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danmama313 @ Re:レーザー送電(11/13) なるほど、レーザービームの平和利用です…
moto,jc @ Re:レーザー送電(11/13) こんにちは 随分色々研究しているですね…
Nov 13, 2025
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今年8月5日にイギリスの科学技術誌「Electronics Letters」に掲載されて世界的な話題なった実験があります。

レーザーは波長と位相が揃った光(レーザー光)を発生させる装置のことで、ビームの広がりが小さく長距離を伝送させやすいことや装置を小型化しやすいことが挙げられます。
そのレーザー光を使って、電線を使わず電力を伝送しようと云うのがレーザー送電技術です。


そのレーザー送電をNTTと三菱重工がタッグを組んで世界最高効率となる15%の電力伝送に成功したと云うのが「Electronics Letters」に掲載された記事なんですね。
具体的には約1KW のレーザ光を照射し、1km 先で152Wの電力を得たと云うものです。
大気の揺らぎが強い環境下でシリコン製の光電変換素子を使った無線給電としては世界最高の効率と述べてます。
送信側で電気をレーザー光に変換し、空気中を伝送させて、受信側で再び電気に戻すのが「レーザー送電」ですが、このうちのが開発の障壁になってるのですね。

光の進行方向がわずかにブレるだけで、受光面の照射が不均一になり、大幅な変換効率低下をきたすのです。
さらに距離が伸びれば伸びるほどレーザービームのエネルギー密度が下がり、安定した給電が難しくなります。
つまり理論上は可能でも、現実には実現不可能に近い技術なんですね。
しかし、そもそも電気なんてケーブルで送れば済むことなのに、なんでワザワザ「ワイヤレス送電」なんて研究してるのでしょう。
それも変換効率が悪いので、送れる電力は限られてるでしょうに。
例えば災害が起こって電気の供給が途絶えたとき、被災地は通信インフラさえ利用できなくなりますね。
こんなときレーザー送電があれば問題解決だし、災害でなくてもケーブルの敷設が困難な離島なんかの送電にも使えます。
またバッテリー交換や充電を頻繁に行わなければならないドローンなどでは、レーザー送電によって長時間の連続運用が可能になります。

さらにJAXA(宇宙航空研究開発機構)では、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザー光に変換して地球へ伝送し、地上でそのレーザー光を電力に変換する宇宙太陽光発電システム(SSPS)を計画していますが、これが究極のレーザー送電の目的なんですね。
NTTと三菱重工がやった実験は、NTTの「長距離フラットビーム整形技術」と三菱重工の「出力電流平準化技術」を組み合わせて実現しました。
回折光学素子を使ってビームの強度を均一化し、受光側では液体などの粒子を細かく均一に分散・乳化させるためのホモジナイザで大気の揺らぎをならし、さらに回路で電流の変動を抑制したのです。

送光ブースを滑走路の端に設置し、1km 先に受光ブースを置いて、光軸を地面からおよそ1m の高さに設定し、ワザと地面の熱や風の影響を強く受ける条件で実験を行ないました。
この実験では30分間の連続給電に成功し、長時間にわたって安定した電力供給が可能であることを確認したのです。
しかし成功したと云っても、たかだか152Wでは実用性にほど遠いぢゃないですか?と云うご意見もあるでしょうが...
「シンギュラリティ(Singularity)」という言葉をご存じですか?
科学技術はある特異点を境に突然ピョンと跳ね上がるポイントがあるのです。

私たちはそうした事例を真空管からIC、アナログからデジタルと云うように、ある地点から急加速を始め、まもなく異次元の爆発的な進歩の段階に突入するのを何度も目の当たりにしてきました。
そのひとつが、今回のレーザー送電成功かも知れないのですね。
NTTと三菱重工は、今後、出力を数キロワットに高め、送電距離も数キロメートルから数十キロメートルに伸ばす計画です。


今回、NTTはレーザー光を送る技術を、三菱重工はレーザー光を受け取る技術を開発しました。
こうした技術が将来的には、宇宙データセンタや月面ローバへの電力供給、静止衛星から地上へレーザで電力を送る「宇宙太陽光発電」への応用などタイヘンな市場が生まれる可能性が高いのですね。





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Last updated  Nov 13, 2025 05:16:04 AM
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