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2009.03.27
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カテゴリ: ポーランド映画


劇場用に編集して公開された『愛に関する短いフィルム』を先に鑑賞。
あらためて、今回はオリジナルのほうを観ました。
以前書いた感想はこちら。

『愛に関する短いフィルム』


 『デカローグ』のなかの一遍と、単独で公開となった 「愛に関する短いフィルム」
さすがにラストは違っていますが、この物語もキエシロフスキ監督も 好きだ と実感しました。
胸騒ぎがするように、物語に引き込まれます。



孤児のトメクにしても、一人暮らしのマグダにしても、根深い孤独がありました。
始まりはどうあれ、向かいのマンションに住んでいるという偶然から生まれたふたりの関係は、良い方へと向うのでしょう。
偶然の産物。それは監督が描きたいことでもあったと思います。

20近くも歳の離れたマグダを、なぜトメクは愛したか―――。
始めは下心をもって覗いていたけれど、ある時、ふと自室でしか見せない彼女の深い孤独の存在に気付いてしまったのでしょう。
自分と同じものを抱えた女(ひと)に惹かれていったトメクの思いは、純粋です。
それゆえ、受け入れてもらえない絶望は大きく、手首を切るまでにいたるのです。


覗く 行為の純粋さは、やはり感じます。
マグダの場合、嫌ならカーテンを吊るしたら?、、なんて思うのは、自分が隠す文化の日本人だからでしょうが(笑)
しかし彼女は隠さない。見られてもなお堂々たるマグダは、けしてトメクとの繋がりを切ろうとしなかったし、いなくなれば後を追います。
その辺に浮かんでくる弱さが、痛くもあり愛しくもあり。





●  ●  ●  ●




脚本  クシシュトフ・キエシロフスキ  クシシュトフ・ピエシェヴィッチ
音楽  ズビグニエフ・プレイスネル
出演  オルフ・ルバシェンク  グラジナ・シャポロフスカ  ステファニア・イバンスカ

(カラー/567分)





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Last updated  2009.03.29 22:14:21
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