


裁縫が出来る将来有望な少年がいて、母親は彼に執着し、彼がなり得る最高のレベルへと後押しをした。そして、過小評価され隅に追いやられた娘は、「私が死んだら、彼の面倒を見るのよ」と言われたんだ。(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
http://www.moviecollection.jp/interview_new/detail.html?id=813
二人(ダニエルとレスリー)は黙って座っているだけで、とても居心地が良さそうだった。彼らが如何に近いか、共依存であるかをセリフで示すことはできる。でも、ダニエルとレスリーを一緒に撮れば、二人の間に自然に親密さを感じることができる。何故ならば、彼らはお互いに居心地の良さを感じているからだ。撮影の9ヶ月前だったが、私達は賢くも彼女を仲間に引き込んだ。いわば彼女の背後に広がる地平線を見た私達は、すぐに押さえるべき女優だと悟ったんだ。彼女に出演して欲しい、今すぐ頼もうってね。」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
https://www.rollingstone.com/movies/movie-features/paul-thomas-anderson-why-i-needed-to-make-phantom-thread-127368/


ある夜、ひどく具合がわるくなって寝ていると、妻(筆者注:「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」(2011年)などに出演しているコメディエンヌのマーヤ・ルドルフ)が、かつて見たことがないほどの愛と慈しみの眼差しで私を見ているのに気づいた。そこで、すぐにダニエルに電話をかけて、いい映画のアイディアを思いついたと言ったんだ。(ポール・トーマス・アンダーソン監督)と、冗談めかして答えて会場や出演者を沸かしていますが、本作で描いている男女の感情は実は必ずしも特異なものではなく、多くの男性、女性に共通するものです。ヴィッキーはダニエルやレスリーほど広く知られた女優ではありませんが、一介のウェイトレスがレイノルズと恋に落ち、力関係を変えていく役柄と重なり、女性が生来持つ不思議な力を象徴するかのよう力強い効果を生んでいます。アンダーソン監督によると、彼女は見る角度によって表情が全く変わり、古い小さなレストランのウェイトレスと、ロングドレスを引きずる淑女の両方のイメージを顔で表現できる稀有な女優なのだそうです。また、ヴィッキーが持つ芯の強さは、アルマににぴったりだと言います。
https://www.youtube.com/watch?v=IOasnQC2eaQ
「私はあなたを愛している。でもあなたはおばかさんで、どれだけ私が愛しているか、どれだけ私が尽くしているかわからない。あなたがわかってくれるまで、私はどこにも行かないわ。」ヴィッキーは、ひと目でそれを感じさせることができる女優です。(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
https://www.rollingstone.com/movies/movie-features/paul-thomas-anderson-why-i-needed-to-make-phantom-thread-127368/

ひとつの作品を撮り終えると役者は抜け殻のようになる。精神状態がもろくなるんだ。そんな状態で大きな判断を下すべきではない。そんなことはよくわかっている。僕自身何度もつらい経験をしている。でも、何度もつらい経験をしたからこそ、今回で最後にしたいと感じた。決断を下す時期は悪かっただろうけどね。
映画を作る前、自分が演じるのを止めることになるとは思っていなかった。撮影に入るまでポールと僕はよく笑っていた。それから僕らは笑わなくなった。悲しい気持ちに打ちのめされたんだ。それは突然だった。私達は自分たちが生み出したものをわかっていなかったんだ。この映画と共に生きるのは辛かった。その気持は今も変わらない。
この映画を観たくないという気持ちは、僕が俳優としての仕事をやめる決断をしたことにつながっている。ただ、悲しみが消えない理由は説明できない。悲しみはこの物語が語られる最中に生まれたものだけれど、本当にその理由がわからないんだ。(中略)乱用されている「アーティスト」という言葉を使いたくはないが、アーティストの責任のようなものが存在し、僕にそれに悪酔いしている。僕は自分のやっていることの価値を信じる必要があるし、僕のやることは重要で魅力的なものになり得るとも思う。もし観客がその価値を信じてくれるなら、僕はそれで十分だと思っていた。でも、最近、そうは思えなくなったんだ。
僕は12歳から演技に興味を持ち、以来、劇場という光の箱以外の世界が全てが影に隠れてしまった。演じ始めた時は救済だったんだけどね。これからは違う方法で世界を探究したいんだ。(ダニエル・デイ=ルイス)
https://www.youtube.com/watch?v=fn7cVFpKwcQ
https://www.wmagazine.com/story/exclusive-daniel-day-lewis-giving-up-acting-phantom-thread
私は映画製作のチアリーダーみたいものだ。私はダニエルをよく知っている。彼は私が鞭を鳴らさない限り、彼は今やっていることをいつまでもいじくり回し続けるんだ。(休業していた)彼を私は扇動しなければならなかった。それは悪くないことだし、実際に椅子に座って「オーケー、それが我々がやろうとしていることだ」って言う役割が好きなんだ。
彼を思うとこういう言い方をしたくないが、つまるところ軽くて馬鹿げた映画が、実は憂鬱な制作プロセスの結果だったというのは滑稽だ。実際、憂鬱な日はたくさんあった。気難しいレイノルズが彼を愛するアルマにつらく当たるシーンの蓄積が一定期間続くと・・・。こう説明しよう、もし5日間続けて撮影現場に行って親指でアルマの首を押さえつけていたとしたら、それは精神に悪影響を与える。
彼には休息が必要なだけと思いたいが、本当のことはわからない。
「十分にやってくれた、好きに過ごして欲しい」とは思えない。十分ということは決してないんだ。(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
https://www.rollingstone.com/movies/movie-features/paul-thomas-anderson-why-i-needed-to-make-phantom-thread-127368/
「フリーソロ」(2018年) 2020年09月15日
「初恋のきた道」(1999年、中国) 2020年08月04日
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