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アダルト・チルドレンーテレビや雑誌などで近年よく聞かれるようになったこの言葉。
言葉ばかりがひとり歩きをしていて、実際どんな人たちのことを指す言葉なのか、よくわからないという人も少なくないようです。
また、”大人になりきれない大人”などという誤った認識をしてはいないでしょうか。
他人との関係だけでなく家庭内の人間関係さえも希薄になっている昨今・・・・
アダルト・チルドレンは、これからの家庭のありかたを考えるキーワードなのです。
● 家庭内トラウマを持つ人々
アダルト・チルドレン( Adult Children :以下 AC )とは、子どものころに、家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人たちを指します。子どものころの家庭の経験をひきずり、現在生きる上で支障があると思われる人たちのことです。それは、親の期待に添うような生き方に縛られ、自分自身の感情を感じられなくなってしまった人、誰かのために生きることが生きがいになってしまった人、よい子を続けられない罪悪感や、居場所のない孤独感に苦しんでいる人々です。 AC という言葉は、伝統的な精神医学や心理学の枠組みでの診断名ではありませんが、自分の育ってきた環境、親や家族との関係を振り返って自分自身を理解するための、1つのキーワードとしてとらえることができます。
AC の概念は1970年代にアメリカで提唱され始めました。アルコール依存症の親をもつ子どもたち( COA : Children of Alcoholism )が大人になったとき「対人関係の問題」や「生きづらさ」に悩み苦しんでいる人が多くいることがわかってきたのです。「大人になった COA 」つまり ACOA ( Adult Children of Alcoholism )が注目されるようになりました。彼らの特徴は、相手の評価に過敏になり自分に自信がもてない/自分の存在価値を確認できず、酒・ドラッグ・仕事などに溺れてしまう/対人関係が上手くいかず、居場所のなさ、生きづらさを感じる/というものです。
● ACOA の特徴(ジャネット・ウオイテッツ)
1自分の考えや行動が「これでいい」との確信が持てない
2物事を最初から最後までやり遂げることが困難
3本当のことをいったほうが楽なときでも嘘をつく
4自分に情け容赦なく批判を下す
5楽しむことがなかなかできない
6まじめすぎる
7親密な関係を持つことが大変難しい
8自分には、コントロールできないと思われる変化に過剰反応する
9常に、他人からの肯定や受け入れを求めている
10 自分は、人とは違うといつも感じている
11 常に責任をとりすぎるか、責任をとらなさすぎるかである
12 過剰に忠実である
13 衝動的である。他の行動が可能であると考えずに1つのことに自らを閉じ込める
学陽書房 1996 「アダルト・チルドレンと家族」著/斉藤学より
●機能不全家族と AC
親からの性的虐待や肉体的・言動的暴力、両親の不仲などによって、家庭が子どもにとってあるがままでいいという安心感のある居場所ではなくなってしまうような、子どもを育てる機能を果たさない家庭を「機能不全家族」といいます。また、たとえ外から見る限り健全な家庭でも、子どもに対し過剰に期待したり甘やかしたりする親や、仕事に依存する父親・夫に依存する母親なども、やはり「機能不全」ということになります。
このような機能不全家族のなかで育った人にも、アルコール依存症者を親として育った人と同様の特徴が生じていることがわかり、 ACOD ( Adult Children of Dysfunction family )と呼ばれるようになりましたが、最近では両者を区別せず、まとめて AC ということが多くなっています。
これらの家庭の子どもは、家庭を支えるために、例えば母親の愚痴の聞き役をしたり、幼い弟妹たちの親代わりになって面倒をみたりと、期待される役割を演じ「よい子」としてふるまいます。「よい子でない私は捨てられる」という思いからこのような行動パターンを身につけいき、自分の感情を素直に表現できなくなっていくのです。
このような生き方は、子どもが機能不全家族のなかで適応するための方法なのですが、思春期以降に家から離れてひとりで生きるようになると、人間関係に行きづまってしまいます。自分がなんのために生きているのか分からなくなったり、緊張で疲れてしまいます。
● あるがままの自分をとりもどすために
AC の回復にはさまざまなアプローチがありますが、まず安心できる場所や仲間が必要です。情報や知識を持つことも助けになります。自分の置かれた状況について知ること( AC の自覚)からはじまり、自己の過去に直面するなかで、いままで感じてこられなかった怒りや抑うつ感などの感情を表現し、新しい人間関係をつくれるようになっていきます。医者や専門家に相談したり、同じような悩みを持った人たちのグループに参加して語ることが、変化、成長への勇気づけになるでしょう。
つまり AC とは、病名や診断名ではなく、自分が傷つけられていた側であることに気づき、自分自身の生きにくさを理解することで、楽になれる人たちのことだといえます。
自分が AC であるという自覚をすることで、自分を責めることから解放され、この先の人生で新しい価値観を選択していくことで、人は変わることができるのです。
● 共依存
AC は、アルコールやギャンブルに陥るケースが多くみられます。また「自分なしでは生きられないような無力な人物」の世話をすることに充実感を覚えることも多く、これを「共依存」といいます。
元来、共依存とはアルコール依存症の夫とその妻との関係を指していましたが、アダルト・チルドレン同様、アルコール依存症だけでなく機能不全家族にみられる関係にも広げられています。この関係は一方が他方を支配し、他方は”支配の魅力”を提供することで一方を支配するという、「支配(コントロール)をめぐる闘争」が常に展開される関係です。
このような人たちは「憎みながら離れられない」し、お互いに「軽蔑しながらも、相手がいないと寂しい」と感じてしまう、そんな人間関係を作ってしまうのです。
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