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愛の始まり、そして別れ PT.2
愛の始まり、そして別れ PT.2
彼は私をいつも丁寧に抱いた。
彼は私の心も体も濡らす事のできる男だった。
あの日を境に彼は私に対して心を開いたのである。
そしてそのうち「愛している」という言葉を交わすようになった。
けれど、私も彼も「プライドが高い」人間で、「格好悪い」事が嫌いだった。
だから「嫉妬」という感情をむき出すことだけはしたくないのだった。
私は仕事が忙しく帰りも遅かった。
もっと彼と過ごしたいと思ったが、仕事上”責任”を背負っていた為、愛する男にかまけてばかりいられなかった。
彼はいつも友達とつるんでいた。
彼の友達はthuggishである彼を好んでいた。
「あいつはREALな奴」と皆が寄せる彼への憧れみたいな物に対して、彼は自分のスタイルを崩せなかったのだ。
「お前に首ったけ」という態度は私と二人だけのときに見せるのだった。
「今日、前に関わったことのある女とばったリ会ったんだ。 あいつ俺と又会ったりしたいって言ってたけど、俺言ったんだ。
俺には”愛している女がいる”って。 彼女悔しがってたぜ。」
「そう。 別に私はあんたを縛るつもりはないし、あんたがもし他の女と会ったりしたいならすればいいんだよ。」
「でも俺そんな気まったくないんだぜ。 出かける時だってお前に出かけていいか聞いてるし、帰りが遅くなったって帰るところはお前の所なんだ。」
「別に出かけていい?なんて聞くことないよ。 だってあんたは大人の男でしょ。 あんたが何をしていても私は構わない。
ただ、やっていいこと、悪いことの分別はきちんとわかってよ。」
「わかった。お前はやっぱすげー女だな。最高だぜ。」
私は当時、本当にそんな女だった。
彼が他の女と寝たって別にいい。 それはただのfuckであるし、彼がmake loveをするのはこの私となのだ。と。
それはただの自意識過剰だったのかもしれない。
「あんたの考えは普通じゃないよ」と私の女友達は言っていた。
ある夜、彼は私を連れ出した。
「みんなにお前が俺の女だって知って欲しいし、自慢したいんだ。」
私達はクラブに行った。
私は座って酒を飲み、タバコを吸っていた。
彼の友達の仲には私の前の男の友達もいた。
そう、彼は前の男の友達なのである。
くつろいでいた時、一人のsisterが騒ぎ出した。
ふと目をやると彼女は彼に飛びかかっていたのである。
「ファックユー!!あんなジャパニーズビッチどうせ金が目的なんでしょ!」
「彼女は特別だ。お前なんかと全く違う。いい加減にしろよ、俺とお前は終わったんだぜ。」
「ぶん殴ってやる! あんな女」
そういって彼女は私の方に殴りかかりにこようとした。
私の周りにいた彼の友達が私をかばおうと少し動いた。
私は気にとめず酒を飲みタバコを吸っていた。
あんなふうに、自分のプライドを崩して大勢の前で取り乱す事をしない私は、彼女の行動をとても滑稽だと思い、可哀想な人だと思った。
「やるならやってみな」 そんな気持ち。
結局彼女は彼に取り押さえられ、ののしり言葉を吐いていた。
”もう帰りたい。私は別にお披露目されたくなんかない。早く帰りたい。”心の中でそう思っていた。
周りにいた彼の友達が言った。
「お前すげーな。 あのまま彼女が飛びかかってきたらどうすんだよ、呑気に酒飲んでる場合じゃなかったぜ。」
「そうなったらそうなったまでだよ。」
「そりゃあいつが特別扱いするわけだ」
私はもう帰りたかった。
彼が私のところに来て謝った。
そして微笑んでいった。
「お前は俺が守らなくても十分戦えたぜ。 お前身動きもしなかったな。 たいした女だぜ。」
私はとても疲れていた。
「もう帰るから。 飲み足りたら帰っておいで。」 そう言って私は先に家に帰った。
私が休みの日にはいつも映画を見たりしてゆったり過ごした。
けれど、彼は夜私を愛した後、もう寝る時間になって、「ちょっとにガーとつるんでくる」と言ってでかけるのだった。
私はいつも眠りにつくときは一人なのだ。
そして2・3時間すると彼は帰ってきてベッドにもぐりこみ私を愛すのだった。
私はとても寂しかった。”なぜ行ってしまうの?” ”何のために?”
