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子育て終了した父親の独り言2013
秋葉原通り魔殺人
「秋葉原で人殺す」=夢…ワイドショー独占-携帯掲示板で予告か-通り魔事件
6月9日12時32分配信 時事通信
東京・秋葉原の通り魔事件で、携帯電話のネット掲示板に発生約7時間前、「秋葉原で人を殺します」とした予告と取れる書き込みがあったことが8日、分かった。
加藤智大容疑者(25)は書き込みを認める供述をしており、警視庁が調べている。
8日午前5時21分に「秋葉原で人を殺します」とのタイトルで記載。「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」との内容だった。
書き込みは「時間だ 出かけよう」(午前6時31分)と続き、「秋葉原ついた」(午前11時45分)「今日は歩行者天国の日だよね?」(同)と記載。事件の約20分前、「時間です」(午後0時10分)と締めくくっていた。
同じサイトの別の掲示板には、事件前日ごろまで書き込みがあった。5日は仕事の不満が多く、「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」(午前6時17分)、「やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな」(午前7時44分)とあり、「『誰でもよかった』 なんかわかる気がする」(午後0時5分)との記述も。
6日には「住所不定無職になったのか ますます絶望的だ」(午前1時44分)、「やりたいこと…殺人 夢…ワイドショー独占」(午前2時48分)、「誰にも理解されない 理解しようとされない」(午前3時35分)と書かれていた。
7日には「今日は秋葉原 お金をつくりに行く」(午前8時3分)、「無事借りれた 準備完了だ」(午後4時3分)、「明日は運転するんだから、お酒は控えめに」(午後7時33分)と記載。「もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしてる」(午後8時34分)と分析後、「中止はしない、したくない」(午後8時53分)としていた。
異常な犯行、ネット掲示板で「実況中継」
6月9日14時27分配信 読売新聞
読売新聞
「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」。東京・秋葉原の歩行者天国を地獄に変えた8日白昼の無差別殺傷事件。逮捕された加藤智大容疑者(25)は事件の約7時間前から携帯サイトの掲示板で犯行を予告、静岡県の自宅から秋葉原に向かう様子を刻々と「実況中継」していた。
掲示板には「頭痛との闘い」「晴れればいいな」などと淡々と書き込まれ、異常な犯行へのためらいなどはうかがえなかった。
警視庁の調べによると、加藤容疑者は8日午前8時ごろ、JR沼津駅(静岡県沼津市)前のレンタカー店で「引っ越しに使う」などとウソを言って2トントラックを借り、東名高速裾野インターから東京方面に向かい、横浜青葉インターで下りて国道246号で秋葉原に向かったという。
掲示板の書き込みは午前5時21分に「ねむい」という言葉で始まり、「いい人を演じるのには慣れてる」「友達は、できないよね」などと犯行をやり遂げることへの自信をうかがわせるような書き込みも。
裾野市の自宅は午前6時31分に出発。7時12分に「一本早い電車に乗れてしまった」、同24分には「30分余ってるぜ」と書いており、供述で明らかにした行動と一致している。
書き込みはトラックの運転を始めた8時過ぎから9時41分まで中断。「神奈川入って休憩」「渋谷ひどい」などと東名、246号経由で秋葉原に向かった様子が記されていた。
11時45分に「今日は歩行者天国の日だよね?」、午後0時10分には「時間です」と書き、計画通りに進んでいることがうかがわれ、この約20分後にトラックで現場の交差点に突っ込んだ。
最終更新:6月9日14時27分
加藤容疑者、中学校教師を志望…短大のクラス担任会見
6月9日21時49分配信 読売新聞
東京・秋葉原の通り魔事件、加藤智大容疑者が在籍していた中日本自動車短大(岐阜県坂祝町)の2年生当時のクラス担任・高橋正則講師(38)らが9日、同短大で記者会見した。
高橋講師によると、加藤容疑者は2001年4月、自動車工学科に入学。成績は優秀だったが、02年秋、2級自動車整備士を受験する際に実技試験が免除される講座の出席日数が足りなかったため、加藤容疑者を教室に呼び、今後の進路について面談した。
その際、加藤容疑者は「中学校の教員になりたい」と打ち明け、地元・青森県の大学への編入を希望したという。
卒業時、進路は決定していなかったが、同短大に提出した進路調査票には「弘前大学 希望」と書かれていた。2年生だった02年夏以降はバイク部に所属し、仲間とツーリングやバイク整備などを楽しんでいる様子だったという。
