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2010.03.06
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カテゴリ: イタリア映画


お気に入りの監督、トルナトーレやベニーニ作品は別だけれど。
生粋のイタリア映画は、日本でそう多く見ることはできないせいかもしれない。新しくリリースされるDVDレンタルの半数近くは、エロス寄りの作品だったりしてびっくりする。

イタリアといえば、過去には名だたる巨匠たちがいた。
ヴィットリオ・デ・シーカ、フェリーニ、セルジオ・レオーネ、ヴィスコンティ、パゾリーニ・・・ わたしが知っているだけでもこれだけいる。ということはもっといる。
では現在の監督層は薄いの?と疑問になって調べてみたら、そんなことはない。
先に挙げた、大好きなトルナトーレやベニーニは活躍しているし、『息子の部屋』のナンニ・モレッティとか、『 家の鍵 』のジャンニ・アメリオもそうだ。

しかし、まだ頑張っているのね!! と驚いた巨匠も多い。

新しい世代の監督が、どれくらいいるものか、最近のイタリア映画事情は知らないのでなんとも言えないが、いつかまた盛り返す日がくるといいなぁ。
そんなことを思いながら、いつか劇場で見逃した本編を観た。

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村に越してきたばかりの刑事サンツィオは、遺体の状況から顔見知りの犯行と推測、周辺で事情聴取を開始する―――。



 捜査の過程から、村人一人ひとりが隠し持つ、心の痛みや葛藤が浮き彫りとなっていく様を描き出したヒューマン・ミステリー。 本国イタリアでは、多くの賞を受賞している。
もとは単館上映だったのが、その質の高さから話題となり、全国で拡大上映されたという。
監督は、ナンニ・モレッティ監督の下で助監督をしていた、本作が長編デビューとなるアンドレア・モライヨーリ。

全編通し、静謐で丁寧な語り口が魅力。お金をかけないでもできる、良質な映画の見本のような作品だ。
小さな村の、ささやかな事件。けれど隠されている真実はとても深い。
映画としての見応えこそ地味だけれど、なかにキラリと光る良さがある。

捜査の過程で、殺されたアンナの人となりが見えてくるディテールは巧み。
犯人が誰なのか、彼女がなぜ抵抗なく死を受け入れたのか―――。それが分ったとき、ひたひたと感動が湧きあがってくる。静かに、底の方からじわじわと。


333650_01_02_02.jpg


苦悩しているのは村人たちばかりではなく、刑事サンツィオもまた、苦しみを抱えている。若年性認知症を患って、施設に入所している妻がいるのだ。
最愛の妻が自分を忘れ、娘のことさえ忘れていく・・・。その深い悲しみを受け入れるまでの葛藤も、同時に描いていく。

全体をとおせば、前評判ほどではないけれど、観て良かったと思う小品。
あとひとつ、特筆するなら、サンツィオと老刑事の名コンビぶりだろうか。
遺体発見現場の湖畔に佇み、事件についての所見を述べあう二人がたまらなくいいのだ。まるで何度も演じてきたコンビかのような、馴染みよう。



●  ●  ●  ●


監督/ アンドレア・モライヨーリ
製作/ フランチェスカ・シーマ  ニコラ・ジュリアーノ
原作/ カリン・フォッスム
原案・脚本/ サンドロ・ペトラリア
撮影/ ラミロ・シビータ
音楽/ テオ・テアルド
出演/ トニ・セルヴィッロ  ヴァレリア・ゴリノ  オメロ・アントヌッティ

(カラー/95分)







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Last updated  2010.03.07 17:33:53
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