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人生を左右したふたりの医師の言葉
人生を左右したふたりの医師の言葉
娘が障害宣告をされた生後半年の夏。
あれから早いもので8年もたちました。
抱きしめると愛おしくて、愛おしくて、かわいくてしょうがない、大切なわが子
でも 目に見える現実
あの頃の私はただ「なぜそうなったのか」ばかりを考え、
ちゃんと生んであげれなかった、自分を責めて責めまくり
その頃の私は「できないこと」ばかりを数えていました。
無神経な大人たちの言葉や視線、小さなことに傷つき
自分のこころを見ないようにした時期もありました。
「僕が見る限り異常はありません。お母さん
大丈夫です」そう言っていた医師が
数ヵ月後
「こんな悪いと思わなかった、、、」
それは 脳のMRIを見ながら医師がつぶやいた言葉。
新聞にもよく名前がでるある有名な医師
ある総合病院小児科での出来事でした。
その言葉は深くそれはふかく私の心に突き刺さりました。
私は娘を抱っこしてその日どうやって帰ったかわかりません。
その医師のなにげない言葉で 私は生きる気力を無くしました。
何のために生きるのか、
この先どうやって生きていけばよいのか、、
目に入ってくる健常児の成長は こころにとても痛かった そんな時期でした。
初めての子育てと過敏な子ども。
療育と「普通」と言われる子育てとのギャップ
障害を持つ過敏な子どもを抱えての無意味とも思える病院の検査と通院
日々の訓練、先の見えない不安
座らない首、全く動かない手足 未来になかなか希望を見ることができませんでした。
そんななか明るく笑顔でいなければいけない、、
遠くに住む両親に心配はかけたくない、、
私は生きることに疲れ果てていました。
過敏で私しかだめで泣きじゃくる子ども。
体重計に乗るたびに1kgずつ減っていく、、
激やせしていく自分。
ベビーカーを押しながら何度も何度も倒れそうになりました。
でも誰にも助けを求めることができませんでした。
それは過敏で泣いてばかりの私しかダメなこの子を見れる人がいなかったからです。
主人は仕事が忙しく 育児はすべて私でした。
働いていたほうがどれだけ楽だろうか
また働きたい、、、
一日でいいから思いっきり眠ってみたい
ただ何もかも忘れて眠ってしまいたい、、、
その頃 子どもが眠ってからいろんな本を読みあさりました。
この先どうしていったらいいのか何を私はすべきなのか。
答えを模索し続けました。
本を通して、そして偶然のいくつもの出会いがありました。
ひとつひとつの出会いは「必然」だったと思います。
そのなかで私は「本人の気持ちを感じてあげること」
「子どもは親の決して所有物ではなく一人の人間であること」
「そのままを100%として受け入れてあげることの大切さ」
「褒めて育てることの大切さ」を知りました。
私はこころのなかで周りと比べることをやめるよう努力し始めました。
一人として同じ人はいないと気づいたからです。
医師のいう言葉は確かかもしれないけれど
でも人間のいう言葉だからそれが絶対に正しいとは言えない。
未来はわからない
わからないから面白い。
誰が信じてくれなくても ママとしてどんなことがあっても
私だけはいつも味方でいてあげたい、
私だけはあなたの未来を信じてあげたい そう思ったからです。
全く動かない手足、、、
ぐらぐらの首 お座りできない身体、、、
マイナスからのスタートでした。
でも私は信じようと決めました。
植物だって愛情をかけたら美しく咲くのですから
感情のある人間ならばもっともっとこころが通じるはず、、、
愛おしくて涙がこぼれます。
「ごはん食べれたね 上手に食べれたね」
「今日は何回にこにこできたよ」
「ももちゃんはママの大切な大切な宝物だよ、、」
みんなには当たり前の誉めるまでもない
日常生活の中の小さなことを
ひとつひとつ探しては
見つけて誉めることを始めました。
自信をもたせてあげたい、
あなたはあなたのままでいい
そして愛されていることをこころに刻み込んであげたい。
「神様この子は生まれてきてしあわせなのでしょうか」
そう何度も問いかけても
答えがあるわけでもなく、
涙が何度も何度もこぼれました。
私は努力してもどうしょうもないことがあることを
知りました。
人間とはなんて無力なのだろう、、、
「普通であることって?」
「幸せと不幸の違いってなに?」
「生きる意味とは?」
先が見えない いつまで続くか全くわからない
真っ暗な長いトンネルのなかにたしかに私はいたけれど
私は
あなたのために
絶対に自分に負けたくないと思ったのです。
愛おしくて
抱きしめると愛おしくて
ただただ愛おしくて、、、
だいじょうぶ
どんなことがあってもママが守ってあげるから
大丈夫だから、、、
そして時間は
ゆっくりと
ゆっくりと過ぎていきました。
時間は残酷なようでいて
とても人に優しいことを私は知りました。
時の経過とともに私の凝り固まった価値観も
あなたとの歩みの中で
知らず知らずのうちに変わっていきました。
幸せかどうかを決めるのは 周りではなく自分自身の心。
「本人」だということ。
唯一、本人の価値観だという
当たり前のことに気づいたからです。
そして 人の目を気にしておどおどしていた自分。
なんて私は愚かだったのでしょう
ごめんね ももちゃん、、
そんなある日私はたくさんの子どもたちの中で、
あなたのとびきり輝く笑顔を見つけました。
いろんなことをこだわっていたのは私ということに気づいたのです。
子どもたちはそれは楽しく遊んでいたのです。
子どもの世界にはバリアはまるでありませんでした。
そして娘が風邪の時 受診した小さな病院の
ある医師との出会いがその後の私を大きく変えたのです。
「あの、、脳性マヒなんです」
今までそう言い伝えると医師や看護婦の対応が
かわり なぜか 冷たく感じられました。
だからその頃の私は言うのが嫌でした。
でもその先生は違ったのです。
一人の医師が笑顔で私に言いました。
私の心に言ってくれたのです。
「お母さん 僕の父は脳外科でね
僕は子どもの頃からたくさんの素敵な障害を持たれた方を見てきた」
彼は穏やかな口調で
私の目を見て優しく語りかけてくれました。
「障害があるならば
あるからこそ
僕はこの子に健常と言われる人の2倍も3倍も何倍もの
たくさんの経験をさせてあげて欲しいな」
私の心の中で何かがはじけました。
涙がぽろぽろと流れました。
気がつくと
私はできることを数えるようになっていました。
そしていろんな体験をひとつでも多くさせてあげたいと考えるようになりました。
誉めること
そして小さな体験の積み重ねの大切さを知りました。
ちょっとの「できた!」でもあなたの笑顔がはじけました。
段々あなたの笑顔が増えていきました。
私も しあわせを心で感じるようになっていきました。
ゆっくりだけど それは本当にゆっくりだけど
確実に成長している、、
生きている、、
生きていることもあたりまえじゃない
私は小さな小さな成長を見つけては
今度はしあわせで感謝の涙があふれて止まらなくなりました。
生きてるってこんなに幸せなんだね、、
命の尊さを教えてくれたのはあなたです。
振り返るとたくさんの温かな出逢い
そしてあなたは何百倍もの喜びと
「こころに感じる」本当のしあわせを運んできてくれました。
そうです
幸せを感じる感度が大きく変わったのです。
生まれてきてくれて
本当にありがとう
ママはももちゃんのママになれてよかった。
きらきら輝く笑顔
それだけで私はしあわせをこころいっぱいに感じるようになりました。
あなたはこの世でいちばん
愛おしい
いとおしい私の宝物です。
いつまでも
いつまでも
あなたはママの大切な愛する宝物です。
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