米ハリウッドのコメディースター、ベン・スティラー(48)が監督、主演、共同プロデューサーを務めた新作「LIFE!」が、日本の興行収入ランキングで初登場3位となった。作品は、生来の臆病者で、空想の中でしか思い切った行動を起こせず、地味でむなしい日々を甘んじて受け入れてきた中年サラリーマン、ウォルター・ミティの物語。本当に自分の生き方はこれでよかったのか-と感じている日本人がよほど多いのだろう。天命を知る年齢に近づくスティラーもそんな一人のようだ。SANKEI EXPRESSの取材に「僕もこの歳になり、『今、やりたいことをやらないと次のチャンスはないかもしれない。人生はあっという間に過ぎてしまうから』と、急に考えるようになったんだ。この作品の構想を練っている段階で、今の僕しか撮れないものだと直感的に思ったので、何としても形にしたかった」と、悲壮感すら漂う真摯(しんし)な答えが返ってきた。
■自分の挑戦を投影
米作家・漫画家、ジェームズ・サーバー(1894~1961年)の短編小説を映画化した1947年「虹を掴む男」(ノーマン・Z・マクロード監督、ダニー・ケイ主演)を、スティラーが独自の味付けを施した。
老舗の米グラフ誌「LIFE」で長年、写真管理に従事してきたウォルター(スティラー)の楽しみといえば、所構わず空想にふけること。思うままにならない現実から逃避できる唯一の手段だった。そんなある日、LIFEの休刊が決定。ウォルターは会社に乗り込んできた新経営陣から最終号を飾る写真のネガフィルムの提出を求められたが、なぜか自分の仕事場に保管されていない。
きっちりと仕事をこなしてきたつもりのウォルターは納得がいかず、真相を探ろうと、撮影者の冒険写真家(ショーン・ペン)を追いかけ、北極圏のグリーンランドやアイスランドの火山地帯へと決死の旅に出る。
これまで映画ファンを楽しませてくれたコメディー作品から、本作ではシリアスな人間ドラマへと雰囲気ががらりと変わった。ウォルターの空想シーンで笑いを誘うやり取りやアクションが“照れ隠し”に残されている程度だ。スティラーは「間違いなく僕にとって転機となった作品です。ウォルターは住み慣れた『コンフォートゾーン』にとどまらず、そこから抜けだし旅に出ました。僕も思い切って慣れ親しんだカテゴリーから一歩足を踏み出して、新しいものを作ろうと思いました。実は新しい作風に挑んだ僕の旅への思いこそが、ウォルターの旅にも投影されているんですよ」と明かした。
変化は外見に表れる
ウォルターは旅を続けるうちに、生きることの意味に気づくばかりか、ビジュアル的にもだんだんとりりしい顔つきになっていき、身なりも洗練されてくることに見る者は気づくだろう。スティラーの意図はこうだ。「この映画はウォルターの内面がいかに変化していくかを描いています。どう見せるかは、もちろん、スタッフたちと相談を重ねました。自分自身、減量もしましたよ。結論としては、人間はこれだけの人生経験を積めば、おのずと見た目も中身も目に見えて違ってくるだろうとの判断です。衣装が変われば、演じる側の意識も変わるだろうとの考えもありました。最終的に彼の人生は充実感に満ちあふれたものとなりましたよね」
■ショーン・ペンの考え
やっとの思いで、ウォルターは足場の悪い険しい岩山で幻のユキヒョウを撮影中の冒険写真家をつかまえる。そこで冒険写真家がつぶやいた「美しいものは注目を嫌う」とのセリフが実に印象的だ 。「これはショーンが考えたんだ。彼がぜひ語らせたいと言ってね。彼の中では、美しいものとは、ユキヒョウではなく、ウォルターのことを指していると思うんですよ。ウォルターは仕事を黙々とやっていて、注目を求めなかったからね」。
スティラーはオスカーを2度も手にした大スターのペンの仕事ぶりにも、静かで威厳に満ちたウォルターと同じにおいを感じとったそうだ。「ペンはユキヒョウの場面の撮影が終わると、当たり前のように撮影機材に歩み寄り、スタッフと一緒に担いで下山を始めたんです」。全国公開中。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:原田史郎/SANKEI EXPRESS)
