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ぼやきっていうか小話
だが俺は前から、その日暮らしさえ出来ればいいと思っていた。将来のためにお金を稼いでどうなるというんだ。あの世に金は持っていけないというのに。世の中じゃ、地獄の沙汰も金次第って言う言葉があるけど、地獄の単位通貨が円のわけがないじゃないか。
だから、汗水たらしてせっせとお金をためるより、パ―っと派手に使って暮らす、これが理想の生き方だと思っている。
それでも、金が一円もなければそんなことも言ってられない。だから前までは、仕方なしにバイトをやっていた。
とりあえず、キツくないところで一稼ぎ。そして、ある程度金がたまったらやめてブラブラとその日暮らし……そんなことを繰り返していた。
そう、以前までは。
じゃあ、今はどうなのかって?
ある意味仕事をしているといえばしている。現に俺の通帳には毎日、千八百円が振り込まれている。
日給千八百円。二十四時間ぶっ続けで働いているとしたら、時給七十五円。月給に直せば五万四千円。年休なら六十五万七千円。
たいていの人は、これは少ないと思うだろう。実際、俺も最初はそう思った。でも問題は仕事の内容なのだ。
俺がしている仕事――それは、『生きること』だ。
ここで4週間くらい前の話をしなければならない。俺はその日、ファーストフードのバイトの面接で落ちてしまい、うなだれながら帰路についていた。
金ももう底をつき、あるのはインスタントラーメンが一つだけ。もしバイト先が見つかったとしても、給料の前借りをしないといけない。そんな状況だった。
そんな時、不意に一人の老紳士が話しかけてきたのである。
「そこのお若いの。仕事を探しているのかな」
もちろん、俺はこのじいさんを見たことなんてない。初対面だ。怪しいと思った。でもこんな質問をするということは、きっと何か仕事を紹介してくれるのだろうと感じて、元気よく返事をした。本当に藁にもすがりたい気持ちだったんだ。
そして俺の予想通り、老人は仕事を紹介してくれた。
そう、その仕事が『生きること』だ。
そりゃあ、俺も最初は疑った。生きることだったら誰だってしていることだ。それだけでお金がもらえるのなら、誰だってこの仕事をしたがるだろう。
これは何か裏があるのではないか。
例えば、俺を殺し屋か何かに狙わせて、何日間生き延びれるかを遠くから眺めて楽しんだりとか……。
そのことを話すと、老人は笑いながらあっさりとそれを否定した。
「大体、日給が千八百円なのですよ。それで命を狙われたら、割に合わんでしょう」
うむ。まったくもって、その通りだ。
それに確かに一見いい仕事に思えるが、実のところ制限も多かった。
まず、この仕事のことを他の人に話してはいけないということ。
もしも話してしまったらどうなるか。この仕事のことは瞬く間に広がっていき、全員が『働かずに生きるだけでお金をもらいたい』と思うようになるだろう。そうなってしまったら日本は動かなくなってしまう。だから、決して他人に話してはいけないんだそうだ。
そして、他の仕事は例えバイトであろうとも禁止。
なぜなら、『生きること』自体が仕事になるのだ。それなのに他の仕事を同時にしてしまっては、契約違反というかなんというか、言うなれば不平等が生じてしまうのだそうだ。まぁ、言いたいことはわかる。毎月自分にだけ五万四千円のボーナスが出るようなものなのだから。
しかし、そんな面倒な縛りごとも、俺にとっては別にたいしたことはなかった。
生きるのが仕事と言っても、お金を使うのは生きている間だけなのだから、そのことは特に問題はない。
そして、多少仲間はいるけども、俺はどちらかというと口が堅いし、他人のことは気になるが自分のことを話す気はない。
さらに、もともとその日暮らしさえ出来ればいいと思っているので、わざわざ他の仕事なんてする気すら起こらない。
最後に、一番のネックである日給。けど千八百円といったって、一食の食費を二百円と見積もっても、二百×三食=六百円。一日千二百円余る。それが一ヶ月たまれば三万六千円。ここは安アパートなので、十分に暮らしていける範囲である。
断る理由なんて何もない。俺は二つ返事でこの仕事を引き受けた。
まあ、部屋に戻って朝起きたら、もしかして俺騙されたんじゃないか、とも思った。どう考えたって、生きているだけでお金をもらえるというのはおかしいんじゃないかって。
けど銀行に行ってみたら、ちゃんと千八百円が振り込んである。
これは夢じゃない。俺は理想の生活を手に入れたんだ!
