2005.11.21
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テーマ: 海外生活(7776)
カテゴリ: ご近所物語
はううううう。。。。。予想外だった。

あ、でもコックさんいわく、考古学者の義妹さんはすぐにエジプトに旅立つらしいので、安心である。ハハハ 違)


先週のある日、前の晩からすっかり携帯電話をONにすることを忘れていたわたしは昼ごろにそれに気づき、慌ててONにした。それと同時になだれのように次々とその日の午前中の着信しそこねたナンバーが飛び込んでくる。
全ておっとからだった。


いったい何があったんだろう??事故? 息が苦しくなった。


急いでおっとに電話をする。
わたし「どうしたの?何があったの!?」

おっと「金曜日、ステファノ(思いっきり仮名)とピザを食べに行こうよ!」



ステファノ(思いっきり仮名)とは我が社のレセプションのマリーナの前に働いていた同僚サラ(これも思いっきり仮名)の兄である。
サラが会社を辞めてちょっとは、兄弟ぐるみで時々遭ったりしていたのだが、わたしは田舎に引っ越したこともあり、最近ご無沙汰になっていた。しかしおっとは仕事でステファノの勤めている会社にもよく行くので、彼らの仲はずっと続いていたのだ。

しかし、この電話越しに伝わってくるおっとの声の弾みよう、何かが普通と違う。第一、こんなことぐらいでおっとも何回も電話はかけてこない。(←究極の節約生活推進中)

おっと「あのね、ステファノ、日本人の女の子を連れてくるってさっ!!」

わたし「え!?」 とたんにわたしの声も弾んできた。「そ、それってステファノの新しい彼女!?」 ←野次馬
おっと「それがわからないんだよ~。最近、この日本人の女の子とよく出歩くようになった、って言ってるだけだし。。。」


うわ~。。。。
これはわたしの中でかなりスキャンダルな事件だった。
ステファノは役所関係に勤める、地味でまじめなちょっと頭が固そうな、北イタリア人、というかミラノ人の典型的なタイプである。

日本、といえばアニメぐらいしかわからない「イタリアが世界一」で外の世界を見ないような男が「日本人の彼女 (←もう決め付けている) 」だって???


わたしは冷静になるように勤めながら顔がにやけるのが止まらず「で、サラと旦那さんも来るの?」と聞く。



わたし「そう。。。」と寂しいような、ちょっとホッとしたような気分になった。
なぜならサラは前記の兄よりも典型的で日本食など論外、ピザでもあれこれとうんちくをたれてうるさいのである。

さっそくこの日、家に帰ってコックさんに話した。

何も知らない(?)コックさんは大喜びである。
食べるところはコックさんのたっての希望でピッツエリアに決まった。(イタリアに来てすぐ日本食もねえ。。)


待ち合わせのブエノスアイレス通りのマクドの前に行ってステファノを探すがいない。おっとが「あ、あれ、ステファノのクルマだ。」というのでそのクルマに近づくとクルマの中で抱き合い、ぶっちゅ~っ!!とキスをしあっているカップルを発見!!

。。。これってやっぱり、思いっきり 「彼女」 やん!!

何か、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、そんなお取り込み最中をお邪魔するのもなんなので、ちょっと離れて彼の携帯に電話した。
そしておそるおそる様子を伺っていると、やっと髪をちょっと乱した2人がクルマの中から何事もなかったように出てきたのである。

「はじめまして。」と日本語でわたしに挨拶する彼女にわたしは絶句した。


うわ~。。。。。。


めちゃめちゃ上等そうな白いコートを身にまとい、プラダ?グッチ?? (←ブランド全然知らん) の豹柄みたいな柄の入ったミニバッグを肩からさりげなくかけた彼女は、全身から色気をムンムン発している。
厚ぼったい唇、ちょっとたれ目の大きな瞳。しかし、その色気は濃厚だが、上品で、なんだか別の世界の女性を映画のスクリーンを通して見ている様な錯覚を起こさせた。

コックさんもおじけづいたのか(?)、急に無口になった。

そして再びそれぞれのクルマに乗り、待ち合わせたマクドも繁華街なのだが、別の繁華街のピッツエリアに行くことに。なぜなら、急遽、妹サラ夫婦も来ることになって、もうピッツエリアで待っているからである。汗


おっととわたし「。。。。なんか、すごいね。」


そしてわたしがいつも田舎往き電車に乗る始発駅、ポルタガリバルデイ駅前のおしゃれなピッツエリアに到着した。
中に入るとサラ夫婦が全員のテーブルを取って待っていてくれたので、各々コートを脱いで着席した。
ステファノの彼女 (←もう決め付けている。) はステファノに手伝ってもらって身をくねらせながらコートを脱ぐと、思いっきりVネックの短い花柄のワンピースの胸から、こぼれるような、ぜったい豊胸手術ではなく、ほんまもんの真っ白な谷間が押しつぶされた2つの大福餅のように出てきた。
これには、女のわたしでも釘付けになり、鼻血が出そうになった!!