高橋講師は「報道では『キレやすい性格』と言われているが、そんな記憶はない。残念です」と沈痛な表情を見せた。
最終更新:6月9日21時49分
優秀で何でも一生懸命=中学時代の加藤容疑者-秋葉原通り魔事件
6月9日21時1分配信 時事通信
優秀で明るい生徒だった―。東京・秋葉原の無差別殺傷事件で逮捕された加藤智大容疑者(25)は、青森市内で活発な中学時代を送っていた。加藤容疑者は1995年から3年間、同市内の中学校に通った。校長が当時在籍していた教師に聞いた話では、加藤容疑者は成績は非常に優秀で、ソフトテニス部に所属。何事にも一生懸命だった。
3年時には学校祭の合唱コンクールで指揮するなどリーダーシップも発揮。運動や行事に明るく取り組んでいた。
当時を知る教師は「このような事件を起こす生徒には見えなかった。ニュースを見てびっくりした」と話したという。
<秋葉原通り魔>容疑者、解雇と誤解?工場「つなぎがない」と騒ぐ 携帯サイトにも書き込みか
6月9日14時18分配信 毎日新聞
東京・秋葉原で8日起きた通り魔事件で逮捕された加藤容疑者は青森県出身で、東京都内の人材派遣会社に登録し、自動車組み立て・生産大手の関東自動車工業の東富士工場(静岡県裾野市)で働いていた。
同工場の橋本直之・庶務広報室長(54)や人材派遣会社によると、加藤容疑者は昨年11月11日に派遣会社の面接で採用が決まり、同月14日から工場で働いていた。情報誌などの折り込み広告を見て応募。面接の際は「以前も派遣社員として自動車工場で組み立てをやったことがある」と話したという。
工場での担当は塗装ライン。月曜から金曜の週5日勤務で1週間交代で日勤と夜勤についていたが、勤務態度はまじめで、公休以外は休まなかった。時給1300円で月約20万円の収入があった。契約期間は今年3月31日までだったが、1年間更新されていた。
派遣社員を6月末で200人から50人に減らす計画があったが、加藤容疑者は、自分が対象ではないことを派遣会社から知らされていたという。
一方で、加藤容疑者は5日の始業直前の午前6時ごろ「自分のつなぎ(作業着)がない」と大声を出して騒いだため、同僚がリーダーに報告。リーダーが駆けつけたときには、姿を消していた。
この日、加藤容疑者が「犯行予告」をした携帯電話サイトの別の掲示板に「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」(午前6時17分)▽「やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな」(午前7時44分)とあり、午後零時5分には「『誰でもよかった』 なんかわかる気がする」との記述もあった。つなぎのくだりは、加藤容疑者が騒いだ時間と近接しており、加藤容疑者が「解雇された」と誤解して書き込んだ可能性もある。
加藤容疑者の裾野市富沢の自宅は人材派遣会社借り上げの4階建てワンルームマンション。3階に1人暮らしをしていた。管理会社によると、04年12月から派遣会社が32部屋のうち5部屋を借り上げている。入れ替わりが激しく、加藤容疑者の居住は把握していなかった。
住民によると、加藤容疑者は半年から1年ほど前から住んでおり、時折、ジーンズにシャツの軽装で午後11時ごろに帰宅する姿が目撃されていた。ただ、約1カ月前から本人と乗っていた青森ナンバーの軽自動車が見られなくなった。住民の付き合いはなく、トラブルもなかったという。
秋葉原で通り魔 事件前、携帯掲示板に書き込み
6月9日17時18分配信 産経新聞
■「車が使えなくなったらナイフ使います」
東京・秋葉原の通り魔事件で、発生当日の8日朝、携帯電話サイトの掲示板に「車が使えなくなったらナイフを使います」などと犯行を中継するような書き込みがあったことが9日、捜査本部の調べで分かった。加藤容疑者が書き込みを認める供述をしており、捜査本部は確認を急いでいる。
調べでは、携帯電話サイトの掲示板には「秋葉原で人を殺します」というタイトルで、8日午前5時21分に書き込みが始まった。
内容は、午前5時21分「秋葉原で人を殺します 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」で始まり、この後、主な書き込みは次の通り続いている。
午前5時21分「ねむい」▽午前5時34分「頭痛が治らなかった」▽午前5時35分「しかも、予報が雨 最悪」▽午前5時44分「途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな」▽午前6時2分「いい人を演じるのには慣れてる みんな簡単に騙される」▽午前6時3分「大人には評判の良い子だった 大人には」▽午前6時4分「ほんの数人、こんな俺に長いことつきあってくれてた奴らがいる」▽午前6時10分「使う予定の道路が封鎖中とか やっぱり、全てが俺の邪魔をする」▽午前6時31分「時間だ 出かけよう」
