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同性愛や殺人といった醜聞に満ちたバロック絵画の画家 ミケランジェロ・メリージ・ダ・
カ ラヴァッジオ 、(1571年~1610年)の一生を映画化。監督は、画家・美術監督から映
画監督へと転身したデレク・ジャーマン。自らもゲイであったジャーマン氏は、1994年、AI
DSによる合併症で死亡している。


アーティストらしい目線で捉えられたシーンの、絵になること。深い陰影が中世の重厚な空
気感を見事に再現している。おどろおどろしく、甘美に力強く、ベットリと張りつく様に、幻
想と史実の狭間に画家の生涯を閉じるまでが描かれていく。
驚くのは、当時を見事に再現したなかに、なにげなく挿入されている現代の小道具たちの
数々。洋服、計算機、タイプライター・・・・そこに生まれる違和感さえ作品の一部になって
しまう手腕。

市井の人たちを多くモデルにつかったという、カラヴァッジオ。一目惚れした青年をモデル
に起用し、娼婦である彼の恋人まで面倒みながら、金に飽かせて退廃的に生きた男。
そんな彼の生涯を、最後まで支え見つめ続けるのは、幼くして彼の元に買われて来た唖
の青年――。
彼は父親のようにカラヴァッジオを愛し、寄り添い、身の回りの世話をしながら、画家の生
き様を見つめている。その静謐な眼差しがあまりにも美しい存在感を放っている。
こちらも『死ぬまでに観たい映画1001本』のなかの一作。わたしが手に取ったきっかけ
はこれだけれど、カラヴァッジオという画家を知るために観るのも為になりそう。作品を映
像に取り入れているので、よりリアルに異端の画家について学べる構成となっている。た
だ構図は同じでも、筆致だけは、意図してかまったく別物だった。
長回しに眠気を誘われるのが玉に瑕か。
(イギリス人監督のイギリス映画ゆえ、イタリア語ではなく英語なのもちとおしい)

監督・脚本/ デレク・ジャーマン
撮影/ ガブリエル・ベリスタイン
音楽/ サイモン・フィッシャー・ターナー
出演/ ナイジェル・テリー ショーン・ビーン デクスター・フレッチャー
(カラー/93min)
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