☆f4♪LOVE アンクミの徒然日記

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残された日々





澄みきった青空 木々を揺らす さわやかな風
夜空には 満天の星が 手を伸ばせばその手につかめそうなほど

初め私が側に居る事を 反対した勇樹
でも私の気持ちを替える事は出来ないと気づき 私を受け入れ
治療も受けるように

激しい頭痛や薬の副作用での 嘔吐

お医者様の話しでは 病気は視力や聴力 更には歩くことさえ困難になるだろうと

まだ 28歳だというのに 
神様どうか 彼を連れて行かないで下さい


柔らかな日差しの差すある日 テラスに飲み物を運び
二人は 静かな時を過ごしていた

「つくし 有り難う~~」ポツリと勇樹が
「えっ!何が~」最近 勇樹の視力はかなり悪く ボンヤリとしか見えていない

「僕は君の笑った顔が凄く好きだった なのに 悲しませてばかりで 本当にごねんね あんな仕打ちをした僕を許してくれるかい? 君がいなかったら 僕はとっくに生きる事を諦めていた
だから 約束するよ 毎朝君に ありがとうって言うよ」

「そうよ 感謝してよね~~」涙が溢れそうになるのを 必死で堪え つくしは 明るい声でそう言った

「つくし 今日は 薬だけ貰いにいく日だよね たまには 一人でゆっくりして来るといいよ 映画でも見てきたら 此処に来て 一度も出かけてないだろ」

まだ少しは見えるといっても ボンヤリとしか見えない勇樹
時々 物にぶつかる事もある そんな勇樹を一人に

「つくし 僕は大丈夫だよ もう子供じゃないんだから」
彼なりの 優しさなんだろう 
「そうね 勇樹本当に 大丈夫?」
「大丈夫だよ ゆっくりしてくるといいよ」

彼に見送られ バスに乗り出かける事に

薬を貰ったら 近くの公園を散歩して 図書館にでも行って
勇樹に読んであげる 本でも探そう

一時間もせずに薬を受け取ると 外のベンチに腰掛ながら
つくしは ボンヤリ空を見上げていた 
その時 つくしの側に一台の車が
ドアを開け 降りてきたのは 花沢 類だった

「牧野~久しぶり 元気にしてた」
どうして彼が此処に 誰にも知らせていないのに 

「花沢 類 どうして此処が解かったの?」
なにも言わずに微笑む 花沢 類

つくしの側に置かれた薬の袋を見て 類が「彼はどう~~」
「あまりいいとは言えないかな、でも頑張って生きてるよ みんなは元気にしてる」

道明寺は?って聞きたかった でも
つくしの気持ちが分かったのか 「司は元気 とは言え無いかな? 牧野がいなくて 落ち込んでるよ 牧野 帰ってくるよね」

私は帰れるんだろうか 帰ってもいいのだろうか
道明寺を傷つけてしまった私に 帰る場所があるんだろうか

なにも言えず 俯くつくし

「これからの予定は?」
「勇樹が心配だから もう帰ろうと思うの」
「そう  送っていくよ」

車の中でも 類は何も聞こうとはしなかった 

つくしが家に着いた時も 勇樹はまだテラスにいた
砂利を踏むタイヤの音に 気づく

「どなたですか?」静かに立ち上がる勇樹
「勇樹 私よ 友達に会って 送って貰ったの 今コーヒーでも入れてくるわね~」
つくしが家の中へ 入ろうとすると 類が「牧野 僕もう帰るから、気にしないで 今度ゆっくりお邪魔するから」

友達が男だと気づき 勇樹は少し驚いていた
「つくしのお友達でしたか 始めまして 沢口 勇樹です この次はゆっくりして行って下さい  それともし彼に会ったら 伝えてくれますか 僕がしたことを許して欲しいと」
ゆっくりと手を差し出す 勇樹 しかしその方向は類の前では無い 

勇樹 どうしてそんな事 彼って?道明寺の事は知らないはずなのに なんでそんな事言うのかしら

類は静かに勇樹の手の方へ身体を向け その手を取り
「解かりました 彼には僕から伝えます どうか早く元気になってください  牧野僕はこれで失礼するよ」

花沢 類が帰った後も 勇樹はさっきの言葉には触れようとせず
いつもの 勇樹に戻っていた




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