ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 29, 2009
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カテゴリ: 映画、テレビ
「欲しがりません勝つまでは」

 あんまり評価されてない映画らしいけれども、プチ法廷ものということで期待してDVDを借りた。

Flash_of_genius.jpg日本でもDVD化される(された)らしい

内容

 自分が発明し特許を持っていたはずの部品を大手自動車メーカーに盗用されたため、ついに訴訟に踏み切る男の物語(実話)。

 高額の和解金を用意し、示談で決着をつけようとするメーカー側に対し、男はあくまで、自分の発明品であることを公認し謝罪してもらうまで妥協しない。
 家族や友人の賛同もなかなか得られないまま、男はとことん裁判で闘おうとする。


感想

 示談金というかたちで安易に決着をつけることを頑なに拒否する男を、どこまで客観的に観てられるか、あるいは感情移入できるかにかかってる作品。
 登場人物のなかには敵なのか味方なのかはっきりしないキャラもあって、それも裏を返せば、映画を観てる我々もまた混乱せざるを得ないということであり。世の中の理想と現実、主張と妥協、真実と虚構のあいだでどこに自分を置くべきか。

 原題はFlash of Genius。なんともわかりづらい題名だけど、邦題「幸せのきずな」はもっとわかんない。この映画は、あんまり家族愛とか友情とかに焦点を当てすぎずに、裁判の展開を適宜じっくりと見せていく。お涙ちょうだい系の演出にこだわりすぎてない。そのあたりの均衡はとれていたと思う。

 それに、主役を大物俳優に熱演させるのではなく、どちらかというと助演系の役者(グレッグ・キニア)を起用したこともなんとなくうなづける。今までこつこつ働いてきたフツーの男が、自分の仕事への誇りだけを胸に大企業を相手に孤軍奮闘する話なわけだし。

 アラン・アルダが弁護士役で怪演。出演場面こそ少ないものの、この人すんごい役者。

 ちなみに、訴えられる大手の自動車メーカーも実名のまま出てくる。デトロイトからの圧力はなかったのかとマジで気になった。





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最終更新日  Dec 30, 2009 08:10:54 PM
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