▽午前7時30分「これは酷い雨 全部完璧に準備したのに」▽午前7時47分「まあいいや 規模が小さくても、雨天決行」▽午前9時48分「神奈川入って休憩 いまのとこ順調かな」▽午前11時17分「こっちは晴れてるね」▽午前11時45分「秋葉原ついた」▽午後0時10分「時間です」
こまめに更新されていた書き込みはここで一旦中断。通り魔事件がテレビなどで速報されたことを受け、午後1時過ぎから、「今 ニュースで秋葉原で警察官刺したって」「まさか…」など、他の利用者から驚きの書き込みが相次いだ。
【秋葉原通り魔事件】青森有数の進学校を卒業 家庭内暴力も…加藤容疑者の素顔
12:20更新
記事本文 秋葉原で通り魔事件を起こした加藤智大容疑者(25)は青森県で生まれ、県内有数の進学校でもある県立青森高校を卒業するまで青森市で過ごした。高校時代まで住んでいたという実家は青森市郊外の住宅街にあり、事件当日からカーテンが閉じられたまま。近隣の住民は一様に、学力優秀で将来を嘱望された加藤容疑者の犯行に驚きの表情を見せた。
「礼儀正しい子供だった。小さいときから理科が好きで、『将来は技術者になりたい』と言っていた。夏休みにバイクで帰省した際は、快活でいい青年だと感じた。文学青年のようなか細い感じだったので、事件を起こしたことが信じられない」。加藤容疑者を小学生時代から知り、高校の先輩でもあるという男性はこう語った。
一方、加藤容疑者は暴力的な面も見せていたようだ。男性は「中学に入ってからは、家庭内暴力があったようだ。テニスのラケットで机をたたいたり、学校の教室でイスを投げる騒ぎを起こしたと聞いた」と証言する。
青森高は県内では大学の進学率が高いことで知られるが、同校によると、加藤容疑者は卒業後、静岡県内の自動車関係の専門学校に進学したという。
知人らによると、加藤容疑者は両親と弟の4人家族。父親は地元の金融機関に勤務し、母親は冬場には熱心に雪かきをし、春になると花の手入れを熱心にするおとなしい女性だった。しかし、昨年秋ごろからは母親が家を出て、父親が1人で暮らしていたという。自宅は荒れた植木が目立つようになり、近所では心配する声が上がっていた。
無職の女性は「中学のころまでは近所でよく遊んでいるのを見かけた。きちんとあいさつのできる頭のいい子だった。両親は教育熱心で、そろばん教室や水泳教室に通わせていた」としながら、「(家庭内暴力は)聞いたことがある。なぜこんなことになってしまったのかと思うと…」と絶句していた。
「日本に衝撃」海外メディアも詳報 秋葉原通り魔事件
20:40更新
記事本文 東京・秋葉原の通り魔事件は発生直後から海外の主要メディアが相次いで伝え、その後も事件の背景を含め、「身の毛もよだつ襲撃は犯罪率の低さで知られる日本に衝撃を与えた」(AP通信)などと報じ、関心の高さをみせている。
多くのメディアは「誰でもよかった」とする加藤智大容疑者(25)の供述を引用し、事件の無差別性を報道。7年前の同じ日に、やはり無差別的犯行だった大阪教育大付属池田小での児童殺傷事件が起きたことを取り上げた。
AP通信は今年3月にも茨城県のJR荒川沖駅で今年3月に8人が刺され、1人が死亡した事件などを引き合いに出し、「以前はまれだった殺傷事件が近年、頻繁になっている」と指摘した。
事件の背景について、英BBC放送は「報じるには時期尚早」としながらも、日本人は「人と違うことや失敗が許されないという重圧にさらされ、社会に適応できず仕事にも就かず、他の人と同じように振る舞わなければ疎外される」と言われていることを紹介。今回の事件は「単に個人の犯罪なのか、それとも日本社会に不安をもたらす前兆の一つで、増大する重圧やストレスが疎外された人間を凶行に駆り立てているのか」と分析している。
英紙インディペンデント(電子版)は、秋葉原はオタクが集まる場所で、「(派遣社員の)加藤容疑者が、犯行場所にこの地域を選んだのは偶然の一致ではないかもしれない」と指摘。その理由として、日本での終身雇用の崩壊と核家族化により男性の伝統的役割が不安定化したことが「オタク現象」を加速させている、との専門家の見解を挙げた。
一方、中国の国営新華社通信(電子版)は、「日本の狂徒、世の中がいやになったと称し、東京の街頭で7人を刺し殺す」との見出しで、事件の経緯を詳報した。
中国共産党機関紙・人民日報(電子版)は通信社・中国新聞社の記事を転載する形で、「日本の“路上の悪魔”、街頭で凶行、17人死傷」と伝えた。
【秋葉原17人殺傷の衝撃(上)】犯行予告・中継の中に紛れる容疑者の「孤独」「自暴自棄」
06/09 22:46更新
