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2007.07.24
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カテゴリ: 映画

  2001年7月、ポルトガル。父親に会うため地中海を巡る船旅に出た母娘は、その道中で人類の歴史と文化の足跡に触れる。ポンペイ、アテネ、イスタンブール、エジプト、様々な国の人々との出会った。
ある夜、2人はアメリカ人の船長(マルコビッチ)から船内での夕食の席に招かれる。そこでは、異なった国籍を持つ3人の女性たちが、それぞれ自国の言葉で話しながら楽しく人生を語り合っていた―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ドキュメンタリーのようでした。

何気なくつづいていく物語の先に、一変して訪れる衝撃に驚かされます。

前半は一緒に旅をしてるかのように、穏やか。
母が語って聞かせる伝説は、普通の会話で幼い娘とやりとりされるので、字幕を追うのがちょっと大変でした。
飾らない船旅の途中、出会う人々との会話もドキュメンタリーのよう。

ある夜、母娘は船長の友人らと知り合います。
ギリシャ、イタリア、フランスの著名な女性達。
彼女達の会話もさりげなく、マルコビッチやドヌーブでなければ、ドキュメンターかとずっと思ってしまったかもしれません。
唯一、お話なんだ、と気づかせてくれるのが見慣れた二人の顔でした。

彼女達が話すのはそれぞれの母国語です。
このシチュエーションが好きでした。
相手の言ってる事をちゃんと理解して、それに答えるのは自分の国の言語。
日本語しか話せない私には、とんでもなくややこしいと思うのですが・・・マルコビッチ(船長)の英語も交えた4つの言語で会話するなんて、イリュージョンのようです。
そして、ポルトガル人の主人公らも加わったら、なんと5つの言語。


umfilmefalado.jpgfilmefalado.jpg



人と人との出会いや繋がりが、ステキに見えてきました。
人と会話を交わすこと、旅の醍醐味ですね。
それにはやっぱり外国語が出来なくちゃならないと思うと、出来ないことが悲しいですが・・
印象に残ってるのは、
「英語が世界を支配した」そんなような言葉でした。
それぞれに国の言葉を大切にしていきなさい――という監督のメッセージなのかもしれません。
ギリシャの女性が「誰もギリシャ語を話さない」と嘆くのも印象的です。
会話が活きているのは、多言語での会話によってでもあると感じます。


後半、母娘を忘れたかのように、船長とその三人の友人が会話するシーンばかり続きます。
このままどうなっていくのか、想像出来ない、未知数な感じが楽しい。
なんともショッキングなラストシーンに、ド肝を抜かれるまで、あっという間でした。
すごい映画。
ハリウッドにないものがここにはあると思います。



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 監督・脚本  マノエル・デ・オリヴェイラ
 製作  パウロ・ブランコ
 撮影  エマニュエル・マシュエル
 出演  レオノール・シルヴェイラ 、フィリッパ・ド・アルメイダ

      ステファニア・サンドレッリ 、イレーネ・パパス

  (カラー/95分)







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Last updated  2014.11.08 17:46:55
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