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2007.01.27
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カテゴリ: 日本映画




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 1980年代に東京で起こった事件を基にして作られた社会派のドラマ。実際の事件と設定など変えていますが、それはかまわないと思う。
このドラマが静かに痛く伝えているのは、命の重さ。

「私は幸せになっちゃいけないの?」

そういって帰ってこなくなる母親の身勝手で、家に残された4人の子どもたち。
幼いふたりは、無邪気に遊びながら日々を送るけれど、長男の明(柳楽)と長女・京子は、家事と育児をまかされる分、とても苦しくなってきます。

誰も知らない誰も知らない

お金が尽きれば、別れた父親に頼っていくしかありません。そうはいっても、父親という人たちもみんなロクデナシ。

狭いベランダでインスタントラーメンの空カップに、雑草の種を拾ってきては育てる兄妹たち。
身綺麗にすることもできなくなり、空腹からどんな気力も尽きて、それでも雑草のように誰にも気づかれずに生き続けている彼らの生の悲しさは、なんなんだろう。
ファンタジックに時に優しく穏やかに描かれるのが、余計に辛く感じます。

冒頭でバスに揺られる明が、大切そうに手を添えているピンクの鞄。その中身がなんなのか、破れた服と汚れた体のわけも、すこしずつ語られていきます。
とても悲しくて、無力な命の火が消えたとき、私はただ涙を流すしかできなかった。


誰も知らない――本当に、知らないんだと思う。
今こうしてる間も、大人の身勝手で苦しい悲しい目にあってる子がいても、誰も知らないんだと思う。
それでもひっそり生きてるその子は、なんのために生まれてきて、生きてかなければいけないのかわからなくなる。
長男と長女の、しっかりしてるだけに分かってしまう、感じてしまう、たくさんの苦悩がいたたまれない。


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撮影  山崎裕
音楽  ゴンチチ  
出演  柳楽優弥 、北浦愛 、木村飛影 、清水萌々子
     韓英恵 、YOU 、串田和美

   (カラー/141分) 









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Last updated  2011.07.15 15:56:01
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