日曜日の歩行者天国でにぎわう東京・秋葉原で起きた惨劇。静岡県裾野市の派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)=殺人未遂の現行犯で逮捕=が7人を殺害し、10人に重軽傷を負わせた通り魔事件。携帯電話のサイトに犯行を予告するという前代未聞の凶行に及んだ容疑者の人格には、「おとなしさ」と「凶暴さ」という二面性が潜む。凶器としてトラックに加え、刃物も準備した計画的な犯行からは、無差別殺人への異常なまでの執着も浮かび上がってくる。
■犯行予告、そして実況中継も
《秋葉原で人を殺します 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら》
加藤容疑者は事件当日の8日、「秋葉原で人を殺します」とのタイトルで、携帯電話サイトの掲示板に書き込みを行っていた。
最初は午前5時21分で、7時間後に実行する通り魔事件を明確に予告した。
《時間だ 出かけよう》(6時31分)
《神奈川入って休憩》(9時48分)
静岡県内から都内へと向かう足どりを実況中継するような書き込みが続く。
《秋葉原ついた》(11時45分)
《時間です》(午後0時10分)
7時間弱で26回も続いた発信は、これで途絶えた。
ロールプレイングゲームが趣味で、犯行現場に“オタク文化”の発信地である秋葉原を選んだ加藤容疑者。帝塚山学院大の小田晋教授(犯罪精神医学)は「リアルタイムに行った書き込みや告知は『劇場型犯罪』の典型」と指摘する。
しかも、この日は大阪教育大学付属池田小学校の殺傷事件から7年にあたり、「『記念日』と考えていた可能性もある」とみる。
約20分後、加藤容疑者は2トントラックで歩行者天国の通りに突っ込む。歩行者数人をはねた後、両刃で殺傷能力の高いダガーナイフで通行人らを刺し、7人を殺害し、10人に重軽傷を負わせた。
サイトへの書き込みには、加藤容疑者の心理状態を吐露された内容もあった。
《ほんの数人、こんな俺に長いことつきあってくれてた奴らがいる》(6時4分)
《使う予定の道路が封鎖中とか やっぱり、全てが俺の邪魔をする》(6時10分)
捜査幹部はこんな感想を漏らしている。
「行動報告のような書き込みの中に突然、孤独感と思いどおりにならない人生に自暴自棄になっている心の内を明かしているようにみえる」
■おとなしかった容疑者…犯行直前には「凶暴性」むき出しに
「快活で、いい青年だった」
「きちんと挨拶のできる頭のいい子だった」
青森市内で育った加藤容疑者の小・中学校時代を知る人は、そう口をそろえる。
加藤容疑者は両親と弟の4人家族で、父親は地元の金融機関に勤務。「両親は教育熱心で、そろばん教室や水泳教室に通わせていた」と知人の女性は証言する。
加藤容疑者は小学生時代、足が速く、クラスの人気者だった。
地元の中学を卒業後、県立青森高に入学。生徒の大半が4年制大学に進む県内トップクラスの進学校だ。高校時代は目立たない生徒で、加藤容疑者が在学した学年の副主任だった男性教頭(59)はこう振り返る。
「校内でも家庭でもトラブルはなかった。印象が薄く、ごく普通の子だった」
しかし、別の証言もある。
「中学に入り、家庭内暴力があったようだ」
加藤容疑者を小学生時代から知る男性は、加藤容疑者が中学時代、校内でもテニスのラケットで机をたたいたり、教室でイスを投げたりしたと聞いたと証言するのだ。
「目立たない生徒」
「粗暴な行動」
知人の証言からは、加藤容疑者の二面性がうかがえる。事実、加藤容疑者は犯行前のサイトへの書き込みでも、理想的な子供を装っていたことを告白している。
《大人には評判の良い子だった 大人には》
《いい人を演じるのには慣れてる みんな簡単に騙される》
二面性は勤務先での行動からも浮かび上がる。
加藤容疑者は製造業派遣大手の日研総業(東京都大田区)に登録、昨年11月から裾野市内の関東自動車工業東富士工場に派遣され、塗装工程を担当していた。派遣会社の面接では口数が少なく、おとなしい印象だった。工場でも「勤務態度は良好で、同僚とも問題はなかった」(工場関係者)。
だが、今月5日、粗暴な素顔をむき出しにした。
「ツナギ(作業服)がない」
午前6時ごろ、工場の更衣室で加藤容疑者は大声で騒ぎ立てた。そばにあるツナギを床にぶちまけ、壁を殴ったり蹴ったりした。
職場リーダーが別のツナギを持っていくと、加藤容疑者は無断で帰宅していた。ツナギは専用のロッカーに保管されており、加藤容疑者のツナギもロッカー内にあった。加藤容疑者の言動は不可解極まりない。
《作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか》
《やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな》
更衣室で騒ぎを起こした10数分後から、加藤容疑者は犯行を予告した携帯サイトの別の掲示板に、こんな書き込みをしていた。
ツナギがないと勘違いしたうえ、解雇されたと思いこんだのか。
■リストラ不安が無差別殺人に結び付いた?