感激に胸を震わせた俺は、とりあえずカップ焼きそばを買った。
しかし、最初はいいものだと感じていた日給千八百円の暮らしも、日が経つにつれて不満が沸きあがってきた。
俺が思っていたよりも千八百円という金額は少ないのだ。ちょっと付き合いで出かければ、こんなはした金なんかすぐに飛んでいってしまう。
俺の理想は、パ―っと楽しくその日を暮らすことだ。働かなくていいと言っても、ひもじい思いをして暮らす生活は理想とは離れている。
バイトをしようかとも考えた。しかし、それでは契約違反になる。少なくとも、何もしないでお金がもらえるこの生活を失いたくはない。
そんなことでどうしようかと一人歩いているとき、偶然にも俺は再びあの老紳士と出会った。
「おやおや、奇遇ですな。どうです、仕事のほうは」
仕事の方はと聞かれても、ただ生きるだけである。答えようがない。まあ食生活が偏っている割には健康だが。
俺は適当に答えると、ついでなので今の不満を打ち明けてみた。日給の低さはどうにかならないのか、と。
「えっ? ああ、しまった。私としたことが言うのを忘れていましたよ」
どことなくわざとらしい声をあげたあと、老紳士は右手でペチンと自分の額を叩いてみせる。
「何をですか?」
「いえ、実はこの仕事にはちゃんと昇給もあるのですよ。生きることが仕事ですので、よく生きる――つまり社会にとっていい事をすれば日給は上がっていくのです」
「そうなんですか!」
「はい。逆もまた然り、ですが。あ、でも気をつけてください。何か良いことをしても、お金を受け取ってしまいましたらそれは『アルバイト』とみなされてしまいますから……物なら別に構いませんがね」
これは重要なことだった。何故ちゃんと最初に言ってくれなかったんだ。
次の日から、俺は『一日三善』を目標にボランティアを繰り返した。公園の美化活動、横断歩道の渡し役、公衆便所の落書き消し――川で溺れかかった子供を救うことまであった。
その甲斐あってか日給はどんどんその額を増していき、気付かぬうちに通帳に書かれる額はどんどんと上がっていった。それこそ、三ヶ月位なら優に遊んで暮らせるほどの。
今度こそ俺は理想の生活を手に入れたのだ!
ひとまず俺は、仲間と飲みに出た。俺の羽振りのよさにみんな驚いていた。定職についていないくせに、なんでそんなに金があるのか、と。
俺は適当にはぐらかして答えといた。
一応、定職にはついた。
今は仕事が生きがいなんだよ、と。
生きることが仕事なのに、その仕事が生きがい。自分でもうまいことを言ったもんだなぁ、と一人悦に入って笑っていると、仲間にはちょっと不信がられた。まぁ、大丈夫だろう。
帰り道、ホームレスに物乞いされた。
最初は無視していたのだが、あまりにしつこかったので最後には蹴飛ばしてやった。俺はお前たちとは違って、ちゃんと働いて稼いでいるんだ。しかも、世の中でこの仕事をしているのは、おそらく俺一人なんだぞ。言わば俺は特別な人間なんだ。気安く触るな。
それからも俺は遊び続けた。アパートに戻らないことも時々あった。
そんなこんなで二週間。
今日も俺は泥酔するまで酒を飲み、夜道をふらふらと歩いていた。
青いポリバケツの上にいた猫が、ふてぶてしくこちらを睨んでいるのに気が付いた。なんかムカツク。
俺は足を振り上げると、そいつに向かってけりを繰り出す。ちょっと足元が狂っちまったんで、当たったのはバケツだったが。
それでも猫は慌てて飛びのいた。生意気にも毛を逆立ててこっちを睨んでいやがったが、声を出して脅かすと一目散に逃げさっていく。
笑いながらその後ろ姿を見ていると、同方向の暗闇からあの老紳士が姿を現した。
「いやぁ、こんばんはぁ。この仕事は本当にいいものですねぇ」
呂律の回らない言葉で元気に挨拶したのに、むこうはなんだか浮かない表情をしている。辛気臭いったらありゃしねぇ。
「一体どうしたんで? 何か困りごとでもあるんすかぁ?」
「実は大変申し上げにくいことなんですが……」
「何ですか、苦い顔してぇ。気軽に言ってくださいよ」
「実は今日は……あなたに解雇通知に来たのです」
……しばらく俺は頭の整理がつかなかった。
そして、理解していくうちに酔いが徐々に醒めていた。
解雇――つまりは『クビ』だ。
「えっ、ど、どうしてですか?!」
必死に老人に詰め寄る。俺は何も契約違反をした覚えはない。誰にも離していないし、他の仕事だってしていない。ボランティアはしたが、言いつけ通りお礼はもらっていない。
「ええ、わかっております。その点は大丈夫なんです」
「じゃあ、何だって言うんだ!」
「あなた……このごろ通帳を確認していましたか?」
「いや、別に……」
「朝から晩までお酒を飲んでいたみたいなので覚えていらっしゃらないかもしれませんが、あなたは酔うたびに店の看板を壊したり、女性にちょっかいを出したり、飲み屋の備品を勝手に持ってきたりしていたのです」
そうだっただろうか? そんな記憶もあるような気はするがよく思い出せない。
「私は、昇給の逆もまた然り、と言いました。つまりあなたが人に迷惑をかけるたびに日給は減っていっていたのです。そして……」
老人は悲しげな目をしながら、さっきまでふてぶてしい猫がいたポリバケツを指す。俺が蹴った為に倒れてしまったそれを。
「あなたがゴミのバケツを倒したせいで中のごみが散らばってしまいました。この時点であなたの日給は0円になったのです」
迂闊だった。
毎日通帳を更新していれば気付いたかも知れないが、結構貯まると面倒くさくなってくる。だから、ちょっと前に行ったきり銀行には足を運んでいない。
くそ。もう生きてるだけでは、お金がもらえなくなるのか?
でも……別にまぁいいか。
確かにこのおいしい生活は、本当に捨てがたい。だけど、金はまだだいぶ余っている。また以前の生活に戻るだけの話だ。
仮にもしこの仕事を続けられるのだとしても、千八百円に戻すためには、かなりの善行をしなくてはいけない。それだったら、バイトをするほうがまだマシだ。
「わかったよ、じいさん。俺は素直にこの仕事辞めさせてもらうよ」
「そうですか、本当に残念です……」
伏し目がちの老紳士は残念そうに首を横に振ると、最後にため息を一つついて言い放った。
「それでは、あなたには『生きる』という仕事を辞めてもらいます」
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