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Sep 11, 2007
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カテゴリ: 病院でのできごと

ようやく20日目に突入ですこんにちは。

今朝、長いことリンパ腫と戦ってきた子が亡くなりました。

11歳の猫で、腫瘍が発覚したのがちょうど1年前。

複数回の摘出手術と抗癌治療を繰り返しながら、

リンパ腫に侵される前からの持病だった糖尿病とも戦いながら、

一度は眼底に腫瘍ができて失明しかけながらそれを克服し、 

でも最後の3ヶ月は腎臓に転移して腎臓癌にも侵されて、それでも一生懸命頑張りながら、 

今朝ようやく全てから開放されました。

飼い主の老夫婦も、これまで大変甲斐甲斐しくお世話をしてこられましたが、

なんとも間の悪い事に、この子の容態が悪化するのと時期を同じくして、ご主人が肺炎で入院してしまい、最後の10日間は病院でお世話をしていました。

「週末には退院できそうなので、それまでなんとか・・・」

すでに自分ではご飯も食べられなくなっていたその子を預かって、早速集中治療を開始して、数日後にはものすごい勢いでご飯を食べてくれるまで回復しました。

毎日面会に来られていた奥様はもちろん、時折病院を抜け出して面会されていたご主人も喜んでくださいました。 

しかし、お約束だった土曜日、病院を抜け出したりして無理が祟ったのか、ご主人の容態もまだ完全ではなく、退院が今日まで延びてしまう事になって・・・

土曜日を境にその子の容態が再び悪化していきました。

昨日にはもう、ずっと寝たきりでしたが、それでも口元にご飯を持っていくと自分からほおばってくれて。

ですがもう、体中のエネルギーというか命を使い果たしているようで、ほおばったものを長い時間かけて一生懸命飲み込んで、その後疲れてまた寝てしまうその姿に、ご飯を食べさせる事すら躊躇われるほどでした。

これまでずっと問題だった腎不全・糖尿病・異常に高い白血球値、昨日の朝の最後の血液検査ではそれらの全てが正常値というか、うんと下がってしまって、私には例えるなら機械がシステムダウンしたような、身体のあらゆる機能が運転を停止していくような印象を受けました。

「お父さんが迎えに来るまで、あと数時間だよ」

と声をかけつつ、私はこれまで獣医師をやってきて初めて、消え入る蝋燭のように、本当に少しずつ命が減っていくという感覚を受けた気がします。

なんの発作もなく、身動ぎして痛みを訴える事もなく、呼べば少し頭をもたげて返事をしてくれて、そのもたげる頭の高さが呼ぶ度に低くなっていき・・・

彼の死は、ほんとうにいつのまにか向こう側へ行ってしまった。

そういう印象を受けました。

「ああしておけば良かった」「これを試してみれば」といった後悔は不思議とありません。

ですが残念なのは、最後を彼の家で過ごさせてあげられなかった事と本当に可愛がっておられたご夫婦の腕に委ねてあげられなかった事。

もうすぐ、お父さんとお母さんが迎えにきます。

私は今日非番ですが、お二人に彼の最後の様子を伝えなければなりません。






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Last updated  Sep 11, 2007 10:58:05 AM
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私にもあります  
maria9071  さん
消え入る蝋燭のように、本当に少しずつ命が減っていくという感覚を受けた感じ。クロノスケちゃんの時もキナコちゃんの時も少しずつ少しずつ意識が遠のいて眠るように亡くなっていく。その子たちを見守りながら最後にお疲れ様、楽になれたね会えてよかったと伝える  淋しさはあるけど悔いはないかな・・・

お疲れ様でした。 (Sep 11, 2007 05:18:28 PM)