加藤容疑者が職場でみせた“異変”ともいえる不可解な行動。
「怒ったときは制御が効かない」
ある同僚は加藤容疑者について、そう話す。感情をあらわにして大声を出し、キレると歯止めがきかないのだという。
実は、加藤容疑者が職場を「解雇された」と誤解したのには伏線がある。
関係者によると、加藤容疑者が働いていた関東自動車では5月末で人員の削減計画があったとされ、「派遣社員は全員リストラする」とのうわさも広まっていた。
「(派遣元の)日研が完全に撤退する」
加藤容疑者からこう耳打ちされた同僚もいる。
関東自動車は「会社全体として派遣社員を減らそうという話はあるが、(加藤容疑者の担当する)塗装工程は縮小する予定はない」(庶務広報室)と否定する。加藤容疑者もリストラ対象ではなかった。
だが、加藤容疑者は来年3月までの契約期間を打ち切られ、解雇されるとの不安感を一方的に募らせていたとみられる。
「事情があって裾野に来た。両親も離婚して頼れない。車で事故を起こして借金を背負っている」
最近も加藤容疑者は同僚にリストラの不安を打ち明けた。掲示板にはこうも記している。
《『誰でもよかった』 なんかわかる気がする》(5日午後0時5分)
「2、3日前に犯行を決意した」
「世の中が嫌になった。誰でもよかった」
これらは逮捕後の加藤容疑者の供述だ。掲示板への書き込みと突き合わせると、十把ひとからげにリストラされるとの焦燥感から、相手を選ばない無差別殺人を思いついた疑いがある。
■殺害への異様な固執…見知らぬ被害者に馬乗りになって刺した容疑者
「これまでの無差別殺人より、人を殺すための計画が周到で、殺害行為に異常に固執している」
加藤容疑者の犯行を、捜査幹部はこう分析している。
第一の凶器としてトラックで歩行者天国に突っ込み、第二の凶器にダガーナイフなど刃物を携帯していた加藤容疑者の手口が象徴的だ。
「引っ越しに使う」
そう理由をつけ、静岡県沼津市内のレンタカー会社で借りた2トントラックを犯行に使用した。乗用車より車高が高く、幅も広いトラックであれば、殺傷力は当然に高まる。「もっと大きいトラックを借りようとしていた」(レンタカー会社関係者)との証言もある。
「福井で凶器を購入した」
調べに対し、加藤容疑者こう供述している。福井市内のミリタリーショップによると、事件2日前に加藤容疑者とみられる男が訪れ、ダガーナイフなど6本を購入していた。警視庁万世橋署捜査本部は9日、加藤容疑者の自宅を捜索し、残りの刃物の発見を急いでいる。
「トラックにはねられて路上に倒れ込んだ男性に、容疑者は馬乗りになり、刃物で何度も刺すと、男性はピクリとも動かなくなった」
目撃者の証言からも、殺害行為への加藤容疑者の尋常でない執着が浮かび上がる。
「刃物で刺すという行為で、初めて人を殺す実感を得られたのかもしれない」(警視庁幹部)
通り魔事件としては過去30年で最悪の被害を出した残忍極まりない犯行は、こうしてエスカレートしていった可能性もある。
=(中)に続く
「自己愛強すぎる」加藤容疑者“心の闇”専門家が分析
2008/6/11 17:01
「携帯依存」と呼び、5月中旬以降だけで約3000回に上った加藤智大容疑者(25)の携帯サイトへの書き込み。ほかにアクセスする人もなくなり、「やりたいこと殺人」「彼女がいない。それがすべての元凶」と自己暗示のように凶行に走っていた書き込みを専門家はどうみるか。
加藤容疑者の特異な恋愛観、女性観について、臨床心理士の矢幡洋氏は「自己愛が強すぎるところに原因がある」と分析する。
通常、自己愛の強い男性は女性を次々と誘惑することを快感とするプレーボーイ系の人物が多いという。ところが加藤容疑者の場合、自分の容姿に対する不満から女性へ積極的に接する機会をつかめず、殻に閉じこもってしまった。
「そのため女性に対する執着が強く、掲示板には彼女がいないことに繰り返し触れている。結局、女性と親しくできずに自らの容姿や社会の不平等に対する憎悪をふくらませていった」
どのように強烈な自己愛に陥ったのか。矢幡氏は「親が過剰にチヤホヤしたりすると『自分は特別だ』との意識が強くなり、自己愛が強くなる」と指摘した。加藤容疑者は親からの束縛の強さについても頻繁に不満を漏らしていた。