■Ben Stiller 1965年11月30日、米ニューヨーク市ブルックリン生まれ。10代から8ミリ映画の制作に没頭。UCLA退学後、舞台俳優デビュー。映画では、監督作に94年「リアリティ・バイツ」、96年「ケーブル・ガイ」、など。主な出演作は1998年「メリーに首ったけ」、2000年「ミート・ザ・ペアレンツ」、監督を務めた2001年「ズーランダー」、08年「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」、06年と09年「ナイト ミュージアム」シリーズなど。
※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を 視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2014年4月2日まで>)。アプリは「App Store」「G oogle Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR
『LIFE!』(ライフ、原題: The Secret Life of Walter Mitty)は、2013年のアメリカ合衆国の叙事詩的コメディドラマファンタジー映画。監督と主演はベン・スティラーが務めた[4][5]。
この映画は1939年に発表されたジェームズ・サーバーの短編小説『ウォルター・ミティの秘密の生活』(The Secret Life of Walter Mitty)を原作とするダニー・ケイ主演映画『虹を掴む男』[脚注 1](1947年公開)のリメイク作品である[6]。アメリカでは2013年12月25日に、日本では2014年3月19日に全世界で最も遅くの公開となる[7]。
原作は非常に短い短編であり主人公の職業も特定されていないが、本作が出版界を舞台としているのは『虹を掴む男』を踏襲している。
DVD/ブルーレイの商品名は『LIFE!/ライフ』と表記される。
LIFE!
The Secret Life of Walter Mitty
Walter Mitty Logo.png
『LIFE!』(原題:The Secret Life of Walter Mitty)のロゴ
監督
ベン・スティラー
脚本
スティーヴ・コンラッド
原案
スティーヴ・コンラッド
原作
ジェームズ・サーバー
『ウォルター・ミティの秘密の生活』
製作
サミュエル・ゴールドウィン・Jr
ジョン・ゴールドウィン
スチュアート・コーンフェルド
ベン・スティラー
製作総指揮
ゴア・ヴァービンスキー
マイヤー・ゴットリーブ
G・マック・ブラウン
出演者
ベン・スティラー
クリステン・ウィグ
シャーリー・マクレーン
アダム・スコット
キャスリン・ハーン
パットン・オズワルト
エイドリアン・マルティネス
オラフル・ダッリ・オラフソン
ショーン・ペン
音楽
セオドア・シャピロ
ホセ・ゴンザレス
ローグ・ウェーブ
撮影
スチュアート・ドライバーグ
編集
グレッグ・ハイデン
製作会社
サミュエル・ゴールドウィン・フィルムズ
レッド・アワー・プロダクションズ
ストーリー[編集]
「世界を見よう、危険でも立ち向かおう。それが人生の目的だから」というスローガンを掲げる伝統的フォトグラフ雑誌『LIFE』編集部で、ネガフィルムの管理者として真面目に働くウォルター(ベン・スティラー)は、地味で平凡な人生を送る冴えない男。密かに恋い焦がれる同僚のシェリル(クリステン・ウィグ)に直接声を掛ける勇気もなく、彼女がパートナー探しのウェブサイトに登録していることを知れば、自身も登録してみるものの、体験談のひとつさえ書くことができない。しかし空想の世界では、時にアクションヒーロー、時に勇敢な冒険者となり、シェリルに対して情熱的な台詞を言うことも出来た。
ある日出社したウォルターは、突然のライフ社の事業再編と『LIFE』誌の廃刊を知らされる。事業再編を担当する新しいボスであるテッド(アダム・スコット)は、社内の視察時に給湯スペースで空想に浸っていたウォルターを見て嘲笑する。
LIFE誌を代表するフォト・ジャーナリストである冒険家のショーン(ショーン・ペン)は、いち早く事業再編による廃刊を知っていた。ショーンはウォルターに、手紙とLIFE誌の最終号のための撮影フィルム、そしてウォルターの仕事ぶりに感謝を込めた革財布の贈り物を届けていた。しかし、ショーンが手紙のなかで「自身の最高傑作ゆえに、最終号の表紙に相応しい」と記す「25番目のフィルム」は撮影フィルムから欠けていた。
