おしゃれ手紙

2020.03.24
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テーマ: 読書(8629)
カテゴリ: 詩歌・名文
桜 ●「願わくは 花の下(もと)にて 春死なむ 
そのきさらぎの 望月のころ」


歌というものは時として、 「いかに詠んだか」よりも「だれが詠んだか」 の方が重要になる。
『願わくば桜の下で死にたい。
花咲き初める二月の満月の桜の木の下で』。
桜と満月の取り合わせに、今の人は理想的な美の風景を思うかもしれない。
しかし、伝統的な和歌でこれらを合わせて詠むことはない。
過剰なのだ!
盆と正月、寿司とステーキ、山盛りの宝石!!

しかしこれが許される場合がある、詠み人だ。
まあご存知だとは思うが西行である。
西行は花と月という色の極みを求めて仏の道を歩んだ、支離滅裂、むちゃくちゃである。
その人だからこそ成り立つ一首、稀代の作品だ。
今日今宵はまさに如月(旧暦二月)の望月、隈なき月下の桜に出会えたら、彼の狂気を一寸感じられるかもしれない。
●「 われ死なば 焼くな埋めるな 野に捨てて
飢えたる犬の 腹を肥やせよ
」(歌川広重)
●「 生き過ぎて 七十五年 くいつぶし
限り知られぬ 天地(あめつち)の恩」
(大田南畝)

「この世をば どりゃお暇(いとま)を せん香の
煙とともに 灰さようなら」
(十返舎一九)


石の上3年たったら次の石
 「昭和よ、」より
昔の人の死生観を詠んだ歌。


つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
  古今集 在原業平
(ありわらのなりひら)
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Last updated  2020.03.24 00:02:00
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