そうだけど・・・すごかったね。今日のバトル。
    やっぱり、プロジェクトDはすごいね」

涙をふいてもふいても、恭子の目からは、涙があふれ出てきた。

 延彦「・・・・どうして好きだって、言わなかったんだ? あいつに」

 恭子「・・・・言ったよ。言ったけど、どうにもできない事ってあるでしょ?」

延彦や仲間は、何も言えなくなってしまった。

 恭子「やっぱり、啓介さんとは、身分違いだった。
    私が、いくら好きでも、向こうは私のこと・・・」

 延彦「もう、あいつの事は忘れろよ。
    もう、埼玉には来ないだろうし・・・
    恭子のことを好きな奴だって、たくさんいるんだから・・・」

恭子は、まだ延彦が<自分の事を好きだ>と言うことを知らない。

 恭子「もう、帰る」

恭子は、自分の車に乗った。

さっきまで、彼が座っていたシート。
さっきまで、彼がにぎっていたステアリング。
さっきまで、彼が踏んでいたアクセル。

啓介の体のどこかが、FDに触れている。

彼の指が、ドアを開けた。
彼の目が、FDのあちこちを見た。
彼が、FDのエンジン音を、耳で聞いた。
彼の<どうしても勝ちたい>という気持ちが残っている・・・

彼が、私のFDにさっきまで乗っていたんだ・・・

恭子は、幸せな気持ちになった。

その日は、延彦や仲間と一緒に帰った。


 @@@@@@@@@@@@@@@


ある週末。
恭子のとこへ突然、啓介から電話が入った。

 啓介「おい、明日暇か? 
    この雨は、明日明後日まで続くみたいだから、遠征は中止だ。
    暇なら、会わないか?」

啓介からの電話だけでも、びっくりしているのに、急に<会わないか?>と
言われ、2倍びっくりしている恭子。

え? 
会う?
私と彼が会う?

 啓介「暇じゃないなら、いいんだけど・・・」

もう2度と啓介とは、会えないと思っていたので、ちょっとパニック。

彼が、私に会いに来る?
彼が、1人で来るの?
2人だけで会うの?

恭子から、何の返事もない。

 啓介「悪い時間に電話しちまったかな? 忙しいなら、またにするけど・・」

 恭子「あっ。暇です。暇です」

恭子は、慌てて返事をした。

 啓介「明日、会おう。こないだのお礼をしたいから」

 恭子「お礼なんて・・・」

 啓介「とりあえず、明日」

恭子は、自宅からわかりやすい場所を、啓介に教えた。

明日、彼に会える。
彼が、埼玉に来る。

恭子は、うれしかった。

でも・・・どうして、私の携帯の番号がわかったのかな?

明日、彼が自分に会いに来る。
もう、うれしくてうれしくて、たまらなかった。

2人きりで会うって事は、デート!?

恭子は、ドキドキしていた。


 @@@@@@@@@@@@@@@@@@


次の日。
恭子は、待ち合わせ場所に、30分前から待っていた。
ドキドキ。

ところが、約束の時間を、10分過ぎても20分過ぎても、啓介は来なかった。

どうしたんだろう?
待ち合わせ場所って、ここでいいんだよね!?
時間を、間違えたのかな・・・

恭子は、だんだん心配になってきた。

30分を過ぎた頃、啓介のFDの音が聞こえた。

 啓介「遅れてごめん。寝坊した」

恭子は、啓介のFDのナビシートに座った。

 恭子「来てくれてよかった。 どうしたのかな~って思っていたのよ」

恭子は、ほっとした。

そういえば、彼のナビシートに座るのは初めてだ。
ちょっと緊張している恭子。

 啓介「どこ、行こうか?」

 恭子「どこでもいいです」

 啓介「この雨だからなあ・・・」

雨は、これでもか~というくらいに降っていた。

 啓介「埼玉でおもしろいとこ、あるか? 千葉でもいいけど・・」

 恭子「どこでもいいよ」

啓介は、目的地を決めれず、適当に走っていた。

 啓介「都内は、走りにくいから、神奈川でもいいな。 箱根なんかどうだ?」

 恭子「啓介さんと一緒なら、どこでもいいです」

啓介には、恭子の<どこでもいい>という返事が、何か気にいらなかった。

 啓介「はっきりしろよ。 行きたいとこ、どこでも行ってやるぜ。
    遠慮しないで、行きたいとこ、言えよ」

啓介の口調が、少しきつくなった。

恭子は、少し怒った顔の啓介にびっくりして、返事に戸惑ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 啓介「ごめん・・・・・」