こうして自分のことしか考えず、他人は自分に視線を送るべきギャラリーとしか考えられない性格が形成された。だが、犯行前にメイド喫茶の女性に渡したのか、サイトでは≪安い指輪なのにめちゃくちゃ喜んでくれてた≫と素直な喜びを記してもいた。
「自己演出を必要としないシンプルな対人関係を欲しているのが、素朴な驚きから伝わってくる。でも、結局は素直になれない自分がいて、ゆがんだ自己愛をより強くしてしまった」
最後には自分に関心を寄せない「ギャラリー」への憎悪を爆発させた。
若者の犯罪に詳しいノンフィクション作家、藤井誠二氏は「書き込みを見ると、誰か止めてくれるんじゃないかとコミュニケーションを求めていたふしがある」と分析。だが、「むしろバカにされ、あおられるのがネットの特性だ」と指摘する。
容姿や仕事への不満を書き連ね、「絶対的に変わることもはい上がることもできない階層に自分で自分を固定化し抜け出せなくなった」かのような独白に「強烈なコンプレックスがみられ、自分に何もしてくれない社会を許せない逆恨みとしての事件があったのではないか」と推察する。
「顔が良くて背が高く、と一昔前の『3高』のような印象。昔に戻ったような感じを受ける。容姿に自信がなければ、話術を研こうとかいまの若者にはむしろ強度があるのに」と現在の若者との乖離をみる。
「何でもやればできるという幻想を植え込まれ、いざ地方から出たとたん普通の人になることに耐えられない地方の“できる子”にみられる挫折感もある」
内省的な記述から無差別殺人に飛躍した加藤容疑者。「ストレス発散の手段がいきなり無差別殺人に結びついている。『世界を破壊する』幼児的な全能感は大人になれば矯正されるはずなのに幼稚なまま25歳になった。彼にとっての社会は何だったのだろうか」
加藤容疑者「車で多額の借金」、リストラ情報でも不安
6月12日3時3分配信 読売新聞
東京・秋葉原で今月8日、17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が5月下旬、派遣先の同僚に「多額の借金がある」と話していたことがわかった。
加藤容疑者は、この時期広まった派遣先でのリストラ情報に将来の不安を募らせていたほか、高校入学後、挫折を繰り返し、「人生が嫌になった」とも供述しており、警視庁ではうっ積したストレスが犯行の背景にあったとみて調べている。
派遣先の「関東自動車工業東富士工場」(静岡県裾野市)の同僚男性によると、加藤容疑者は5月下旬、工場で休憩中に突然、「多額の借金を抱えている」と打ち明けた。借金の原因については「車に関すること」とだけ話したという。
加藤容疑者は2006年から07年ごろ、当時乗っていたスポーツカーから別の車に乗り換えており、その理由について友人に「死のうと思って高速道路に突っ込んでつぶした」と説明していた。同じ時期、別の友人に繰り返し送ったメールでも「金がない」と嘆いていたという。
加藤容疑者は犯行直前の今年5月下旬、派遣元の日研総業(東京都大田区)から、近く派遣社員の大半の契約が解除されるとの見通しを聞かされていた。加藤容疑者は、日ごろから不安定な立場を気にしていたとみられ、同僚らは「急に大声を上げるなど、ストレスをためていたようだ」と指摘している。
6月に入り、加藤容疑者は自分自身はリストラの対象外だと知るが、事件3日前の同5日、作業服を隠される嫌がらせを受けたと思い込み、職場から無断で帰宅。同僚らは「必死になって作業服を探していた。頭に血が上って、パニックになっているように見えた」と話している。
一方、警視庁幹部によると、加藤容疑者は被害者に対し、「申し訳ないことをした」と話しているという。
より高給、より望む職求め県外へ 加藤容疑者が故郷を離れた環境
06/12 12:54更新
