I love Salzburg

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2013.03.15
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カテゴリ: 愛犬たちの記録
うちの母が詐欺に遭った。


といっても、私が途中で気付いたので被害に遭うことはなかったが。


以下、母から聞いた話。

3日前の夕方のことだ。 電話が鳴る。
「突然、申し訳ございません。
日立新生ゴールドの木村 と申しますが、そちらに、 黄色い封筒 は届いてませんか?」

母   「届いてませんけど。」
木村   「もし届いたら、その封筒を捨てずに置いていてくださいませんか。 その中身が大切で、色んなお宅にお願いしているんです。 そして届いたら、今から言う番号に電話してくれませんか?
06-6210-6211 です。」
母   「分かりました。」


そして、昨日。 封筒が届く。
母は木村という人物に電話せず、そのまま放っておいたと言う。


そして、夜。

木村   「先日 お願いした封筒ですが、もう届きましたか?」
母   「ああ、届いてますけど。」
木村   「ちょっと中を見てもらえますか? その中にある 申込用紙 が当方に必要なので、明日の午前中に顧問弁護士を連れて貰いに伺っても宜しいでしょうか?」
母   「別にかまいませんけど。」
木村   「それと、もう一つお願いがあって、どうしても、 今日中にその申込予約が必要 なので、 先に電話予約 だけして戴きたいのですが。」

母は愚かにも木村という人物の言う通り、その封筒の送り主、 金鉱山投資ファンド の会社に電話をし、予約する。
しかも、自分の名前で。
電話番号は、03-5962-9951

電話の相手は、 新生ゴールド株式会社の山下 という人物。
山下  :  「それでは、このご予約は日にちが経つとキャンセルできなくなるので、ご注意ください。」


そして、今朝だ。 日立の木村から電話があった。

木村   「今日 お伺いに参る予定だったのですが、顧問弁護士が脳梗塞で倒れてしまって、すぐに伺うことができなくなりました。」
母   「では、もうこの話はなかったことにしませんか?」
木村   「いやいや、それでは当方も困ります。 そう仰らずに。」
母   「いいえ、もうやめにしましょう。 私も昨晩から気になって嫌ですし。」


ここで、その木村からの電話で変に動揺している母に、私が気付いた。

電話を切った後、「何の話?」と聞いてみた。
だが、母は言葉を濁して話そうとしない。

しかし、私がキツイ口調で問い詰めると、黄色い封筒を持って来た。
それだけなら、ふ~んと流して終わったかもしれないが、何故かその封筒の宛名の部分と消印が押された切手部分が切り取られていた。
それは、どうやら何かあった時の為に証拠を残そうと切り取ったらしいが。

私   「なんで、ここを切ったの?」
母の返事からは、その場だけ言い逃れればいいという感じが見えた。
私は再び問いただす。

それでも、母は言葉を濁す。

そして、母は席を立ち、別の部屋から電話をかけ始めた。


私はもう一つの電話で、内容を盗聴することにした。

山下   「ですから、先日お話したように、これはキャンセルできないんですよ。  今日中に800万円入金 していただかないと、請求書を送らせてもらいますよ。」
母   「では、その話は日立の木村さんとしてください。 私はお金持ってませんし。」
山下   「それなら、木村さんにそう言って戴けますか?」

胡散臭い、私は思った。


母は木村に電話する。

木村   「そう言われても、顧問弁護士さんの印鑑がないとお金下ろせないんですよ。 せめて、18日の月曜日にしてもらえませんかね。」
母   「じゃあ、直接 木村さんから山下さんに電話してもらえませんか?」
木村   「それをしたら、僕が会社を首になります。 電話の取り次ぎだけでもしてくださいよ。」
母   「そう言われても困ります。 じゃあ、木村さん個人からということで電話してくださいよ。」
木村   しぶしぶ、、、「分かりました。 では、とりあえず、僕の携帯から掛けますけど、待てないと言われたらどうしたらいいですか?」
母   「そんなこと言われても、こちらが善意でしたことがこうなるんですから、木村さんがなんとかしてください。」

一旦、木村との電話を切る。


5分後、山下からの電話。

山下   「木村さんに支払うよう電話されたそうですね。 ですが、予約したのは あなたのお名前ですよね。 そして、言いましたよね、キャンセルはできませんと!
それに、 予約の電話は全て録音 してますよ。」

動揺しきっていた母は、必死で言いわけを始めた。

山下   「色んなこと仰ってますけど、一言も「迷惑をおかけして、すみませんでした」という言葉がないですよね。」
母   「「すみません」と言えばいいのなら、言いますよ。」


ここで、今だ!と思った。 それまで黙って聞いていた私が、二人の話に分け入った。 


私   「謝る必要はない! これは、詐欺だ!!! 間違いない、詐欺だ!」

山下   「詐欺じゃないです。 あなた、誰です?」

私   「名乗る必要はない。 詐欺だ!」

その時、クリスが鳴いた。

山下   「後ろで鳴いてるのは犬ですか?」

私   「関係ない!  詐欺だ!

山下   「犬が鳴いてるんですか?」

母   「鳴いてません。」

山下   「じゃぁ、あの鳴き声は何ですか?」


ここで、電話を切った。

その後、消費者センターと警察に連絡。


まあ、予約したといっても契約をかわしたわけではないし、申込用紙に記入したわけでもない。
こちらの口座番号を知られているわけでもないので、消費者センターも警察からも、以後 その電話を無視するようにと言われた。

「ひと月前にも同じ内容の被害があったのですよ」と、警察の方。

もしも家まで押し掛けてきた場合は、110番通報してください。


後で私が調べると、 新生ゴールド株式会社という名の会社は、パンフレットに記載されてる住所「 東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門MTビル 7F 」には 存在しない

日立新生ゴールドという会社も、改めて非通知で電話すると、「日立メディカルです」と出て来た。
そして鎌をかけてみると、「うちは法人担当だ」とも言っていた。
「個人宅に電話することはないですね」と言う私の問いかけにも、はっきり「ない」と答えた。



正直、「詐欺だ!」と電話口で叫んだ時、少しだけ不安もあった。
だが、その時 鳴いたクリスのおかげで、はっきり詐欺だと断定できた。

真面目な取引なら、「詐欺だ!」と叫ばれても、後ろで犬が鳴こうが無視するだろう。
いきなり「詐欺だ!」と叫ばれて、相手も一瞬動揺を隠せなかったに違いない。

ま、こんな詐欺まがい、ひっかかるのは うちの母くらいなもんだろうが、

こうやって、年寄りは騙されるのだ。

ちなみに、母は満79歳になったところ。


数時間後、山下と名乗る男から再び電話があった。

「キャンセルできましたからね~。 木村さんが支払ってくれましたからね~。」


圧力ある無言の私に、小さな声でそう繰り返した。


耳元で、しかも大声で「詐欺だ!」と叫ばれたのがキツかったのか、、、
情けない男だ!恥を知れ! と思った。

ちなみに、新生ゴールドのパンフレットの最後には、こう書かれている。
「弊社は利益分配として世界の復興支援活動に参加しています。」
まさに、 へそで茶を沸かす とは、こういうことだ!



とにかく、今日のお手柄は、なんといっても わが愛犬・クリス。
おかげで、強気で「詐欺だ!!!!!」と連呼できたもの。


Picture030713_115111.jpg

騒動の後、ぼそっと母。 「 picchukoが一番怖かった。。。 」 





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Last updated  2013.03.18 05:20:16
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