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2009.11.26
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カテゴリ: 多国合作映画

 大好きな『アマデウス』の監督、ミロス・フォアマン監督の新作です。
先日の『 ドイツ・ショート 』でゴヤに触れてから、気になっていた本作をさっそく借りてみました。

原題・邦題ともに、タイトルに ゴヤ の名はつくけれど、内容はスペインで15世紀の終わり頃から始まった、異端審問が引き起こす悲劇が主。
ゴヤが生きたのは、1746年~1828年。
モーツァルトを見事魅力的に描いた監督らしく、ゴヤの人物像もなかなかに魅力的、ではありましたが、いかんせん主役ではありません。
そのかわり、ロレンソ神父を演じたハビエル・バルデムが、存在感抜群に熱演しています。

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一向に釈放されぬまま、異端者の監禁はつづき、スペインは波瀾の時代へと突入していく―――。




教会を裏切り、ナポレオン政権の大臣となり、しまいには教会に戻る機会を与えられるも、赦しを求めず、神を信じぬまま、死刑になった男・・・。

そのすべてを見ていて、時に関わらざるをえなかったゴヤは、けして存在を誇示することはありません。
アピールするのは、絵画だけ。
合間合間に、まるで時代を象徴するように映し出されるゴヤの絵画。それが18世紀末のスペインを雄弁に語ってくれるのです。

監督が、ゴヤという強い個性の画家を描いた意味がよくわかる。彼の目を通した物語にしたからこそ、ここまでの作品になったのでしょうね。
絵画を背景としたながーいエンドロールも、ゴヤ一色です。

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ロレンソ神父は聖職者でありながら、牢の中で出会ったイネスの純真な美しさに溺れてしまった。
拷問によって憔悴しきった、藁をも掴みたいイネスを、姦淫の罪を犯し、愛してしまった。
ふたりの間に愛があったはずはなく、慰み者となったイネスは、獄中で彼の子を産み、釈放されるころには精神を病み、盲目的にロレンソを信じるようになるのです。

ナタリー・ポートマンは、私的に惹かれなくて、どんなに変わり果てた姿を演じようとも、なかなか心が動きません。もし彼女じゃない女優が演じていたら、もっと打たれていたかもしれないと思うと残念。ついぞシビアになってしまいます。

この作品、世間ではすこぶる評判が良いです。久しぶりのフォアマン作品だし、思い入れが違う人もいるのかもしれません。



おまけ。 銅版画を作成する工程を描いた一連のシーンが、すごく良かったです。物語に直接は関係ないけれど、そこだけでも観た価値がありました。
『アマデウス』のようなユーモアが、もうすこしだけでもあったらよかったのに!




監督/ ミロス・フォアマン
製作/ ソウル・ゼインツ
製作総指揮/ ポール・ゼインツ
脚本/ ミロス・フォアマン  ジャン=クロード・カリエール
撮影/ ハビエル・アギーレサロベ
編集/ アダム・ブーム
音楽/ ヴァルハン・バウアー
出演/ ハビエル・バルデム  ナタリー・ポートマン  ステラン・スカルスガルド
 ランディ・クエイド   ミシェル・ロンズデール

(カラー/114分/アメリカ=スペイン合作)







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Last updated  2009.11.27 19:46:10
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