ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

May 4, 2025
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 六回の稽古のあと、全部で十一回の本番が無事に終了しました。

 この「雨に唄えば」は1952年の映画版がまず有名だし、1983年のブロードウェイ版以降何度か再演、改訂されている演目。てか、ぼくらの使った譜面は手書きのものでした。記譜の間違いも多々あって疲れました。

 それもあって、稽古が始まる前はなんか古くさいミュージカルだなと感じておりました。ぶっちゃけ物語的には起承転結が弱いし、全般にしょーもない内容のドタバタ喜劇という印象しかなく、入念に予習する気がおきないまま合わせに臨んだのですが、すぐに反省。音楽的に弾き甲斐があるし、演出や演技次第ではかなりゲラゲラ笑える作品であることに気づきました。

 そして蓋を開けてみると公演の切符は完売、連日満員御礼。事務局のおじさんも驚いていらっしゃいました。切符の売れ具合は数年前に当団が上演した「サウンドオブミュージック」を凌ぐ好調ぶりだったそうです。やはり老若男女が安心して楽しめる作品は強いのであります。

 ぼくらバイオリンに関しては、難所もあるものの基本的には楽しく弾ける曲ばかりで、緊張することもなくガン弾きできて実においしい。「Fit as a Fiddle」というバイオリンが激しく目立つ曲もあります。

 ほかにも特筆すべき楽曲はいくつもあって、とにかく編曲が上手い。旧き良きハリウッド系のきらびやかで粋な音楽。タップダンスの場面も多く、よってノリノリ。

 肝心の標題曲「雨に唄えば」は第一幕の終曲としてまず主人公が雨のなか独唱、そして第二幕の最後の最後で全員で大合唱。
 降雨の場面は演出家/舞台美術家の腕の見せどころ。ぼくらのほうにも水滴が舞ってこないよう、オケピットは巨大な布で覆われました。


 こうゆう感覚を味わうのは久しぶりです。演目や劇団、楽団に恵まれたというのもあるし、やはり連日満員だったのいうのも大きい。

 総合演出はアンさん、音楽監督はナンシーさん、ピット指揮はダグさんでした。





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最終更新日  May 6, 2025 07:22:13 AM
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