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守ろう美しい地中海

フランスの真実
La france en vrai




守ろう美しい地中海 (2004年7月)

地中海とは、 南ヨーロッパ・北アフリカ・近東 (西アジア) に囲まれた海のこと。
「地中海」と言えば誰もが美しいエメラルド・グリーンに輝き、いつも穏やかさを保つ様子を思い浮かべ、
古今東西、世界各国の人々を魅了し続ける合言葉。

地中海の外海との接点は唯一、スペインとモロッコの間のジブラルタル海峡。
最も狭いところは幅13.5kmとの地理的環境も手伝って、閉ざされた神秘的な印象があります。

透き通った海水の中を泳ぐ魚たちを見れば、
近年至る所で起こっているタンカー座礁が原因の海水汚染など無関係な楽園のように感じられます。

しかし、pidooの住む近くの浜辺の岩肌にはくっきり数十年前に起きたオイル汚染の跡が残っていますし、
いつも忘れた頃に人災は繰り返されます。

近年ではモナコの水族館から捨てられた南国にのみ生息する海草が異常な成長をとげ、
地中海の生態系に変化をもたらしています。

その他、プライベートシップから排出されるオイルや海水浴客の日焼け止めも海水汚染のみにとどまらず、
風にのったオイルが砂浜の粘着質の松の木たちに付着し、次々と枯れてしまう現象も…。

さて、地中海沿岸にバカンスに来たら、食事は勿論新鮮な海の幸といきたいところですが、
一昔前魚を獲り過ぎたツケが現在も続いており、前述した閉ざされた地理的環境という理由から、
新たに地中海に入ってくる魚も少なく現在は魚たちが自然の力で増えるのを待っている状態。

同じ理由から潮の満ち干きもほとんどないため貝類も育ちません。

ですから市場で見かけるのはほとんどが大西洋産。
余談ながら、フランスの魚の絞め方は日本と異なり、また南仏への鮮魚輸送ルートも徹底されていないため、
海のないパリ市場のほうが魚の生きが良かったりするので、
南仏に住んでいて自宅でお刺身にしたい魚に出会える機会はごく稀です。

ところで、地中海の水が大西洋よりもしょっぱいってご存知ですか?
ジブラルタルの狭い海峡が海水の出入りを難しくし、年々塩分の割合が増えているそうです。
地中海で海水浴された方で「他の海よりしょっぱい!!」と驚いた方も少なくないはず。

このように一見美しいエメラルド・グリーンの楽園は裏側に多くの問題を抱え、さまざまな取り組みがなされています。

エコロジストでなくても、これらの話を聞いてしまったら、美しい地中海を守っていきたいと思わせられてしまいますよね。


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