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2025.02.26

昔語り：本家のおじぃのインバネス・コート

テーマ：懐かしい昔の話(551)

カテゴリ：父の麦わら帽子

父の父、私にとって祖父・賛次郎は、明治9（1876）年4月11日生まれで男三人兄弟の真ん中だ。
長男は虎太郎で明治元（1868）年4月24日生まれ。
三男は、健三郎（仮名）といい、明治17（1884）年4月20日生まれ。
祖父も祖父の兄も私が生れる前に亡くなっていたが、三男の健三郎は、同じ村に住んでいて、少し記憶している。

　私が、小学生の頃のことで強く記憶にあるのが、 丈の長いコートに、ケープを合わせたデザイン の防寒着を着た健三郎の姿だ。

「本家のおじぃ、どこへ行きょうんなら？」と父。
祖父の生まれた家を三男の健三郎が継ぎ、父は健三郎を「本家のおじい」 と呼んでいた。

「インバネス」とよばれたり、「とんび」 ともよばれた。
また「 いん羽織 」という言い方もあった。

「本家のおじぃ、どこへ行きょうんなら？」と父に聞かれた健三郎は、
「とーのぶ（友延）の、お鶴のとこじゃあ」と言ったと父が言っていたのを覚えている。
お鶴とは、明治元年4月24日生まれの長男・虎太郎の娘で、健三郎の姪にあたる。

健三郎たち兄弟の父親が、孫のお鶴を可愛がっていて、健三郎とは、きょうだいのようでもあったのだろうか。

　健三郎たち3人兄弟の父親は、なぜ三男の健三郎に本家を継がせたのだろうか？
長男と17歳も離れた末っ子が一番可愛かったのだろうか？

私は、健三郎の写真を一枚だけ持っている。
縁側に腰かけて穏やかにほほ笑む健三郎。

私が小学4年か5年の頃、今の私の年齢だったのだ。

　私が中学2年の夏、兵庫県・龍野市に引っ越し、生まれ故郷には帰ることはなかった。
いつの間にか、健三郎は、亡くなっていた。
昨年、実家の名義変更の際に祖父や曽祖父、高祖父、そのまた上の世代までわかる資料があったので、久しぶりに「本家のおじぃ」のことを思い出した。

父から昔話をたくさん聞いて育ったが、もっともっと聞いておけばよかったと健三郎の写真を見ながら思う。

インバネス・コート というのだそうだ。

スコットランドのインヴァネス地方で生まれたとされているため、こう呼ばれている。
雨天など過酷な気象でもバグパイプ（スコットランドの楽器）を守り、演奏するために作成されたといわれている。
鹿撃ち帽、パイプと合わせた姿は、シャーロック・ホームズのトレードマークとして知られている。
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■ 父の麦わら帽子・文字が読めたら：本家のおじいの妻たまのの話 ■
■ 父の麦わら帽子・トロッコ：本家のおじいの息子の話 ■

友一と重次は、家を出てよく、籐田（とうだ）とう所にある、親戚の家に行ったそうだ。
と書いたが、同郡衣笠村の間違い。

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■ スコットランド旅行：インバネス城とその周辺 ■