記事本文 「負け組は生まれながらにして負け組」「私は要らない人」「他人に仕事と認められない底辺の労働」-。東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された派遣社員、加藤智大容疑者(25)は犯行前、携帯電話の掲示板にこのような書き込みを続けていた。特に目立つのは、自らの立場に対する不満だ。職を求めて故郷の青森を離れ、その境遇を悲観したうえで犯行に及んだ加藤容疑者。不況下、その加藤容疑者が離れた青森で職を求める若者は、自分の置かれている環境をどのように考えているのだろう。(豊吉広英、荒船清太)
青森市中央のハローワーク青森。外に掲示された求人情報の掲示板をひととおり眺めて、普段着の男女が入っていく。フロアには求職情報が表示される30台ほどのコンピューターの端末。その約2割を若者が占拠し、新たな職を探していた。
「加藤容疑者は、人のせいにし過ぎじゃないですか」。青森市に住む無職、工藤幹士さん(29)はこの日、ハローワークで、群馬県にある工場での4カ月間の労働契約を結んできた。市内の高校を卒業後、鉄骨関係の会社に就職、月給十数万円で生活してきたが、子供が幼稚園に入園。もっと稼げるところを、と考え転職を決意したのだという。そんな父親の立場から、今回の事件は許せなかった。「高卒だって就職できたのに、短大まで出てできないはずがない」
実は、加藤容疑者は平成19年1月、青森市内の運送業者にパート社員として入社後、4月に正社員に昇格していた。しかし、その年の9月、突然退職を申し入れた。事件直前に働いていた静岡県内の自動車工場に派遣社員として採用される2カ月前のことだった。
運送業者退職後、加藤容疑者は、若者の就職支援を行っている青森県若年者就職支援センター「ジョブカフェあおもり」に就職相談へ向かっている。このとき加藤容疑者が握りしめていたのは、県外の自動車工場の求人票。自動車関連の仕事に就きたかったことが読み取れる。
「青森に仕事がないわけではない。ただ、条件は悪いので、一度他県で仕事をして高い時給で働くと、なかなか県内の仕事に定着できないかもしれない」と話すのはジョブカフェあおもりの一戸恵多所長。「青森の最低賃金は全国で下から2番目の619円。正規雇用の求人票を見ると、月給12-16万円ぐらいが一番多い」という。
市内のある派遣業者は「仕事はある。ただ、職を求めてくるのは30代や40代ばかり。本当は20代に来てほしいが、高給を求める若者は県外にでるし、給料が安くて良いという若者は、派遣ではなく、飲食店などのアルバイトに流れる」と嘆く。仕事はあるが、より希望の職種を、より高い生活レベルを求めたくなる。加藤容疑者が職を求めて動き回った軌跡が頭をよぎる。
「再就職先になると短大を出ても高卒扱い。やりたいような仕事はなかなか見つからない」。五所川原市内の短大を卒業した近藤正樹さん(23)の最初の就職先はメンテナンス会社だった。月給は約15万円。「一応生活ができて、特に不満はなかったけど、やりたい仕事じゃなくてやめた」。だが、やりたい仕事は県内にはなく、今は無職という。やりたい仕事が近くにない、という事情は加藤容疑者と一緒だ。「加藤容疑者の結果はひどいけど、無職を経験しないと分からない事情があるんじゃないかと感じた」
猿賀一世さん(23)は就職活動で正社員登用されず、県内の福祉用具のリース会社でパートをしている。「今は月給10万円で実家に住んでいる。友人と酒を飲みに行くのも月に1回。なんとか生活はもっている。もっと福祉と直接関係する仕事がしたい。その一端を担っている意味でモチベーションはある」。だから、今の仕事も頑張ろうと思っているという。
加藤容疑者が書き込んだという携帯電話の掲示板を見て工藤さんはつぶやいた。「派遣だって仕事をさぼっていたら、正社員への道はますます遠ざかる。車の仕事がしたいなら、ちゃんと整備士の資格でも取ればいいのに」。そういうと、守るべき愛妻と子供が待つ自宅へ、しっかりとした足取りで向かっていった。
秋葉原殺傷 「中学までは幸せ」…加藤容疑者
6月14日2時31分配信 毎日新聞
