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ぽえたりん
私の頭にこびりついた出来事の記録です。忘却へのワルアガキ。
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話のタネ。
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Comments
2014.05.06
カテゴリ： カテゴリ未分類
参照：冠婚葬祭と『礼記』。
http://plaza.rakuten.co.jp/poetarin/diary/201404200000/
今日はお葬式について。
『孟懿子問孝、子曰、無違、樊遅御、子告之曰、孟孫問孝於我、我対曰無違、樊遅曰、何謂也、子曰、生事之以礼、死葬之以礼、祭之以礼。』（『論語』 為政）
→魯の孟懿子が、孔子に孝について尋ねた。先生はこうおっしゃった。『礼に違えぬようにするのです。』また、御者の樊遅にこうおっしゃった。『孟懿殿が私に孝を聞いてきたので「礼に違えぬようにと」と答えたのだ』。樊遅が「どういう意味ですか」と尋ねると、先生は「親が生きている時には礼によって仕え、親の死後には礼に従って葬り、祖先をお祭りする場合にも礼をもってするのだ。」とおっしゃった。
孔子が親への礼について語っている部分です。生きている間も、葬儀の時も、祭祀の対象となった後でも、「礼」というのは親孝行の「孝」という徳目に重点があります。日本の葬儀にある「先祖崇拝」の要素は、仏教式の葬儀が主流の現在においても残っていますね。
『宰我問「三年之喪、期已久矣。君子三年不為禮、禮必壞。三年不為樂、樂必崩。舊穀既沒、新穀既升、鑽燧改火、期可已矣。」子曰「食夫稻、衣夫錦、於女安乎？」曰「安。」「女安則為之。夫君子之居喪、食旨不甘、聞樂不樂、居處不安、故不為也。今女安、則為之。」宰我出。子曰「予之不仁也。子生三年、然後免於父母之懷。夫三年之喪，天下之通喪也。予也、有三年之愛於其父母乎？」』（『論語』陽貨）
→宰我(さいが)が質問した。「服喪が三年とあるのは、一年で十分です。君子が三年も礼を行わないのなら、礼が廃れます。三年も音楽から離れれば、楽が廃れます。一年で穀物は底をつき、新しい実りがもたらされます。火起こしに薪も改まります。一年という区切りで十分です。」子はこうおっしゃった「お前は一年経てば、普通に食事をして、立派な服を着ていられるようになるのか？」宰我が「私はできます。」と答えると、「好きにすればよい。喪中の君子は、食べ物を旨いと思えず、音楽に心が動かず、家にいても落ち着かないものだ。だからそういったことをしないのだ。お前が平気ならば、お前の好きにすればよい。」とおっしゃった。
宰我が退出すると子は、「宰我には思いやりがないな。子供は生まれてから三年の間、父母に抱かれて育つ。だからこそ、喪を三年として天下に通用しているのだ。あいつにだって父母の愛に包まれた三年があったろうに。」とおっしゃった。
参照：Wikipedia 忌引き
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%8C%E5%BC%95
たとえば、『礼記』にはこうあります。
『父母之喪、既虞卒哭、疏食水飲、不食菜果。期而小祥、食菜果。又期而大祥、有醯醬。中月而禫、禫而飲醴酒。始飲酒者先飲醴酒。始食肉者先食乾肉。父母之喪、居倚廬、寢苫枕塊、不說絰帶。齊衰之喪、居堊室、芐翦不納。大功之喪、寢有席、小宝緦麻、床可也。此哀之發於居處者也。』（『禮記』間伝）
→父母の喪で虞祀と哭を終えると、粗食し水を飲み、野菜や果実を食べない。小祥の時期には野菜や果物を食べる。大祥を終えると酢や味噌を口に入れてよい。その一月後の禫では醴酒を飲んでよい。ただし、甘酒を先にして、肉も乾肉を先にする。父母の喪では、喪屋で過ごし、苫で就寝して土を枕とし、麻帯で過ごす。齊衰の喪では茣蓙で就寝し、大功の喪ではむしろを敷いて土間で寢る。小宝と緦麻の喪は床で寝てよい。これは、悲しみの深い順に家族で決める。父母の喪で虞祀と哭を終えれば、喪屋の柱を高くして屋根を切りそろえて良い。小祥では、喪屋から粗末な部屋でむしろの上に寝てよい。さらに一年後大祥では、寝室に入って、禫を終えると寝台で寝てよい。
このうち、「小祥」が死後十二ヶ月、「大祥」が二十四ヶ月後でして、現代日本の葬儀にもある一周忌と三回忌は、この儒教の風習の名残りです。一周忌と三回忌は、他の地域の仏教徒に言っても通用しません。