恭子は、首を振った。

FDは、なぜか箱根ではなく、茨城方面へ向かっていた。
無言の時間が、10分・・・・20分。

2人の雰囲気が悪い時に、ケンタから電話が入った。

 啓介「もしもし・・・」

 ケンタ「ケンタです。もう起きてたんですね。今日は、早いじゃないですか。
     雨が降って、遠征が中止になったから、遊んでもらおうと思って・・」

 啓介「わりーい。ケンタ。 今日は、ダメなんだ。またな」

啓介は、すぐに携帯を切ってしまった。

恭子は、まだ無言のまま。
何を話したらいいのか、わからない。
<どこへ行きたいか?>と聞かれても、わからない。
彼となら、どこでもいい。

雨は、相変わらず、たくさん降っている。

ケンタからの電話から、5分後。
啓介は、コンビニで車を止めた。

 啓介「喉、渇いたな」

 恭子「うん」

2人は、車から降りて店内へ入った。
啓介は、ジュースを見ている。

 恭子「トイレ行って来るね」

 啓介「ああ」

恭子が、トイレから出て来ると、啓介はもう店内にはいなかった。
車に戻ると、啓介がコーラを飲んでいた。

 啓介「おまえも飲むか?」

啓介が、ペットボトルのコーラを差し出した。

このまま、飲むの?
それって、間接キスじゃないの?

恭子は、どうしようか迷ってしまった。

 啓介「いらないのか?」

啓介が、またコーラを飲み始めた。
暑くて喉が渇いているのか、啓介の飲むペースが速い。
どんどんなくなっていく。
最後の一口になった。

 啓介「本当に、いらないのか?」

残りたった一口・・・

 啓介「コーラ、嫌いなのか? 何が好きなんだ?」

啓介は、恭子の返事を聞かないうちに、最後の一口を飲んでしまった。

 恭子「もう1本買って来るね」

恭子は、同じコーラを買って来た。

 啓介「おまえ、コーラが嫌いじゃなかったのか?」

 恭子「好きだよ」

啓介は、不思議な顔をした。
恭子は、自分の買って来たコーラを飲んでいた。

 啓介「俺にもくれ」

恭子は、コーラを渡した。
啓介は、ごくごく飲み始めた。

間接キスだ・・・

 啓介「そーだ。こないだのお礼・・・」

啓介が、思い出したように言った。

 啓介「何か、欲しい物あるか?」

恭子が、首を振った。
啓介は、少し考えた。

 啓介「じゃ、おまえにこれやる」

啓介は、FDのキーをつけてあるキーホルダーを恭子に渡した。

 恭子「私に?」

 啓介「ああ」

 恭子「でも、これって大切な物でしょ?」

 啓介「だから、おまえにやるんだ」

 恭子「・・・・ありがとう」

恭子は、キーホルダーを、ぎゅっと握り締めた。

啓介は、またコーラを飲み始めた。
飲み終わると言った。

 啓介「さて、行くか」

啓介さんから、もらったキーホルダー。
うれしいな。
いつでも、啓介さんと一緒だ。

恭子は、うれしくてうれしくてたまらなかった。
ずっと、ぎゅと握り締めていた。
好きな人から、何かをもらうとうれしいね^^


何時間か後。

 恭子「あっ。海だ」

 啓介「夏と言ったら、海だろ?」

 恭子「でも、雨降ってるよ」

 啓介「雨が降ってても、海は海だろ?」

 恭子「そうだけど・・・」

たくさんの雨で、人はほとんどいなかった。

 啓介「なあ、車降りて、向こうへ行って見ないか?」

 恭子「ええ? たくさん雨が降っているよ」

啓介は、自分の傘を差して車から降りると、恭子の方へ行った。
<降りて来い>と言う意味だ。

恭子は、啓介からもらったキーホルダーをバッグにしまい、車から降りた。
相合傘だ・・・
恭子は、恥ずかしくて、少し遅めに歩いていた。
半分位、傘の中に入っていない。

