子育て終了した父親の独り言2013

子育て終了した父親の独り言2013

4 手術終え、一歩一歩の日常復帰





運動器 腰椎椎間板ヘルニア:4 手術終え、一歩一歩の日常復帰

 2007年1月、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアを患った石黒弘二さん(33)は、自宅で右下半身に広がる激痛としびれに耐えていた。

 1月22日、大みそかに続いて、再び激しい痛みが襲った。「もうひとつも動けない」。救急車を呼び、東京医科歯科大付属病院に運び込まれた。日本整形外科学会の判定基準で、寝返りや歩行などの生活動作に異常がないか調べた結果、痛みの強さはかなり重症と診断された。即日入院が決まった。

 腰椎椎間板ヘルニアは一般的に、3カ月ほどたてば、快方に向かうことが多い。手術まで至る人は全体の2割前後といわれる。石黒さんも高校生の頃から医師に「動けなくなったり、トイレに行けなくなったりしたら手術が必要」と言われていた。

 60歳くらいになったら、そんな日が来るのかもしれない。それなりに覚悟はしていたが、早くも現実になった。「30歳で来るのかよ」

 MRIを撮ると、一番下の腰椎と骨盤の間にある椎間板が、押しつぶされたように、右後方に膨らんで、右足につながる神経を圧迫していた。

 数日後、主治医の四宮謙一教授(現・横浜市立みなと赤十字病院長)の執刀で手術をした。時間は約1時間半。全身麻酔をかけ、背中を2センチほど切開した。手術用の顕微鏡で患部を3、4倍に拡大して見ながら、筋肉を骨からはがす。小さなへらで神経をよけ、膨らんだ椎間板を少し切開して、余分なゼリー状の髄核を取り除いた。取り出した髄核は、白くふわふわとしていた。

 翌日、立ち上がる訓練を始めた。起きあがるのは1カ月ぶり。上体を起こすだけで貧血になった。医師と看護師に両脇を抱えられ、約30分をかけておそるおそる、やせた脚に体重を乗せた。激痛は消えていた。

 初めのうちは、30歩進むのもやっと。ぶつかって転ばないよう、すれ違う人の足音や自転車の気配が気になった。足の先までピーンと緊張が張りつめていて、5分歩くとぐったりと疲れた。

 「大丈夫」という医師の言葉を信じて、リハビリに打ち込んだ。腰を曲げられる。風呂に入れる。ひとつずつ、できることが増えていくのが励みになった。2カ月後、自宅から職場まで、約20分の道のりが歩けるようになり、仕事に復帰した。

===抜粋終わり===


戻る 次へ





© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: