水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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水彩画人 俊介

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Spain Pilgrim road


SpainPilgrim road 2


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スペインの忘れえぬ人々


スペインの忘れえぬ人々 続編


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人の心は水彩画


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カテゴリ: 絵日記三昧


まずはプリコロンビア時代の個性豊かな埴輪群。

民族の違いでしょうか。日本の埴輪には、こんな

ユニークな埴輪は一体もありません。

今も昔も、この南米の人々は、自由奔放、個性豊か。

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志村けんの変なおじさんをほうふつとさせるこの楽しいお面。

よく、こんな形を創造したものと感心します。

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人間が自由に束縛なく生きたギリシャ時代の生を賛美する彫像。

私はキリストが生まれてこなかったら良かったのにと思う一人です。

こういう美しい生の賛歌を否定して閉塞させたキリスト教。

どれだけ多くの芸術家の才能が開花する機会を失ったことでしょう。


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抑圧された暗い時代は1500年も続いた。莫大な才能の損失です。

天文学、科学も抑圧され現代科学はほとんどイスラムの国で発展した。

最悪なのが、たしか聖人アウグスティヌスと言う

初期のキリストの教義の伝道者。

もっと自由な教義をという多くの伝道者を徹底して弾圧した。

さんざん悪いことをして私生児をたくさん生ませ、あげくに、

自分のしでかした罪を人には行うなと強要したひどい人物。


ロダン作 「少女」

こんな才能をもった彫刻家が1500年も世に出る機会を失ったはず。

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キリスト教の最大の欠点は、個人個人が無からスタートして、

自らの力で世界と対峙し人間とは何かを考えることをさせず、

キリストと言う他人の意見を信じろと、個人の自立を放棄させたこと。

壮大華麗な教会を見るたびに、洗脳には格好な場であると思う。

生まれて幼い頃、父も母も周囲の人も、これを信じなさいと言い、

壮麗な教会に連れて行かれたら、誰もが自立の道を放棄してしまう。

かって法王の選挙では、世界中の教会間で金銀の賄賂が飛び交った。

スペインの教会には、法王候補が送った賄賂の財宝が展示されていた。

スペインの教会のほとんどは、民の味方ではなく権力者に加担。

スペイン民主化の際に教会の多くが焼き討ちにあったほど。


暗黒の中世が終焉。ようやくルネッサンスの息吹が高まった頃の作品。

共産党の宣伝画のような中世の退屈な宗教画に比べて、

人間そのものの生の鼓動が生き生きと表現されています。

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キリスト教団の最悪の事例は、バルカン半島のあるキリスト教騎士団。

ある日、教会に集合して、これからの首尾を、神に祈った。

その夜、ある村を襲いユダヤの娘子供まで屠殺場の機械に送り込み、

手足を切断された少女の肉体に食用可の印を押したと言う。


キリストが生まれて教義の絶対を唱えなければ、

こんな悪事を正当化する教団も生まれなかったろう。

財閥に加担しアジアを侵略していった明治の国家も、

国家財政を破綻させた長期の自民党政権もしかり。

対立するものがなく絶対化されたものは必ず腐敗し悪臭を放つ。



さて絵画論に戻りましょう。この絵は不思議な絵。

この絵画の対象は、ほんの一瞬しか、この形をしていない。

写真のない時代にどうしてこういう絵が描けるのでしょう。

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油絵は顔料と油の混合、日本画は顔料とにかわの混合。

しかし描写結果は雲泥の差、全く異なる。

現代の油絵では「塗るな。絵の具を置け」とよく言われる。

この絵が最適の例。立体が多数の面の構成で描かれている。

境界がクリアで徐々に明暗が変化していない。

確かに、この方が立体をはっきりと表現できる。

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これを最初に気づいて唱えたのがセザンヌ。

すべての立体は面で構成できると。

これができるようになるには、石膏デッサンが必須。

二科などの商業画家はこれを怠る。

基礎が出来てないから表現が甘くしまりがない。

二科展を見て、見なければ良かったと思う由縁です。



次の絵を一体どんな画家が描いたのだろうか。

チリは貧しい。マクドナルドの時給が150円。

大学での技師の月給が5万円の人もいる。

この昔の労働者の月給など推して知るべし。

乳飲み子をかかえ、今日は何かあったのかと、

必死に工場の方角を見つめる父親。

不安げに一点を凝視する母親の表情。

絵の表現力も訴える主題もゆるぎなく堅固。

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野獣派の先頭を走ったブラマンクの作品。

私にとって天才画家、佐伯祐三を殺した憎い画家。


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「お前の絵は駄目だ。アカデミックすぎる。」

自信をもっていた芸大の優等生は打ちのめされる。

そして巴里の街を描きながら新たな自己を追求した。

同胞、荻須高徳が寒さに耐え切れずに断念したほどの過酷な試練。

寒風の中のひたむきさは、ついに肺結核を招いて天才画家は夭折する。

毎日付き添って父を見守った幼い娘も、後を追った。




最後に心地よい作品をひとつ。

彫塑は一般に技巧に走る作品が多いけど、

これは作家の心を形にしたような優れた一品。

見ていて、作家とモデルとの間に通い合った

愛情に似た優しい、いつくしみの感情が感じられます。

肩を張らない、珠玉の作品。


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以上は、私の独断と偏見に満ちた絵画論です。

あまり信用なさらずに、自分の頭でお確かめ下さい。






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Last updated  2008/01/17 12:40:00 PM
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