 啓介「ぬれるぞ」

啓介が、恭子の手を引っ張った。
ドキドキする・・・

 恭子「あっ」

恭子が、石につまづいて、転びそうになった。
啓介が、慌てて恭子を抱きかかえた。

 啓介「大丈夫か?」

 恭子「ありがとう」

恭子は、あまりにも近くにいる啓介に、ドキドキしていた。
啓介も啓介で、真近にいる恭子に、ドキドキしていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 啓介「やっぱり、車に戻ろう」

啓介は、また恭子の手を引っ張った。

 恭子「うん」

2人は、車に戻った。
ぬれた髪の毛や服を、タオルでふく2人。

 啓介「ごめん。結構ぬれちまったな」

 恭子「ううん。気にしないで」

 啓介「子供の頃、海って知らなかったんだ。群馬には、海がないから。
    初めて見た海がここで、海ってすごくすごく広いんだな~って
    思ったんだ。アニキと2人で砂浜で遊んだのを、今でも覚えている」

啓介は、子供の頃の思い出を話していた。
恭子は、うなづきもせず、啓介の話を聞いているだけだった。

 啓介「ごめん。俺ばっかり話して・・・
    おまえなら、何でも話せるような気がした」

啓介は、恭子を見つめた。
ドキドキ・・・
恭子は、ドキドキして下を向いてしまった。

 恭子「ねえ、聞いていい?」

 啓介「何だ?」

 恭子「どうして、私の携帯の番号、わかったの?」

 啓介「・・・あの眼鏡かけた奴から、聞き出したんだ」

 恭子「延彦から?」

 啓介「ああ。アニキがその・・・延彦って奴の電話番号知っていたから
    俺が教えてもらったんだ。
    でも、なかなか、おまえの番号を教えてもらえなくて苦労したぜ」

