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ウォーター・シール

ダッチオーブンの重いフタは鍋とぴったり重なり合うように設計されている。
実際に調理がはじまり加熱されると、鍋の中の食材に含まれる水分や、注いだ水などが蒸気となって鍋の中に充満し、フタと本体との間から外へ逃げようとする。
そのとき水分はフタと本体の間にあるわずかな隙間を埋め、水封する。（矢印）
そのため、外の空気が内部に忍び込むのを防ぎ、より密閉性を高める。
これをウォーター・シールという。

本体と擦り合わされるように作られたフタはずっしりと重いので、ウォーターシールはより強固になる。
その仕組みは、フタをねじで締めて密閉してから加熱し、内部圧力を高め、水の沸点を１００度以上にする圧力鍋のフタと本体の関係に近い。

そのためダッチオーブンは圧力鍋と同じように、食材を短時間で芯までやわらかく調理する。
とはいってもその仕掛けは圧力鍋のように複雑ではない。
構造上フタの重さしか圧力がかからないのだから、たかがしれている。
だが、使ってみるとこの単純さが実にあんばいよく、使いやすいのだ。

無水調理法。水を加えずに調理する。食材の風味を豊かに生かし、水にとけやすいビタミン、ミネラルの流出を最小限に抑える。
例えばジャガイモ。ジャガイモそのものを味わう調理法は、蒸す、ゆでる、などいろいろある。
それらもダッチオーブンでできるが、ぜひダッチオーブンで無水調理を試してほしい。

そのおいしさは、蒸したり、ゆでたりする調理方法は、ジャガイモ自身がもっているうまみや栄養を、蒸気やお湯といっしょに捨ててしまっていると思えるほどだ。
ダッチオーブンで無水調理するときの注意点はたった一つ、出来具合を確かめようと何度もフタをあけないことだ。
ジャガイモ自身の水分が熱せられ、蒸気となり内部に充満して調理するので水分が逃げてしまうのである。

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