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2007年03月11日

４８
結婚式はモスクワで７月１６日に挙げることにして、２００４年３月末に仕事を辞めて一度帰国した。
ロシアの結婚制度は日本と少し違い、婚姻届をだす１ヶ月前に予約をしないといけない。それは本当に結婚していいのか考えるための期間らしい。ちなみに昔は３ヵ月前だった。
だから５月の半ばにモスクワへ戻った。

４９
５月にモスクワに戻って結婚式の準備を始めた。
まずロシア正教の教会で式を挙げるために僕がその宗教に入らないといけないのでその儀式をした。その儀式とはお祈りした後、聖水のお風呂に入り水の中に頭まで押し付けられるというものだ。そして僕はニコライという宗教名をもらった。
次にレストラン探しのためいろんな店を食べに行った。「カフェプーシキン」も候補の一つだったが最低金額が高すぎてやめ結局ボリショイ劇場の近くの「ゴドノフ」にした。料理や飲み物やケーキを選び、１５００ドル位でおさまった。
次にリムジンである。ロシアの結婚にリムジンはかかせない。１日借りて確か８００ドル位の1２人乗りのリンカーンにした。

５０
結婚式の３日前に僕の家族がモスクワ入りした。おかんと弟は初めての海外旅行で、特におかんの方は慣れてなくてどのロシア人にも日本語で話しかけていた。
結婚式前はモスクワ川クルージングや市内観光をして楽しみ、とうとう結婚式当日を迎えた。
日本と違いロシアの結婚式は花婿が花嫁の家へ迎えに行くところから始まる。
まず朝早くセルゲイが僕の家族をスヴェータの家まで車で連れて行き、その次にスヴェータのおばあちゃんの家で生活している僕を迎えに来た。もちろん正装をして花束を持っていった。
スヴェータはマンションの１３階に住んでいる。そのマンションに着くとスヴェータのお父さんとタダシとターニャ（前回紹介し忘れてましたがスヴェータの友達です）と僕の家族が外で待っていた。そこでいきなりクイズが始まった。それに答えないと先へ進めない、もし進みたかったらお金を払わなければいけない。これは友達や家族が大事なスヴェータを渡したくないのでジャマしているという設定だ。
「今のスヴェータへの思いを３ヶ国語で地面に書きなさい」とチョークを渡された。僕はまず日本語と英語で地面に「スヴェータを愛してる、I　Love　You　Sveta」と書いたがロシア語が書けなかった。仕方がないのでタダシに少し教えてもらい、「Я люблю тебя, Света」と書いた。名字まで書こうと思ったがスヴェータのお父さんがやめてくれといったので書かなかった。近所の人に見られると恥ずかしいのだろう。
そしてマンションに入ると５段の階段があった。そこでまた問題が出た。
「この階段を上りながら新婚生活でしてあげることをいいなさい」
僕は階段を上りながら言った。
「ご飯を作る、味噌汁を作る、玉子焼きを作る、漬物を作る、茶碗を洗う。」

５１
エレベータのドアが開くと紙テープがしてあった。
タダシ「さて問題です。スヴェータと出会った日は？」
僕　　「３月２９日！」
タダシ「正解、続いてスヴェータの好きな色は？」

タダシ「はずれ、お金を払って下さい」
１０ルーブル渡した。（もちろんお金はたくさん用意してある）
タダシ「スヴェータのお母さんの足のサイズは？」
僕　　「２５．５？」
タダシ「はずれ、払って下さい。」
（分かる訳ないやん！）
そしてエレベータに乗った。
降りて玄関の前に来るとまたクイズが始まった。
タダシ「この中でスヴェータのキスマークはどれ？」
１０個位のキスマークがある紙を渡された。
（全然わからん・・）
勘で「これ」と指差した。
タダシ「ブ～、はいお金」１０ルーブル渡した。
僕　　「これか？」
タダシ「残念、はいお金」また１０ルーブル渡した。
僕　　「あ、これやな」
タダシ「違います、はいお金」またまた１０ルーブル渡した。

そしていきなり隣にいた親父が指差して
親父　「これだないか」
タダシ「ピンポーン、正解」
僕　　「え～？！」
そして一歩だけ前へ進んだ。

５２
まだ家の中にも入っていない。
タダシ「もし家の中に入りたいなら、持っているお札でＳＶＥＴＡという文字を作ってて下さい！」
Ｓで３枚、Ｖで２枚使い１０ルーブル札が無くなった。Ｅで４枚、Ｔで２枚とどんどん金は高額になっていき、最後のＡは１０００ルーブル札（４０００円）を使ったが最後の１枚がない！
プリペイドカードを使い完成させたが認められず、全部没収された。

５３
ようやく家の中にたどり着いた。
廊下には紙で作った足跡がおいてある。それに合わして歩き部屋に入ると白いウェディングドレスが見えた。
「プリビェット！スベータ！」
彼女が振り向くとスベータじゃ無いことに気付いた。
「・・誰？！」
ロシアの結婚式では偽物の花嫁を用意することがある。僕はそのことを知っていたが結婚式に招待した人は全員目の前にいるから偽物の花嫁を用意してるとは思わず、驚いた。後で聞いたのだがスベータの髪をセットした美容師さんだった。
タダシ「さあ、この人と結婚しますか？」
僕「イ、イズビニーチェ（ごめんなさい）」
タダシ「実は本物の花嫁は隣の部屋にいます。本当に会いたれば、スベータに聞こえるように大きな声で今の思いを俳句にして叫んで下さい！」
僕「え～と・・・これからは２人で歩こうスベトラーナ！」
はっきり言って自分の家族の前でこんなことを言うのは恥ずかしい。おそらく異国の地だからできたのだろう。
そして最後の扉は開かれた。

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Last updated 2007年03月11日 09時16分27秒
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■コメント

Re:ロシアの結婚式(03/11)

通りすがりさん

ロシアの結婚、とてもロマンチック！！！！すてきだぁ！！ (2015年03月30日 21時44分55秒)