 恭子「どうして?」

 啓介「・・・・おまえは、知らないかもしれないけど、あいつは多分
    おまえの事が好きなんだぜ。だから・・・・」

 恭子「??????」

 啓介「俺が、おまえにお礼をしたいと粘ったんだ。
    恭子に、どうしても会いたいと言ったのさ」

 恭子「・・・・・・・」

雨は相変わらず、止むこともなく、どんどん降っている。
雨の海には、誰もいない。

 啓介「恭子・・・ありがとう・・・」

恭子は、啓介の<ありがとう>に、すごくドキドキしていた。

啓介さんが、私を見つめている。
啓介さんが、私を思ってくれている。


 啓介「さて、昼飯でも食いに行くか」

 恭子「うん」

恭子は、シートベルトを締めた。

雨は、まだまだ降っている。
でも、雨が降って遠征が中止になったから、啓介と会えたんだ。
雨に、感謝しなきゃ・・・


こうして、啓介さんの隣にいるだけで幸せ♪
好きな人と一緒にいるって、いいね。

啓介さん。キーホルダー。ありがとう。
大切にするね。


  4月22日


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2人は、昼食を食べ終わった。

 啓介「この雨だし、どこへ行こうか?」

 恭子「う~ん。どうしようか」

 啓介「とりあえず、戻るか」

 恭子「うん」

啓介は、もと来た道を走って行った。


 啓介「どこ、行こうか?」

 恭子「・・・・ねえ、うちに来ない? 着替えたいし」

少しずつ服は乾いてきたが、やっぱりそのままでは気持ちが悪い。

 啓介「え?」

 恭子「うちの親、出かけていて夜まで帰って来ないし」

 啓介「・・・・・いいのか? 行っても」

 恭子「うん。汚い家だけど」

 啓介「この雨だしなあ・・・おまえも着替えなきゃな」

雨は、これでもかってくらいに降り続いている。

 啓介「本当におまえん家、行ってもいいのか?」

 恭子「うん」

 啓介「・・・じゃ行くか」


岩瀬家。

 恭子「どうぞ」

 啓介「お邪魔します」

 恭子「私の部屋は、2階よ。散らかっているけどね」

 啓介「俺の部屋に比べれば、きれいだろうが・・・」

 恭子「着替えてくるね」

 啓介「ああ」


恭子が戻って来た。

 啓介「灰皿、あるかな?」

 恭子「気がつかなくて、ごめん。今持って来るね」

恭子が、灰皿を持って来た。

 啓介「サンキュー」

 恭子「何か飲む?」

 啓介「別にいいよ」

啓介と恭子は、車の話をしたり、アルバムを見ていた。

さっきから、啓介が何回もあくびをしている。

 恭子「眠いの?」

 啓介「朝、早かったからな」

 恭子「もしよかったら、私のベッドで寝ていいよ」

 啓介「・・・・いいのかよ」

 恭子「うん」

啓介は、遠慮なく、恭子のベッドに横になった。

 啓介「おまえも、一緒に寝るか?」

 恭子「そ、そんな・・・」

恭子は、ドキドキしていた。

 啓介「適当に、起こしてくれよ」

啓介は、寝てしまった。

かわいい寝顔・・・
素敵な寝顔・・・
私は、そんな啓介さんが好き。
すごく啓介さんが好き。
啓介さんが、こんなに真近にいるなんて幸せ。
幸せ・・・


どのくらい、時間がたったのだろうか。

「・・・うこ   きょーこ」

自分を呼んでいる声がする。

「きょーこ いるの?」

恭子は、はっと気がついた。
啓介の寝顔を見ながら、自分もベッドを枕にして寝てしまったのだ。
もう1度

「きょーこ」

と呼ぶ声がした。

啓介は、まだ寝ていた。

恭子は、急いで下へ降りて行った。
恭子の母親が、階段の下にいた。

 恭子の母「恭子、いたなら返事くらいしなさい」

 恭子「はーい」

 恭子の母「お友達、来てるでしょ」

 恭子「うん。 車、入れ替えるね」

恭子は、2階へ車のキーを取りに戻った。

啓介さんの車のキーは・・・
ポケットかな。

服には、ポケットがないってことは、ズボンのポケットだ。
ズボンには、キーはくっついてない。

恭子は、啓介のズボンのポケットに手を入れた。
ドキドキ。
何か、変な感じ。
ない・・・

反対のポケットだ。
恭子は、啓介をまたいで、反対側のポケットに手を入れた。
ドキドキ。
ない・・・
なんでないの?

 啓介「おまえ、何やっているんだ?」

ドキッ。

 恭子「キー、車のキーどこ?」

恭子は、ポケットから落ちたと思って、ベッドの上を探していた。

 啓介「そこにあるだろ」

 恭子「そこって?」

 啓介「たばこのとこ」

FDのキーは、ベッドわきにたばこと一緒に置いてあった。

 恭子「あった」

恭子は、キーを取って、下へ降りて行った。

啓介のFDの運転席に座るのは、初めてだ。
ドキドキ。
車を入れ替えて、恭子はまた2階へ戻った。

 啓介「どうした?」

 恭子「親が、帰って来たのよ」

 啓介「もう、そんな時間か」

時計を見ると、8時近かった。

 啓介「俺、ものすごく寝ていたんだな。ごめん」

 恭子「私も、寝ていたのよ」

啓介は、まだ恭子のベッドに横になっている。

 啓介「おまえ、俺の隣に寝ていたのか?」

 恭子「ううん。違うよ」

 啓介「そっか。 何か気持ちよく寝れたから・・・
    おまえが隣にいるかと思った」

ドキドキ。

 啓介「恭子、こっち来いよ」

啓介が、少し右にずれた。

 恭子「え?」

ドキドキ。
恭子は、寝ている啓介の隣に座った。

 啓介「座るんじゃなくて、横になるんだよ」

 恭子「う、うん」

ドキドキ。
恭子は、啓介の隣に横になった。

「きょーこ きょーこ」

下から、また恭子を呼ぶ声がした。

 恭子「はーい」

恭子は、すぐに起き上がって、下へ降りて行った。

 恭子の母「ご飯、食べたの?」

 恭子「まだ」

 恭子の母「おなか、すいてないの?」

 恭子「さっきまで寝ていたから」

 恭子の母「お友達と?」

ドキドキ。

 恭子「まだ、おなかすいてないから・・・」

恭子は、急いで2階へ戻った。

 啓介「腹、へったぁ。」

 恭子「え~~。どこか、食べに行こうか?」

 啓介「おまえん家、何か食べるものあるか?」

啓介が、やっと起き上がって、たばこを吸い始めた。

 恭子「何か、下から持って来るね」

恭子は、下へ降りて行った。

冷蔵庫をあさっていると、恭子の母が来た。

 恭子の母「おなか、すいてるんでしょ。
      ラーメンでいいなら、お母さん作るけど」

 恭子「私が作るから、いいよ」

恭子は、ラーメンを作って、2階へ持って行くと、啓介がまた寝ていた。

ラーメンだから、のびちゃう・・・

 恭子「啓介さん。啓介さん」

呼んでも起きない。
さっき散々寝ていたのに。
まだ、寝足りないのか?