彼は私を愛し、必ず帰ってくるのだ。 けれど、私の気持ちは「もっと側にいて欲しい」と欲をかいていくのだった。
tupacの「Run Tha Streetz」がいつも私の中で流れていた。
ある日彼は「45日くらった」と告げた。
「何で? 喧嘩したの?」
「前の起こしたトラブルがこじれたんだ。 ごめん」
「そう・・・」
45日のリストリクション ”ああ又か・・”私が関わる男はいつもこれだ。
私は毎日会いに行った。そして船の中で愛し合った。
ある日彼は電話をかけてきた。
「俺、もう限界だ。 周りの奴ら俺を怒らせようって仕掛けてくるんだ。
マスターチーフが嫌がらせしてきてよ。面会を一切禁止にしやがった。俺、どうにかなりそうだ。
ぶん殴りたいけど、そんなことしたら奴らの思う壺だし、お前が俺から離れて行っちまう。俺、我慢してるけど、すげーつれえ」
マスターチーフは、あの「私に飛びかろうとした女」の父親だったのだ。
「ここで本当に異常な事が起こってるんだ。 みんなで俺を落とし入れようとしてる。
マスターチーフがみんなを使って俺を終わりにさせようとしてんだ。
こんなの軍法的に許されない。 お前のことも知ってるから、誰が何をするか分からない。
誰が見方か敵かわかんねえ。 お前、あんまり出かけるなよ。 俺、頼れる奴にお前のこと守るように言ってある。
でも信用すんな、誰も。 俺、知ってる弁護士がいるから電話かけてこの不正を訴えるつもりだ。
そいつにお前の電話番号教えとくからなんかあったら相談しろ。俺のお前の気持ちは本物だって事忘れないでくれ。
どうにか我慢して残りのリストリクションちゃんと終わらせるから。」
彼に会いに行く事ができなくなったのだ。
訳が分からなかった。 なんでそんな大それた事になっているのか。でも大変な事が起きているのだ。
ある日の夜中に私の携帯がなった。
「はじめまして。 あいつから頼まれて君を守ってくれと頼まれた。
こんなことになってるけど、頑張れよ。 何かあったら電話して。」 彼はそう言って私に電話番号を伝えた。
わけ分からない電話。 何なの?何でこんな事になってるの? 次の日も彼から電話があった
「俺、耐えられない。 このまま脱走しようと思う。 そうしたら、俺とどっか遠くに行こう。」
「そんなことして私が喜ぶと思う? そんなことしたらあんたUAになるんだよ。
あんたが辛いのは分かるけど私だって同じ気持ち。自分でmakeしたtroubleなんだよ。そのつけをきちんと払って。私はその後のあんたと生きていきたい。」
彼は電話越しで泣いていた。
電話を切った後私は泣いた。
声を上げて泣いた。
ルームメイトは出かけていたが、彼女の彼は隣の部屋にいた。
私の鳴き声を聞き彼は部屋から出てきて、「何があったの?」
と言って私の隣に座った。
「彼が、マスターチーフに嫌がらせ受けてて、元彼女のお父さんなんだって。。
会いに行くこともできなくなったし、クリスは脱走したいとか言っててわけわからない・・」
「ひどいな・・」
私は人前で泣いた事がなかった。見られてしまったというのもあったが私はルームメイトの彼の前で泣いた。
彼は背中をさすってくれた。
彼がいてくれてよかった。私の心は行き場を失っていたから、彼に話したことで少し救われた。
ルームメイトの彼は私が涙を見せた初めての人だ。
そんな事があったが、彼は45日乗り切った。
そして私の元へ無事に帰ってきた。
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