はあはあはあ。。。。。。


わたしはなるべく谷間に目をやらないように心がけながら、「ミラノで何をしているの?」と聞く。

彼女は身をくねらせながらとろんとした瞳でわたしを見つめて「学生なの。」と言う。
彼女の厚ぼったい唇の動きに心臓がバクバク鳴る。

わたしは「へ、へえ。。。。その割にはすごくイタリア語がうまいね。もう長いの?」

彼女「ううん、今回は3ヶ月だけ。でも、もう20回以上イタリアに来てるから。」

あ、あうあう。。そんな目で見つめながら答えないで!気がおかしくなりそうだ!!! あ、ところで、げ?へえ~、20回??

彼女「わたしね、いつも1年のうちの3ヶ月はミラノ、3ヶ月は上海、3ヶ月はロンドン、あとの6ヶ月 (←ど~ゆ~計算してるんだ??) を日本で過ごしているのよ。」

わたし「へえ~、それはすごいね!スチュワーデスさん、もしかして??」

彼女「ううん、わたし働いてはいないの。」と意味ありげにまたもやわたしを見つめる。


えええええ~~~っと。。。 (しどろもどろ) あ、じゃあきっと家族がすごいお金持ちなんだな。いいなあ、わたしもそんな身分になりたいよ。

そんな中で3人も日本人が揃ったのだから、当然日本の話題となった。
ステファノはクリスマスからお正月にかけて、上海と日本を彼女と旅行することに決めたらしい。
この堅物男にはものすんごい進歩である。
しかし哀しいかな、彼は妹夫婦と一緒に知っている限りの日本の話題に振るのだが、それは全てアニメの話。。。。汗

彼女は「え~、知らない。」「ん~、わからない。」の連発である。
こんなカップルを見ていると、なんで付き合っているのか、訳がわからなくなってくる。
しかし、2人は話をしながらず~~~~~~~~~っと、手を握り合い、ひざをさすり合いながら、見詰め合っているのだ。

見かねて日本旅行経験者のおっとが助け舟を出した。
おっと「日本の温泉に裸で入る勇気、ある?」 ←下品な話題。。。

ステファノ「それが日本の習慣ならチャレンジしたいねえ。」

おっと「ぼくね、腕にちょっとタトゥ(刺青)をいれたいんだけど、いくきーとが「そんなことしたら、日本で温泉に入れなくなるからやめて。」って言うんだよね。」

すると、今までとろんとしていて、ステファノ兄妹の退屈な話に付いて行ってなかった彼女が「大丈夫、そんなことないわよ。腕1本ぐらいの刺青は入れるわよ!」ときっぱり答えたのだった!


この言葉を聞いてわたしとコックさんは思わず顔を見合わせた。
こ。。。これはたぶん間違いがない。何もしないで、こんな優雅なご遊学が続けていられるなんて、きっと大一家の娘だろう。
「聞かぬが仏」だ。
彼女の身の上に関してはこれ以上、突っ込まないでおこう、と密かに決心を固めたのだった。


全員でパスタだけ頼んだのだが(ここの兄妹はケチだし、わたしたちも極貧、ということもあり)、こじゃれた場所の割には料理はいまいちだった 。(場所がしゃれたところなぞ、所詮こんなものだ。)

もちろんサラは不満そう(←彼女が満足した顔は見たことがない。汗)、コックさんもめくるめく料理天国を期待していただけに何も言わなかったが物足りなさそうだった。彼女は相変わらずとろんとしたポーカーフェースでにこにこしていて感情が読めなかった。

そしてコックさんはまったくイタリア語がわからないのでわたしと彼女で最初はフォローしていたのだが、だんだん飽きてきて放置(わたしは所詮、ニヒルなのである。)状態となった。
コックさんは無言で独りでワインを飲み進めていったおかげで、宴の最後のほうには独りでフンフン鼻歌を歌いだし、帰りのクルマの後部席では若き日、バンドでドラマーをやっていたらしく、ひざで太鼓を叩いて独りで唄ってご機嫌で、そのうち気絶していびきをかいて寝てしまった。

ひさびさに日本の酔っ払いらしい酔っ払いを見たな。




話は戻ってステファノ、クリスマスの日本旅行まで、彼女と続くだろうか?





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Last updated  2005.11.21 19:54:38
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お目目@ Re:イースターいろいろ。(03/31) いくきーとさん、ご無沙汰しております目…
Hinatabocco@ 大丈夫ですか? いくきーとさん、このブログはもうノータ…
Ikukito @ ごめんなさい。 >shion0851さん そ。。そうです。26歳だ…
かつしちー @ おめでと! 色んな偶然があるんですね。 相変わらず…
shion0851 @ そーなんだ 26歳なんですか、そうですか・・・(-_…

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