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Jul 11, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ペットの歯石について、方々のサイトでも色々な意見が出されてますね。

麻酔のリスクと歯石が原因の病気のリスクはどっちが高い?
大まかにこういう点で様々な意見が出されているように思います。

時々、歯石除去と虫歯治療を混同してらっしゃる方がいますが、これは全く別の処置だと思っていただいたほうが良いですね。
虫歯は虫歯菌と言われる口内細菌が繁殖する事で、歯のエナメル質を溶かしてしまう病気ですが
歯石そのものは病気ではなく生理現象みたいなものです。
犬も猫も人も、およそ物を食べる以上は必ず歯垢がつくわけですが、その歯垢が固まって歯石になると思っていただければ良いと思います。
もっとも、犬や猫では口の中のpHが人間とは違うので虫歯菌が繁殖しにくく、いわゆる虫歯にはなりにくいとされています。


では、歯石がつくとどうなるのか?
歯垢が歯石となって歯にこびりつくと、その歯石と歯垢を温床にして口内細菌が繁殖します。
元々口内細菌はいわゆる雑菌・ばい菌ですから、歯石が触れている歯ぐきの部分に炎症を引き起こします。
歯肉炎の始まりですね。
歯肉炎の程度によっては痛みがあるようですが、ごはんを食べれないほどではありませんし、まだ触らせてもくれます。
さらに歯石がついて、歯全体を覆い隠すようになると、歯石でカバーされてしまった歯ぐきの部分には酸素が行き届かなくなり、嫌気性細菌が繁殖し始めます。
嫌気性細菌はその名前の通り、通気を嫌いますからどんどん歯と歯ぐきの間奥深くに潜っていきます。
こうなると歯と歯ぐきの間にポケット(歯周ポケット)ができて、そこにもさらに歯石がついていきます。
そしてさらに細菌の繁殖と炎症が活発になります。
まだごはんを食べれなくなるほどの痛みはありませんが、触られるのを嫌がります。
しかし表面上は分厚く白味がかった歯石にすっぽりと覆われているため、中にはそれ自体が普通の歯だと勘違いされる飼い主さんもいて、なかなかに気がつきにくい段階です。

歯槽膿漏の始まりです。
歯がぐらぐらしだして物が当たる度に鋭い痛みが走るのでごはんを上手く食べれなくなり、よだれが増えてきます。
口臭が酷くなり、身体を舐めまわす事で身体全体から嫌な臭いがします。
さらに酷くなると顎の骨まで溶け始め、神経などを伝って脳にまで障害を与える事もあります。
また、大量のばい菌や膿が含まれたよだれを四六時中飲み込む事で腎臓や心臓など、様々な臓器に障害を与えるとも言われています。


場合によっては10数年かかる事もあるでしょう。
なので、あまり病院に縁のない子だと、かなりの老齢になって初めてひどい歯槽膿漏になっている事に気がつく事もあります。
ですが、こういった病状はとてもゆっくり進行するので病気に対する危機感は比較的薄いようです。
むしろ歯の痛みでごはんを食べられなくなる事のほうが、ペットにとっても飼い主さんにとっても非常に大きなストレスになります。
歯が完全に浮いてしまっていては薬ではどうにもなりませんから、人間と同じく、根治するには抜歯しかないので当然麻酔をかける事になりますが、当然ながら、痛くてごはんを食べられなくなる頃には相当に歳をとっているので、麻酔のリスクも格段に高くなってしまいます。

私達人間も、歯のケアの重要性はよく判っていますから、歯のトラブルがある場合は迷わず歯科医にかかりますね。
ペットも歯のケアの重要性は同じです。
「昔は歯石なんかとらなかった」とおっしゃる方もいますが、その頃は人間も歯の治療を今のように積極的にやってはいませんでした。
歯のトラブルとケアの重要性の増加は食生活の変化に大いに関係があるのですが、人間と同じ生活習慣を送り、同じように食生活が変化してきたペットにとっても、全く同じ事なんです。
しかし、実際に歯の治療をする場合、人間なら「はい、口を大きく開けて」と言えばおとなしく開けていてくれますが、ペットの場合はそうはいきませんから、処置をする獣医師もペットも、無麻酔の治療には大きな危険とストレスがかかる事になります。
なので局所麻酔では不十分な事が多く、全身麻酔を施すしかないわけですね。
一方では、もともと病気の進行が10年とか、そういう長いスパンの話なので極論すれば「歯石があったくらいで明日死ぬ事はない」と言う事になりますから、ペットの歯の治療にはほとんどのケースでリスクの高い全身麻酔を使うしかない以上、どちらを優先すべきか?という疑問が生まれるんだと思います。