参照：Wikipedia 年忌
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%9E%E5%BF%8C
この服喪の規定の厳しさゆえに、『礼記』では、最初の方にわざわざ但書まで入れています。
『居喪之禮、毀瘠不形、視聽不衰。升降不由阼階、出入不當門隧。 居喪之禮、頭有創則沐、身有瘍則浴、有疾則飲酒食肉、疾止復初。 不勝喪、乃比於不慈不孝。五十不致毀、六十不毀、七十唯衰麻在身、飲酒食肉、處於內。』（『禮記』曲禮上）
→「喪中の礼」は、骨ばってしまうほどに痩せ細ったり、視力や聴力が衰えるほどまでになってはならない。お堂に上り下りをする場合に、死者が使っていた東側や、門の真ん中を通らないようにする。 「喪中の礼」においては、頭に傷や身体にできものがあればすぐに洗い、病気の場合には、飲酒・肉食をしででも病を治し、恢復してから再び喪に服すればよい。 喪に服することについて無理をして体を損ねてしまうのなら、親に対しての不慈不孝と変わりない。五十歳を超えたら痩せ細るまでせずともよいし、六十歳を超えたら無理をせずともよい。七十歳を超えたら衰麻の服を着ていればよく、屋内で飲酒肉食をしてもよい。
ちなみに、「頭有創則沐、身有瘍則浴（頭に傷があれば沐をして、身体に傷があれば浴をしなさい）」とありますが、「沐浴」というのも、「斎戒」と同じように、儒教・道教共にある行為です。葬式のときに遺族が行うだけでなく、結婚式の時に花嫁さんがしたりすることもあります。
『斉必有明衣、布、斉必変食、居必遷坐。』（『論語』郷党）
→斎戒をする場合には、明衣がある。麻である。斎戒の日の食事は必ず変え、住まいの座席も移しておく。
『陳成子弑簡公。孔子沐浴而朝、告於哀公曰「陳恆弑其君。請討之。」』（『論語』憲問）
→斉の国の陳成子が主君の簡公を殺した。孔子は頭と身体を洗い清めて、哀公に奏上した。「陳公が自らの主君を弑逆しました。どうかかの者を討ってください。」
『論語』においても、「斎戒（斎）」というものがあり、また、孔子が「いざ」というときに、「沐浴」をしたという描写があります。後の『孟子』では「斎戒沐浴」という四字熟語となります。
『孟子曰「西子蒙不潔，則人皆掩鼻而過之。雖有惡人， 齊戒沐浴 ，則可以祀上帝。」』（『孟子』離婁下）
→孟子曰く、「西施のような絶世の美女であっても、汚物をかけられれば人々は鼻をつまんで通り過ぎるだけだ。たとえ悪人であっても、斎戒沐浴すれば、上帝を祀る資格を有する。」
・・・儒家のこういった儀礼を読むと、いわゆる「魏志倭人伝」における、記録上最古の「日本の葬儀のかたち」も違って見えるかなと思います。
『倭地溫暖、冬夏食生菜、皆徒跣。有屋室、父母兄弟卧息異處、以朱丹塗其身體、如中國用粉也。食飲用籩豆、手食。 其死、有棺無槨、封土作冢。始死停喪十餘日、當時不食肉、喪主哭泣、他人就歌舞飲酒。已葬、舉家詣水中澡浴、以如練沐。 其行來渡海詣中國、恒使一人、不梳頭、不去蟣蝨、衣服垢污、不食肉、不近婦人、如喪人、名之為持衰。若行者吉善、共顧其生口財物。若有疾病、遭暴害、便欲殺之、謂其持衰不謹。』（『三国志』魏書三十 倭人伝）
→倭の地は温暖であり、冬と夏にも生野菜を食べる。みな裸足である。家には部屋があり、父母兄弟はそれぞれの場所でくつろぐ。身体を朱によって染め上げ、まるで中国の白粉のように使っている。食事の際には「籩豆（高坏）」を使い、じかに手に取って食べる。 彼らは死において「槨（そとばこ）」のない棺を埋め、土を盛って塚を作る。死後十日余りは、肉を食さず、喪主は声を上げて哭く。他の者は、歌舞をして酒を飲む。葬儀が終わると、家をあげて水辺で水浴びをする。まるで練沐のようだ。 彼らが海を渡って中国に行く場合、使いのうちの一人の髪を梳かさず、蚤や虱を取らず、衣服は汚れたままにして、肉は食わせず、婦人を近づけず、まるで喪中の人のように扱う。その者のことを「持衰」と呼んでいる。旅が良い結果になると彼らは持衰に財物や奴隷を与え、逆に旅の途中で病人が出たり災難に見舞われると、殺されそうになる。持衰の謹みが足りなかったからだという。
葬式で歌舞をするのは、「三礼」のうちの『儀礼』にありますけども、短い文章ながら儒者のまなざしが見て取れます。
今日はこの辺で。
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