東京・秋葉原の17人殺傷事件で、逮捕された派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は、警視庁万世橋署捜査本部の調べに「中学時代までは幸せだった」と供述していることが分かった。中学までトップクラスだった成績が高校で下がり、希望する大学への進学をあきらめるなど学歴コンプレックスを抱くようになったとみられる。職場への不満を募らせていたことが既に判明しており、捜査本部はうっ屈した感情が重なり、事件に結び付いたとみている。
加藤容疑者は青森県出身。地元でエリート校と呼ばれる市立中学校を卒業し、進学校の県立青森高校に合格した。入学直後は4年制大学への進学を希望していたといい、「北海道大学をねらう」などと話していたという。関係者は「両親は教育熱心でよくしかっていた。祖父母にも『教育のことには口出ししないで』と注文するほどだった」と振り返る。
ところが、関係者によると成績はふるわず、高3の進路相談時には担任教師らに「トヨタで自動車を設計したい」などと話すようになり、自動車整備工を養成する岐阜県の短大に進学したという。毎日新聞の取材に応じた親族の男性は「好きで短大にいったわけではなく、本人も両親もがっかりしていた。高校で成績が落ちたことに劣等感があったようだ」とみる。
加藤容疑者は調べに素直に応じ、留置場でも正座するなどして「うそをつくつもりはありません」と話しているという。生い立ちなどの質問には「自分の人生が嫌になった」と供述する一方で、「中学時代までは幸せだった」と話しているという。加藤容疑者とみられる人物が書き込んでいた携帯電話の掲示板には「三流の短大卒の私には(女性と交際する)チャンスはなさそうです」との記述があった。【川上晃弘、沢田石洋史】
加藤容疑者、事件直前トラックで勤務先封鎖計画…秋葉原無差別殺傷
6月14日8時1分配信 スポーツ報知
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された派遣社員・加藤智大容疑者(25)が、事件直前の6月初旬に「トラックを横付けして工場を封鎖してやろうか」と話していたことが13日、分かった。勤務先の工場側が派遣社員をリストラする計画が浮上した時期で、工場への嫌がらせ計画は蓄積していた仕事への不満の一端とみられる。
大量殺人の前に、ストレスの元凶だった勤務先に刃(やいば)を向けようとしていた。
加藤容疑者は6月初旬、同僚男性に「4トントラックを工場の正面に横付けして、封鎖して嫌がらせをしてやろうか」と話していた。嫌がらせの話をしたのは、昨年11月から勤務していた静岡県裾野市の自動車部品工業「関東自動車工業」が派遣社員に対し、6月末までに大幅な削減をすると説明した直後だった。
関係者によれば、リストラ計画は約200人から約50人まで減員するもの。加藤容疑者はかねて同僚には「ここで正社員になりたい」と話していたが、自身が削減対象だと思っていたという。
実際に嫌がらせは行わなかったが、事件3日前の5日朝には、更衣室に作業着がないと激怒し、工場を飛び出して無断欠勤。犯行を決意し、標的を勤務先から何の関係もない一般市民へと切り替えることになった。
警視庁万世橋署捜査本部は、仕事への不満がうっ積していたことが犯行につながった可能性もあるとみて、背景を調べている。
一方で、捜査本部は救急隊員の証言や防犯カメラの映像解析などを進めた結果、事件で死傷した17人のうち14人は、加藤容疑者がトラックで突っ込んだ歩行者天国の交差点付近で倒れ、3人は離れた場所で倒れていたことが判明した。
調べでは、加藤容疑者はトラックで歩行者天国の交差点に突っ込み、男性5人をはねた。ここで3人が死亡、2人が軽傷を負った。そして交差点から約70メートル東でトラックを降り、交差点に戻りながら刃物で通行人らを刺した。トラック近くには死亡した武藤舞さん(21)ら3人、交差点内で6人が倒れていた。
さらに交差点から南に約80メートルの路上には死亡した宮本直樹さん(31)が倒れていた。加藤容疑者は、交差点から南へ約50メートル先の路地を右に入った所で取り押さえられたが、路地の先でも男女2人が倒れていた。宮本さんとこの男女2人は通りで刺された後、逃げ込んだとみられる。
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