テッドによる容赦ないリストラクチャリングが始まり、ライフ社内は混乱に陥る。同時にテッドは、最終号の表紙を飾る予定の、25番目のフィルムの早急な提出をウォルターに求める。
25番目のフィルムの在処はショーンしか知らないと考えたウォルターは、残りのフィルムに写っている手がかりを元に、シェリルの協力も得ながらショーンの所在を推理する。それはニューヨークから遠く離れたグリーンランドであった。
気がつけばウォルターはオフィスを飛び出し、ショーンを見つけるべく、エア・グリーンランドのヌーク行きの飛行機に飛び乗っていた。この瞬間からウォルターの現実世界での冒険がはじまる。
写真に写っていた指の持主である酔っぱらい男に殴られかけ、彼が操縦するヘリから海に飛び降りて船に乗り、今度はアイスランドに向かう。アイスランドでは、現地で手に入れたスケートボードで道路を滑走して、飛行機に乗るというショーンを追う。しかし間一髪のところで間に合わず、直後に火山が噴火し、近くにいた車に助けられる。
ショーンへの手掛かりが途絶え、仕方なくアメリカに戻ると、ネガがないことを理由にLIFE社を解雇されてしまう。シェリルの家に息子への贈り物として、アイスランドで手に入れたスケートボードを持って行くと、そこにはシェリルを「ハニー」と呼ぶ男がいた。ウォルターは何も言わずにスケートボードを置いてその場を去る。
帰宅したウォルターはショーンへの腹立ちから、プレゼントの財布をごみ箱に捨てる。その直後、手掛かりの写真の一つが父の形見のピアノの一部であることに気づく。ウォルターが母のエドナに「この家にショーン・オコンネルが来た?」と尋ねると、エドナは事もなげに「来たわよ」と答える。聞けばショーンがこの家にやって来てウォルターのことを母に尋ね、ウォルターの仕事ぶりを褒めていたのだという。
母との会話で、手がかりの一つであった「WARLOCKS」という言葉が実は「WARLORDS(部族軍長)」であり、ショーンがアフガニスタンに向かっていたことがわかる。ウォルターは今度はアフガニスタンの高山に向かう。現地で雇った案内人と極地で別れ、ついにユキヒョウにカメラを向けているショーンを見つけるが、ネガはサプライズで財布に入れておいたのだといわれる。がっかりしたウォルターをショーンはサッカーに誘い、二人は現地の人々とともにサッカーのゲームをする。
ロサンゼルスの空港での入国審査は、アフガニスタン帰りであることを理由に困難をきわめる。本人確認が必要となったために、ウォルターはパートナー探しのウェブサイトの担当者トッドを指名する。トッドはウォルターを助け、空港でおすすめのシナボンを食べさせる。
なんとか帰宅したウォルターは、自分が捨てたはずの財布を母がごみ箱から拾っていたことを知る。ウォルターはネガをLIFE社に届け、会社のスローガンさえ言えないテッドに「くそったれの振りなんてしなくていい」と助言する。シェリルとも再会し、スケートボードを届けたときにいたのは元夫ではなく親戚だったことを知る。売店に並んだLIFEの最終号の表紙には、「これを作った人々に捧げる」という言葉とともに、会社の前の噴水に腰掛けて熱心にネガを確認するウォルターの姿が写っていた。
【2月7日 CNS】中国・青海省(Qinghai)と甘粛省(Gansu)にまたがる祁連山脈(Qilian Mountains)で1月27日午前8時20分、ユキヒョウが姿を現し、海抜3500メートル地点でその姿を撮影した。
【関連記事】幻の動物ユキヒョウの撮影に成功、四川省
ユキヒョウは国家一級保護野生動物で、国際自然保護連合が絶滅危惧種にも指定している。世界全体の頭数の4割、約2000~3000頭が中国に生息し、海抜が最も高い場所に生息する肉食動物で、六大猛獣の一種といわれている。
通常の生息域は海抜2500~5000メートル、主にチベット高原(Tibetan Plateau)とパミール高原(Pamir Mountains)に分布する。(c)CNS/JCM/AFPBB News
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