ですが歯の治療をどうこう論じる前に、もっと大切な事があります。
人間でも当たり前の事ですが、歯のトラブルは予防が一番大切なんですね。
人間はこの予防に対する意識が定着してきていますから、ペットとは全く違う意味で一生歯医者にかからない方も大勢いらっしゃいます。
ペットも同じで、意図しているかどうかに関わらず、歯石が付かないように気をつけていれば、虫歯がない分人間よりも予防しやすいんじゃないかと思います。
ただし、この子達は自分で歯を磨く事はありませんから、飼い主さんが歯石予防を意識してあげる必要がありますね。

今は歯石が付きにくいペットフードや専用の歯ブラシなど、様々なアイテムが売り出されています。
ですが私は、うちの犬にもそういったものは使っていませんし、病院でも勧めたことはありません。
もう一度言いますが、歯石は歯垢が固まったもので、一度固まった歯石を取るのは大変ですが、歯垢の段階ならタオルやティッシュペーパーなどでだいたいは簡単に拭い取る事ができます。
テル(うちの犬)はラブラドール(大型犬)なので、小型犬とはちょっと勝手が違いますが、どの家庭にもある普通のタオルを真ん中くらいで1~2回硬結びしたものを使って「綱引き」遊びをしています。
口を使った遊びを叱られる事なく思いっきりできるのは、犬にとってもストレスの発散にとても良いと(私は)思ってますし、タオルを噛む事で歯についた歯垢を自然に拭い取る事ができます。
汚れてきたら結び目を解いて洗濯機で洗うだけですしね。
ただし、綱引き遊びをしていると段々と興奮してくるので、やりすぎるとかなり「やんちゃ」な子になってしまうかも知れません。
そこで、ちょっと興奮してきたなと思ったら一旦タオルを手放して、give(日本語だと「ちょうだい」?)と手を差し出し、テル自らタオルを渡すように促します。
きちんと渡してくれたら頭を撫でながら「よし!」としばらく思いっきり誉めてあげます。
そうやって少し興奮を冷ましてからもう一度綱引きを再開しますが、その日の気分でこれを何度か繰り返す事もあります。
また、綱引きに限らず歯の手入れは毎日しなければいけない、と言うものではなく、せいぜい週に1回か2回で十分です。

理想は、まだ仔犬・仔猫の時から、普段から口の中を触るように、触らせるように馴らしておく事も必要です。
小さい頃なら、特に仔犬だと必ずといって良いほど甘噛みしてくると思いますが、その時に歯の1本1本を触るくらい徹底的に口の中をいじってあげると甘噛みの矯正も期待できますし、お利口に触らせてくれた時は必ず誉めるようにすると良いでしょう。
そうしていつも口の中をチェックできるようになれば、それ自体が歯周病の予防にも繋がります。

小型犬や猫の歯磨きでも、私はタオルを使います。
少し湿らせたタオルの端で人差し指を包むようにして、頬と歯ぐきの間にその指を差し込んで歯ぐきをマッサージする感じでやると、大きく口を開けさせるよりも抵抗なく歯磨きできます。
また、歯ブラシなどと違って飼い主さんの指だとガリガリ噛む事もないですし(飼い主さんとその子の関係にもよりますが・・)、力加減も自在なので歯ぐきを痛める事もありません。
慣れないうちは、子供用歯磨き粉(バナナ味を好む子が多いようです)をほんの少しタオルにつけて磨いてあげると、美味しい味もするので喜ぶ子も多いです。
ただし、猫の場合は歯磨き粉は逆に嫌う子が多いので、何もつけない方がいいですね。
また、猫の場合は正面から向き合うのではなく後ろから頭を包み込むようにして、頭や顔を他の指や手の平で撫でながら人差し指だけでそっと歯ぐきをマッサージしてあげると、わりと嫌がらずにさせてくれます。
(ちょっとでもしつこいと思ったらガブッときますけど・・)

なかなか歯磨きができないなら、普段の食事やおやつで硬いものを与えて食べる事で歯磨きをさせるしかないでしょう。
例えば骨付きの肉とか骨そのものとか、大き目のドライフード(トリーツ)とか。
犬のおやつとして売られているレトルトの豚の骨などは、ものすごく柔らかくてボロボロと崩れてしまうものがありますが、そういう骨では歯磨きになりません。
また、魚の骨も当然与えないようにしましょう。
以前、魚の骨が食道にささって化膿した猫が来て、大手術になった事があります。

私は、歯周病が酷い子には、その子の全身状態や年齢次第ですが全身麻酔下での処置をお勧めする事も当然あります。
ですがそれ以上に、二度と歯石が付かないように、一度たりとも歯石除去などの歯科処置をしなくて済むように普段からの予防をお勧めしています。





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Last updated  Jul 11, 2005 07:25:42 PM
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