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王監督　星野ジャパンに国内組のススメ

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　ソフトバンクのキャンプを訪れた星野日本代表監督（右）は王監督と握手　０８年北京五輪出場を目指す星野仙一日本代表監督（６０）が２日、田淵、山本、大野３コーチと国内キャンプ視察を開始した。初日はソフトバンク、西武を視察。ＷＢＣの指揮官として世界一に輝いたソフトバンク・王貞治監督（６６）にはアジア予選（１１月２６日～・台湾）から国内組だけのチーム編成が望ましいとの助言を受けた。イチロー、松坂らの本戦出場は極めて難しい状況。メジャーリーガーに頼らないチームで予選から戦い、悲願の金メダルを狙う。

　約１１カ月ぶりとなる王監督との再会。再びの世界一へ。“タクト”が禅譲された瞬間だった。

　「真っ先にここに来なきゃと思った。ＷＢＣで日の丸を背負い、ご苦労をなさり、プロ集団を率いた王監督は私の第一の理解者」。星野監督はキャンプ視察の地としてソフトバンクを最初に訪れた。監督室、グラウンド上を合わせて約３０分の会談。その中で王監督が私見としながら闘将に提言したのがチーム編成だ。「（予選で）メジャーリーガーを連れて来ても、本戦で彼らが抜けた場合にそれを補う選手のモチベーションを高めるのが非常に難しい。ＷＢＣは予選、本戦と同じメンバーだった」――。

　換言すれば、北京五輪で悲願の金メダル獲得に向け、ＷＢＣで主役を務めた松坂、イチロー抜きで戦うことを意味する。現時点で日本人メジャーリーガーはアジア予選の参加は可能性が残されているものの、０８年８月に行われる本戦への出場は極めて難しい状況だ。このため仮に松坂らが予選に出場できても、本戦では代替選手が必要となる。王監督は戦力低下よりメンバーが大幅に刷新された場合の“チームの和”に及ぼす影響を懸念しており、予選から国内組のみでのチーム編成を提言したものと思われる。

　その分、王監督はソフトバンクからの大量選出についてはもろ手を挙げて歓迎。ＷＢＣでは松中、川崎、和田、杉内、馬原の５選手が参加。今季は横浜とのトレードでＷＢＣ日本２冠の多村も獲得した。「候補者が多いのは分かっている。選ばれないより、１人でも多く選ばれた方がいい。ウチはそれだけ（戦力的に）自負している」と全面協力を確約した。

　アテネ五輪アジア予選では松井稼（現ロッキーズ）を核弾頭に圧勝した日本代表も、同選手がメジャー移籍して不在になった本戦では銅メダルに甘んじた過去があるのも紛れもない事実。一方で星野監督は「ドリームチームという視点から行けばメジャーリーガーに参戦してもらいたいが、彼らがいなくても十分に戦えるメンバー、みんなが面白いと感じるメンバーは組めると思っている」と話している。イチロー、松坂には頼らない。闘将の決断が注目される。

　≪涌井　代表入りに前進≫西武・涌井は、はやる気持ちを抑え、感触を確かめるように投げ込んだ。北京五輪・野球日本代表の大野投手コーチが見守るなかでの“御前投球”。立ち投げながらカーブも交えるなど６０球のブルペン投球を披露した。

　当初、練習表にブルペン投球の予定はなかった。本人は「書き間違えでしょう」ととぼけたが、日本代表首脳陣の視察日に今年初めてのブルペン入りを果たし「バランス重視で投げた。初ブルペンにしてはよかったです」と手応えを口にした。視察を終えた大野投手コーチは涌井について「あの若さで打者に攻めていける気持ちが魅力。シーズンで結果を残せば選ぶ余地はある」と日本代表の有力候補であることを示唆。“ポスト・松坂”の期待を背負う２０歳は、北京を見据えて、まずはシーズンで結果を残す。
[ 2007年02月03日付　紙面記事 ]スポーツニッポンより抜粋

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