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2016.03.20

『三蔵、妊娠したってよ』第十二段　～味見～　映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて

カテゴリ： ◆映画・TV・華流・韓流・ショービズ

↓前回です♪
第十一段

★☆★☆
第十二段

『あじみぃ？』と頓狂な声をあげて八戒がさっそく食いつき

悟浄は僧にはなじまない『味見された』という言葉を

牛の反芻のようにくちゃくちゃ繰り返し唱えた。

顔を赤くして三蔵は、言いわけはするべきではないと思いつつも

『金縛りの術で私は動けなかった』と打ち明けた。

『それより、味見って、いったい、、、どこか食われたんですか？』

『顔を』と目を伏せた三蔵の肩が頼りなくかすかに震えたように見えた。

『なにひとつ部品は欠けてないようですが』

と、八戒は言い、沙悟浄とふたりで彼の顔を不躾に眺めまわした。

『もういい。その話し、俺は聞きたくない』悟空はふてくされて、

投げやりに言葉を吐いた。

いやな予感が急に世界の空気を希薄にした。

『何も聞かなくていい。あなたは罪を犯していない』

子供のようにかぶりを振った。

助け出した時、彼の汚れた顔を拭った。

あれは涙とほこりだけではなかったのか。

悟空は妙な馴染みのない感情で、胸が潰れて行くのを感じ

他には怒りが身体中に満ちて、

叶うならもう一度あの時に戻って、

蠍の化け物を今度こそ自分の手で殺してやりたいと強く願った。

『最後まで聞く義務がお前たちにはあるのです。』

哀しそうに僧は言った。

悟空は、絞め殺すべきはこの馬鹿な男だとつくづく考えた。

自分だけが懺悔を聞いて鷹揚に赦す。

それは何でもないことだとこともなげに言い

命を断つ必要はないと理解させ

それきりお互いの胸にしまえば良いと思っていた僧の秘め事を

頭が、乾いたへちまのような

他のふたりと一緒に聞くはめになるとは思わなかった。

そして、今の彼は例えこの場に居るのが自分ひとりであったとしても、

それを聞きたくないと思った。

今まさにこの男の口から語られようとしている出来事を

心の底から聞きたくなかった。

だが俺のせいだ。このクソ坊主が隠したがっていた時には

執拗に尋ねた。死なせたくなかったからだ。

込み入った僧の生い立ちを考慮すべきだったのだ。

『あなたは手籠にされたわけではないでしょう。

そんなことは皆承知している。

それ以外のことに一体何の意味があるというのだ。』

悟空の胸は空気を求めて喘いでいた。

三蔵はその言葉を猿が全部言い終わらぬうちに怒鳴った

『お前がそんなことを言うのか』

僧の眼は深い失望を湛えていた。

悟空は、死ぬほど後悔した。だが後の祭りだった。

『お前は知っているのか、私が廊下に出されていて、お前が訊いた。

良かったかと』悟空は耳を塞いだ。この男を誰か止めろ。

『良いものか』

僧はあの時の返事を喉の奥から絞り出した。

『私は一晩中みじめに泣きながら、

あの妖怪がもう一度私を抱き締めに戻って来てくれないかと

祈ってさえいたのだ』

彼の悲痛な叫びは猿の塞いだ耳の穴深くに鋭く突き刺さり、

猿の眼(まなこ)は、美しい湖に宝玉がふたつおぼれていくのを見た。

。。つづきます

はい、お味見　たべてみー　　ボクを(笑)

ぼくもお味見　　ボクを(。。。)

ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン　以上全部同じ人（笑）

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Last updated 2016.08.14 17:04:45

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すみれゆきの

いつのまにか母娘でやることになったブログです。娘は主に音楽関係を2017.04あたりから担当。 '17.07.22現在『アジアの音楽』『アジア以外の音楽』の両カテ以外の音楽の記事は娘です。私は映画やドラマなどを中心に気功や太極拳などの情報ファッションや猫や人間の健康に関することなどを発信してます。混乱します？そうでもない？娘は几帳面。私はイイカゲン。そんな感じの見分け方で(笑)

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