Re:病院日誌20日目(09/11)  
Gris Gris  さん
親しい人や動物が死ぬのはどんなときでも辛いものですが、Yasichiさんがあまり後悔がなかったのなら、せめてもの救いですね。
私は昨年茶トラのレオをFIPで亡くしました。
FIPだとやれることもあまりなく、私はいろいろと未だにやれることが他にもあったんじゃないかと思うことばかりです。
最後の方は強制給餌をしていたのですが、亡くなる日の朝もしていて、もうレオは死ぬのをわかっていて食べたくはなかったんじゃないか、無理やりなんて食べさせない方がよかったんじゃないか、とも思います。
せめて、元気なころや亡くなる前日にも、幸せそうなとろけるような顔をしてくれたのが、救いでした。
今はFIPは治療といえる治療法はないけれど、どうにかして奇跡が起こってほしかったです。
あーいろいろ思い出してしまいました。
暗い話にしてしまってごめんなさい。
(Sep 11, 2007 10:32:55 PM)

Re:病院日誌20日目(09/11)  
ゆきもなか  さん
悲しいです。うるうるきてしまいました;;
必ず死だけは訪れるんですよね。
どんな命であろうといつか必ず。決して逃れることはない。
頑張って頑張って力の限り生きて静かに散っていく死に様はとても素敵です。
でも残されたものにはやっぱり悲しいです。

こうして日々、命と向き合う職業は、喜びも悲しみも特別なのかもしれないなーって思います。
この後、お二人と猫ちゃんをお見送りしたのでしょうか。最後までお疲れ様でした。
(Sep 13, 2007 11:23:35 PM)

Re:私にもあります(09/11)  
Yasichi  さん
maria9071さん
-----
訪問ありがとうございます。
お返事遅くなって申し訳ありません。
あれから、同じ方が飼っている他の子の診察の時にまた、ご主人と私と二人でしみじみと、彼の事を振り返ったりしてました。

(Sep 16, 2007 11:11:26 PM)

Re[1]:病院日誌20日目(09/11)  
Yasichi  さん
Gris Grisさん
-----
訪問ありがとうございます。
お返事遅くなって申し訳ありません。

FIPは、ひとたび発症してしまうと不治の病と言われてますね。
でも一昔前までなら、検査で陽性が出た時点で諦めてしまった病気でしたが、今ならいかに発症させないか、感染はしていても発症させない治療法が研究されています。
さらにごく一部ではありますが、発症後も状態を良好に維持できる例も出てきています。
私自身、過去に紹介した「FIPウィルス性脳脊髄炎」と診断・治療した子がいますが、もうすぐ1年になりますが今も元気です。
これは未だレアケースではありますが、
いずれ普遍的な治療法・予防法も見つかるでしょう。
少しずつ、確実に獣医学も進歩しています。

ただ、レオちゃんには間に合わなかった事は、とても残念ですが。。。

>せめて、元気なころや亡くなる前日にも、幸せそうなとろけるような顔をしてくれたのが、救いでした。
レオちゃんはきっと、貴方に幸せだったよと、良い思い出を残したかったのでしょう。
お互いガンバ!です。
(Sep 16, 2007 11:24:20 PM)

Re[1]:病院日誌20日目(09/11)  
Yasichi  さん
ゆきもなかさん
-----
訪問ありがとうございます。
お返事遅くなって申し訳ありません。

およそ終末医療と言われる類の行為には、悲しい結末しかありません。
そして多くの場合、我々人間よりも彼らの命の方が短命に終わります。
だからこそ、私の役目は如何に飼い主さんに後々まで納得できる治療を提供できるか、に集約されると思ってます。
それは新しい治療法を積極的に試す事でもあり、無理に治療しないという選択でもあり、ほんの僅かでもその子が苦しがったりしないように心を配る事でもあり。
時には飼い主さんもその子もお互いに苦しまざるを得ない時、敢えて飼い主さんの代わりに最後の決断を促す事でもあります。
いずれの選択にせよ、常に飼い主さんに全ての情報と選択権を提供し続ける事。
その中で最善を尽くし、尽くさせる事。
言葉にするのは簡単ですが、そうした事を実行していく事の難しさを自覚しつつ、恐らくは生涯、理想の道を模索していくのでしょう。

ちょっと恰好つけてみました。
(Sep 16, 2007 11:36:25 PM)

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