2002年05月07日
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ふと気がつくと、電車は岸和田駅に停まっていた。
特急の追い越し待ち合わせで数分停車後、走り出す。右手に岸和田城。

ああ、1ヶ月前、この町のどこかで、片岡先生が最後の1週間を過ごされたのだ。そして、
その早すぎる人生の終止符を打たれたのかと思うと、胸が熱くなった。電車はやがて、連
絡橋を渡り、関西空港へ。ああ、片岡先生の帰りのない最後の旅路、ここに降り立たれた
のかと思うと、つい涙腺が刺激されてしまった。先生の最後の片道旅行、その末端区間を
逆にたどったような、そんな気持ちになった。



席教会で開かれた。先生は、KGK=キリスト者学生会の総主事として長年、奉仕され、
3年前からは、シンガポールの日本人教会牧師として奉仕されていた。

昨年、任地のシンガポールですい臓癌発見、緊急帰国され、東京で手術。例年より早く桜
が咲く3月31日に再度帰国、岸和田の奥様の実家で過ごされ、4月6日、53歳の生涯
を閉じられた。

学生時代、KGKの全国集会や、委員会などで、何度かお会いし、お世話になった。
プロレスが大好きで、気さくな、豪快な主事だった。残念ながら、お会いできた機会は、
主事が当初関西、そして東京に住んでおられたため、年に1~2回くらい。決して、深い
親しいお交わりをもてたわけではなかったが、大学生を相手に、いつも全力で奉仕される
姿は、忘れることができない。


記念会は、終始和やかに、時に爆笑につつまれながら、時間を大幅に超過して行われた。
先生の大胆さ、無鉄砲さ、無邪気さという面を持つ反面、裏では緻密で繊細な部分をお持ち
だったこと、また、何事にも透明であられようとした先生の思い出、エピソードが、多くの
出席者の口を通して語られた。何よりも、再会の希望にあふれた記念会であった。

 ・全体写真を撮るスペースがなかった時、片岡先生自信が電柱によじ登り、見事、すばら

  話では、ふつうの人では、意識を失ってもおかしくないくらい血圧が上がっていたにも
  関わらず、全エネルギーを使って、応対して下さった。

 ・ある集会で、ある参加者がコンタクトレンズを落とし、参加者全員で探すことに。
  次のプログラムの時間に突入しても、捜索を中止せず、皆で一生懸命探した。その時は
  なぜプログラムを優先しなかったか、分からなかったが、でも、今では、そんなことが
  一番の思い出として残っている。

 ・「狭い門から入るンや。そして、進む時は、いてまえや!」
  学生時代に、このように片岡主事に言われ続け、進路選択でも狭いところへ。その場所
  でも順調で「これは広いな。狭いところはどこやろ。(たとえばクリスチャンドクター
  のいない職場)」と次の職場・進路へ。片岡主事のすりこみのおかげで、今の職場に。
  先生の最後を看取った後輩の主治医が、連絡をくれた。「あんな人生の終わり方、ある
  んですね。まわりの人、みんな『よかった、よかった』言いはるんですよ。ほんま感動
  しましたわ。」 人生の最後の時まで、キリストを述べ伝えた先生だった。
  告別式での弔辞で他の人が「片岡先生には狭い門から入れって言われました。」ああ、
  この人、どこでも、同じこと言うてはったんやな。(会場爆笑)

 ・先生ご自身に間違い、落ち度があった時、年下の自分に対しても「そんな気持ちにさせ
  てたんか。ほんと、すまんかった。」と頭を下げてくれる先生だった。

 ・「アッポ~!」当時のKGK梅田事務所からは、毎日、こんな謎!の叫び声が聞こえて
  きた。片岡主事が、学生たちにわざをかけ始めるのだが、次第に学生たちがプロレスに
  熱中してくると、決まって「キミたち、いつまでやっとんねん。」とかけたはしごを、
  はずす主事。学生たちに慕われていたのも、こんなところが1つの要因かもしれない。


遺された奥様のごあいさつの中から。闘病中の日記の一部の紹介。
 「復活された主はマリヤに、顔と顔をあわせてお会いしてくださった。主と顔をあわせ、
  交わっているか。ややもすると、東洋人として、孤独の中、1人で悟りを得る傾向はな
  いか。」

  また、ヘンリー・ナーウェンの著作も、よくお読みになっていたらしい。


記念会が終わってからも、話は尽きず、とうとう、当日の帰宅を断念する人々まで現れたと
か。(話は、深夜3時まで続いたらしい。) 片岡先生が、いかに皆に慕われていたか、ま
た、それぞれの人脈の中心にいらっしゃり、それらの人々をつないでいらっしゃったかを感
じる。


記念会で配られたしおりに目を通していくと、先生は50年後の日本の教会を意識されてい
たという。また、サラリーマンへの福音伝道において、ご自身の自らのノウハウ、知識が、
全く無力で役に立たないことを実感され、試行錯誤されていたという。霊性についての関心
も深く、海外留学も考えられたこともあったという。

激動する現代社会の中、教会が、またキリスト者が進むべき、選ぶべき道は何か。
大きな課題と、問いかけと、使命を、私たちに残しつつ、先生は一足先に、人知を越えた最
もふさわしい時に、天国に帰られた。いつか、御国に行き、再会した時、主のみもとで、思
いっきりお交わりしたいと思う。







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最終更新日  2002年05月12日 02時44分58秒
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