彼の誇り

blkmoon

彼の誇り

自分の誇りのために生きる

彼は私たちを置いて出て行った

後ろめたさは無く、私たちを気遣う事も無く

彼の背中はとても大きかった

後姿を見つめながら昔よく彼に遊んでもらった事を思い返した

寂しさや悲しみは無かった

ただそこに立ち尽くし

彼の誇りについて考えた

私たちを捨ててまで手に入れたい彼の誇りとは

理解できる日は遠いと感じた

あれから長い年月が経ち

私は彼の誇りについて今考えている

なんとなく理解できるような気がする

けれどもうそんな事はどうでもよくなってしまった

私の中から

彼への思いは消えてしまった

愛情は憎しみに変わり

憎しみは諦めに変わった

自分の誇りの為に

私の父は私達の元から去った


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