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たとえば「寝ている間に脳は起きているときと同じ量のエネルギーを消費する。つまり意識があるというのは、そのていどのことだともいえる」(181ページ)と言う。人間は儚いものである。
また、働かない若者に対して、こういう見方をする――「一生懸命に働き、経済を発展させ、物質的に豊かな世界を作ってきたのは、なんのためか。安全快適で、暇な世界を作るためである。それなら若者が努力せず、遊んでいるとして、怒る理由はない」(40ページ)――仰るとおりである。
これは『バカの壁』にもつながる、養老先生特有のモノの見方なのだと思うのだが、要は、物事を一面的に見てはいけない、目の前の事実を事実として見つめる、ということなのであろう。科学者として正しい態度だと思う。
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