一即多、多即一

一即多、多即一

一人の想念が大きな現象をもたらす



5月の学校完成を見届けて、私は沖縄に戻りました。そして、その年の12月に再びカンボジアを訪れました。約半年の間にいろんなことが起きていました。その変化にはちょっとおどろかされました。

実のところ、われわれの団体にはお金があまりありません。そのため校舎は一つだけしかつくれませんでした。校舎の中には五つの教室がありますが、朝の8時から10時までは一年生と二年生、10時から12時が三年生と四年生、暑い国だから3時まで休み時間をとって、3時から5時までは五年生と六年生が勉強するように時間割を決めました。
日が暮れたら強盗がいっぱいだから、子どもを外には出せません。だから早めに終わるようにしたわけです(実際に半年間で5回も拳銃強盗に校長室が襲われました)。そういうふうに一つの校舎を工夫して使っていたのです。
こんな危険な場所に最も早く校舎を完成させたのが、沖縄の人々だったのです。

その後、他の団体が新たに校舎を建て始めました。まず私たちのつくった校舎の横に、別の日本の団体が校舎を建てました。そしてその横には外国の団体が建てました。イタリアの団体が建てて、その横にはインドの団体が建てたのです。この前見に行ったときには、また別の団体がその横に校舎を建てていました。

そういうふうに校舎が次々に建てられて、なんと、この学校は三千名の子どもたちが通う、プノンペンで一番大きな小学校になったのです。たった一人の思いで始めたことが、だんだんとふくらんでいって大きな力になる。そういうことが現実に起きたのです。
今は立派な学校です。おそらく、この学校から将来のカンボジアを背負う子どもたちがいっぱい出てくるでしょう。私はそう確信しています。


最初は一人や、小さな集まりの信念が、やがて大きな現象を引き起こすことがあるんですね。

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