踊螺木偶 ・ 無目的

踊螺木偶 ・ 無目的

舞台


トレーニングを受ける。
 前のレッスンの都合で少々、押し気味。
 何時もなら有意義で愉しい時間なので
少し位ずれても気にはならない…。
 が、今日はお世話になった講師の先生
の公演がある…あぁ、19:00をまわ
ってしまった…。

 一時間の遅刻…それでも、後半の舞台
は観られた。

 私には舞台経験ガナイ。
 だから、舞台公演を観終えたあとには
感動や興奮とともに微かな嫉妬のような
ねじけた敗北感のようなものが残る。

 声優と呼ばれ吹き替えという作業をす
る、この事に必ずしも舞台経験が必要と
は言えないだろう。
 でも、ささやかなりに現場で仕事をさ
せていただき、諸先輩方やプロデューサ
ーの方々に触れて…結局、…”声優”、
”吹き替え”これは役者の仕事の一部で
しか無いことに気がつく。
 本当、当たり前の事なんだけど…。
 なぁんにも見えていないまま送ってき
た時間の、なんと長いことよ…。

 「役者だからといって、何でも演る必
要は無い…しかし、役者は何でも演れな
ければならない。」
 …誰の言葉だったか忘れたけど。

 技術なんてのは鍛えればレベルアップ
出来るもの…でも、その技術を使うべき
”人間”を鍛えるには…。

 「演じる」ということを再度考えよう
…考え続けよう…。

 友人達と酒杯を重ねながら、支離滅裂
になって行く思考でそんな事ばかり繰り
返し…ふけてゆく七夕の夜であった。

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