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2007.02.21

一年前から寝たきりになってしまったという７歳のジャーマンシェパード。
ひどい褥瘡（床ずれ）で１ヶ月前に入院治療をしました。

その後、退院し自宅でケアをしていたのですが、３日前から食欲がなく、
翌日には目が揺れているという事で来院。毎日治療に通う事になりました。
しかし、今日の治療には飼い主さんだけが来院。
聞くと、今朝起きたら亡くなっていたのだそうです。

大型犬が寝たきりになると、飼い主さんも介護するのは大変なので
安楽死を選択する方もいますが、このシェパードの飼い主さんは
最後まで出来る限りの介護をされました。

間際に来院されるので、おそらくお仕事を終えてすぐに犬を迎えに帰り
病院に来院されていたのだと思います。

愛犬への接し方を見ていると、とても可愛がっている事は分かりました。

愛犬の死亡を先生に報告し終えた後、私たち看護士がいる医局に向って
「どうもありがとうございました。お世話になりました。」
はっきりとした口調で言うと、深々と頭を下げて行かれました。
飼い主さんが気になって、見送りに行こうと出口へ急ぐと
ドアの外で涙をぬぐう後姿が見えました。
私は外に出るのを止め、その場で頭を下げました。

愛犬との関係を話したりする事がなくても、飼い主さんの様子を見ていると
分かる場合もあります。
今日はこの飼い主さんと愛犬との７年間の絆が見えた気がしました。
きっとこの愛犬も幸せな旅立ちだったのではないでしょうか。

人と動物との温かな関係に触れた時、この仕事をしていて良かったと思います。

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