恭子が、腕をゆすった。
まだ起きない。

 恭子「啓介さん。ラーメンのびちゃうよ」

 啓介「ああ・・・」

やっと、啓介が目を覚ました。

 啓介「恭子、起こして」

引っ張って起こしてくれと言うのか?
恭子は、ベッドに上がって、啓介の腕を引っ張った。

 啓介「そうじゃなくて。王子様はお姫様のキスで目を覚ますんだろう?」

ドキドキ。

 恭子「逆よ・・・お姫様が王子様のキスで目を覚ますのよ」

 啓介「どっちでもいい。 恭子・・・キスして」

ドキドキ。

 恭子「私、先にラーメン食べるね。のびちゃうから」

恭子は、ラーメンを食べ始めた。
啓介は、まだ起きない。
本当に、まずくなってしまう。

せっかくせっかく、私が作ったのに・・・

恭子は、目をつむっている啓介の前に来た。
ドキドキ。

やっぱり、自分から、キスするなんてできない。
啓介さん、きれいな顔をしている。
啓介さん、優しい顔をしている。
ドキドキ。

やっぱりできない。
ファーストキスは、啓介さんからがいい。

 恭子「もう起きてよ。私の作ったラーメン、食べてよ」

 啓介「ああ・・・」

啓介が、やっと起き上がって、半分のびているラーメンを食べ始めた。

 啓介「まず・・い」

 恭子「早く食べないから、のびちゃったじゃない。
    どこかへ、食べに行こうか?」

 啓介「・・・・いい。 恭子が、せっかく作ってくれたから、これ食べる」

啓介は、のびているラーメンを食べた。

 啓介「まだ、雨降ってんのか?」

 恭子「うん。大雨」

 啓介「しょうがないなあ~。これ食ったら帰るかな」

 恭子「えっ」

もう帰るの?
まだ一緒にいたい。
初めての、啓介さんとのデート。
今日1日一緒にいて、ますます啓介さんのこと、好きになったのよ。
<好き>がどんどん大きくなっていく。

 啓介「どうした?」

 恭子「何でもないよ」

もっと一緒にいたい。
私のすてきな時間。
私の幸せな時間。

 啓介「ごちそうさま」

 恭子「うん・・・」

 啓介「どうした?」

啓介が恭子の近くに来て、顔をのぞきこんだ。

 啓介「おまえ、淋しそうな顔してるぞ」

 恭子「何でもないよ」

まだ、帰らないで。
もう少し一緒にいたい。
啓介さんのこと、好きだから一緒にいたい。
今度いつ、啓介さんに会えるか、わからない。

恭子の目から、涙が出てきた。

 啓介「何、泣いてんだ? さて、帰るかな・・・」

啓介が、たばことFDのキーを持って、立ち上がった。
恭子の目からは、涙がポロポロあふれ出ている。

 啓介「恭子?」

 恭子「まだ帰らないで。 もう少し一緒にいたいの」

 啓介「恭子・・・」

 恭子「私、啓介さんが好き・・・」

 啓介「前に聞いた・・・」

啓介は、帰るのをあきらめたのか、ベッドの上に座った。

 啓介「もう少しいるから、泣くなよ」

 恭子「本当?」

 啓介「ああ」

恭子は、涙をふいて、啓介の隣に座った。
啓介は、そっと恭子の肩を抱いた。
ドキドキ。

 啓介「俺も、おまえのこと、好きだから・・・」

啓介からの初めての告白。
ドキドキ。
とってもうれしい。


30分後、啓介は
「また会いに来るから・・」
と言って、群馬へ帰って行った。

ありがとう。啓介さん。
大好きよ・・・


   おはなし「真意」完

******************************


 あとがき

後半は、5月27日と30日に下書きをした。
書き始めると早い・・・

迷いに迷って、恭子の家を選んだ。
最近、純愛ものが多い気がする(笑)

ここまで読んで下さって、ありがとうございました。


  6月1日

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