PR
Calendar
Category
Freepage List
金曜の朝、6年前に別れた主人が話がある。とやってきた…
中喉頭癌になったから、養育費を払えなくなった。という話だった。
私のバイトなんてわずかなもので、ほとんど養育費で生きている私達。
えーっ!と思ったけど・・・
ちょっとまてよ。
一緒にいた頃は、いつもほんとに貧乏だった。
自分で仕事を始めて、軌道に乗って社長と呼ばれるようになって・・・別れた。
若い頃に戻っただけか・・・
離婚してからも私が困ったときは
文句をいいながらもずっと力になってくれてた。
私も応援できるところはしてきた。
養育費が止まる事は生活に支障がでるし・・・
息子は大学に行けるかどうか判らなくなった。
もうステージ4に入ってるらしい。
末期・・・かわいそうだった。
「おまえ・・・死ぬって決め付けてないか?」
「え・・・そういえば・・・ちょっと。」
「決めるなよ。」
「そやなぁ。治ったら、また養育費頼むわ!」
「がんばってよ♪」
「お前オニやなぁ・・・」
「お前なんでもっとがんばって働らかんかってん!」
「お前はできるやろう!」・・・って怒られた。
「養育費あてにしてたから・・・♪」
「あほかぁ!」
「だけどお陰で息子との時間は沢山作れたし・・・感謝してるよ。」
「贅沢はしてないけど、お金は貯まらなかったわ・・・」
「去年は私も学校行ったし・・・」
「洗濯機、冷蔵庫、給湯器・・・色んなものが壊れて買い換えたし。」
「料理教室も息子とジムも行ったし、二人捨てられても楽しくしてたんよ♪」
「それに去年は特に思わぬ出費ですってんてんやわ♪」
「あほか・・・。」
「がんばって稼いでる女の人いっぱいテレビにでてるやろ。」
「見習えよ!目指せよ!出来るやろ!」
「あほちゃう?」
どうも・・・タカノユリとかと一緒にしとるっぽい。
あほらしすぎる。
だけど・・・
不安なはずなのに・・・
養育費が入らないと思うと・・・
不思議とずっと縛られてたものから解放されたような気がした。
興味なかったから今まで聞いてなかったけど聞いてみた。
「彼女と籍いれたん?」
「うん。」
「良かった。逃げられへんな。私がしてあげることはないな。」
「そやな・・・」
ホッとした。
大変な病気になってもちゃんと一緒に傍にいてくれる人がいて・・・
支え励ましてくれるひとがいて・・・
これからの苦しい道程
このひとががひとりぼっちじゃなくて本当に良かったと思った。
昨日また来た。
「ガン保険お前の名義になってた。」
「名変が間に合わんから通帳かしてくれへんか?」
「いいよ。」
「どこの銀行がいいの?」
「また調べて言うわ。」
「入院きまったん?」
「水曜日や。」
「息子はお見舞いに行ってもいい?」
「ああ・・・来させてくれ。」
「私はお見舞い行かないよ。あなたの病気が悪化するといけないからねぇ・・・」
「おう。悪なったら困るからなぁ・・・」
「手術とかして、痛かったら・・・また機嫌悪くて恐いんやろうなぁ・・・」
「おう。別れてお前よかったな。」
「うん。よかったわ。」
今日も来て息子と2時間ぐらい家にいたらしい。
明日入院。
どんな気持ちで過ごしてるのか・・・考えたら恐い。
私にできる事は
しっかり自分で生きていく事。
息子を一人前に育てて自立させる事。
変だけど、それが精一杯の私の応援。
元主人にはがんばって生き抜いてもらいたい。
夫婦、心を合わせて乗り越えていってもらいたいと願う。