この時TOTOは、グループに新しいヴォーカリストを迎えていた。 新メンバーの名前は、ジョセフ・ウィリアムス。『Jaws』、『Star Wars』などで有名な映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムスの息子である、 サラブレッドなうえに、伸びやかなハイトーン・ヴォイスと甘いマスクを持ったジョセフの加入が話題にならないはずもなく、メディアはことあるごとにそれを強調していた。 おかげで、当時まだTOTOのことをよく知らなかった僕は、「I'll Be Over You」もジョセフが歌っているものだと信じて疑わなかった。 が、この曲でリード・ヴォーカルをとっているのは、ギタリスト兼ソングライターのスティーヴ・ルカサーである。後続シングルである「Without Your Love」も、ヴォーカルをとっているのはルカサーだった。 ジョセフの立場がないやん かなり後になってこの事実に気付いた僕は、そんなことを思ったのでした。