ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 20, 2008
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「人生いろいろ」

先月、初見で弾くはめになって赤っ恥をかいた 因縁の曲。今回は一応はさらって臨んだら、曲の印象が全然違った。メンデルスゾーンのカルテットを代表する曲と言っても過言ではない。ベートーベンで言うところのラズモフスキー的な位置づけ? 技術的にも精神的にも鍛えられる難曲。
 Vn1 自分、Vn2 ピーター、Va ジム、Vc ボブ。

 なんてったって、1楽章と4楽章がド派手。華やかで前向き。すごく交響的。ニ長調だし、レとかラとかの音、さらにはその倍音を共鳴させまくって、十人ぐらいで弾いてるような嬉しい錯覚に陥る。
 コ難しいアルペジオにもたついてしまうものの、チェロのボブに心地よくあおってもらいながら、強引に速めのテンポで練習した。
 両楽章に共通した音型が出てきて、冷静に分析しながら弾くと面白そう。ただ、そんな余裕などないほど忙しい。臨時記号も手ごわい。

 一般にこのテの派手な曲って、そのうち飽きられてしまうもの。でも、盛り上がったかと思うと、ふいにもの哀しい風が吹いたりして、浮き沈みの激しい世の中、人生楽ありゃ苦もあるさとほのめかしてるようでもあり、実は奥深い曲であり。

 中間の楽章もスゴい。2楽章メヌエットは、全体に幸福感に溢れているのに、トリオ部で一瞬だけ内面的な憂いを漂わせるとこが萌え場。


 ちなみにこの楽章、僕が考えてたテンポで弾こうとしたら、すかさず「そんなの遅すぎるよ」とみんなから苦情が出た。

 いつも思う。こういう曲を弾くとき、僕は遅く弾きたがる傾向があるみたい。今日も、ほかの三人(こてこてのアメリカ人さん)は淡白派。前向きに弾こうとのたまう。
 考えすぎかもしれないけど、これって文化の壁? 昭和歌謡で育ったワタクシといたしましては、こういう曲には阿久悠さんあたりにしっとりとした詞を乗せていただきたくなるわけで。

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 ま、ma con moto とはあるけれど。





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最終更新日  Jul 23, 2008 08:22:24 AM
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