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2011.02.23
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カテゴリ: アメリカ映画


3兄弟それぞれに悩みを抱えながら、父の死を乗り越え、自分たちを捨てた母親との再会を果たし、旅の果てに新たな明日を見つけられるのか――。


 立派だったらしい父親の面影に甘え、大人になりきれない3人は、いつまでも子どもみたい。長男フランシスは交通事故で大怪我、次男ピーターは妊娠中の妻と不仲、三男ジャックは恋人と別れたばかり・・・さんざんな状況で兄弟は再会する。
旅はおマヌケの連続。でも、こだわりの多い個性にほだされて、いつしか見守りたい気持ちになっている。旅先がインドとはいえ、むやみにインドネタで笑わせないし、さりげない異国情緒のうえに成り立つコメディは、心が和む。のらりくらりもバカ騒ぎも、微笑ましいのだった。

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とある騒ぎで列車を追い出された兄弟は、下車した北インドの小さな村で、ひとつの<死>と遭遇する。
川で溺れている少年たちを見つけて、とっさに川に飛び込んだが、ひとりだけ助けてあげらえなかったのだ・・・・。
育ちの良さから善良な彼らは、ひどく心を痛めて、招かれるまま葬儀にも参列する。この出来事は彼らの浮ついた胸に響き、母親への道を近めるのだが・・・・現実は厳しい。

そろって神聖化してきた母親を演じているのはアンジェリカ・ヒューストン。この人がまた、息子たちよりも凛々しいからおかしい。父の葬儀さえドタキャンした、自立しすぎた母親は健在で、彼女のつれない仕打ちが、ちょっとだけ悲しくもあるが、甘ったれの兄弟に現実の厳しさを教えるには、絶妙な母親像なのだった。
旅の間に、少しだけ大人になった3人は、現実を受け止めて旅を続けていく。その先に見えるのは希望にほかならないのだけれど。。


揃いも揃って重い荷物を抱えているのが、人生という名の旅まで、下手くそな彼らを物語る。
だからこそ、最後に、思い切って荷を捨てて、列車に飛び乗った判断は逞しくて潔くてうれしくなる。大好きなカウリスマキ作品にある自由さを感じる。
物からの束縛を解かれて心身共に身軽になった彼らの人生は、これからが本番なのに違いない。

本編のプロローグ的作品、短編『ホテル・シュヴァリエ』が、DVDに収録されていた。
物語は、三男ジャックとその恋人(ナタリー・ポートマン)がホテルの一室で織りなすドラマ。(10分くらい)伏線もあるので先に見ておくといいかも。



†   †   †



脚本/ ウェス・アンダーソン  ロマン・コッポラ  ジェイソン・シュワルツマン
出演/ オーウェン・ウィルソン  エイドリアン・ブロディ  ジェイソン・シュワルツマン

(カラー/91分)





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Last updated  2011.03.01 08:41:08
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