ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

November 29, 2005
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カテゴリ: 読書ろぐ
先日、ビビッときたので買ったうちの1冊。
結果的には、”当たり”でした♪

大平健『診療室にきた赤ずきん』

作者の大平健先生は、精神科医で 『豊かさの精神病理』 などを
書いた方です。これはわたしも以前、読みました。
今回の『診療室に…』は、実際の治療の中で、童話や民話を利用している
様子を、さまざまな事例で語る、という形式です。
素材となってる物語は、どれも馴染みのあるものなので、
カウンセリングの知識などなくても、非常に面白く読めると思います。


すっと頭に入るし、自分が置かれている立場も客観視できるようになる。
そういうことって、割と多いと思うんですよね。
人の相談にのっているとハッと自分の気持ちに気付いたり。
「そうか、わたし、こう思ってたんだ…」って。
物語を利用して、自分の気持ちに気付かせる…
これって確かに有効な手法だと思います。

わたし個人について言えば…
紹介されているエピソードからではなく、途中に挟まれているエッセイから、
「ああそうか」という体験をしました。
そこでは”おおかみと7ひきのこやぎ”と”赤ずきん”を題材に、
「なぜ狼は一人で出かける母山羊を食べなかったのか?」

という問題提起から、狼は飢えていたが、それは食べ物ではなく、
愛に飢えていたのだ、という解を導き出します。
愛に飢え、愛を受ける者に嫉妬していた狼は、
愛のメッセンジャーである母山羊、赤ずきんではなくて、
愛の受け手である子山羊たち、おばあさんを最初に食べました。

彼らになりかわって、自分が愛を受けたいという欲望のあらわれなのです。

そう言われると、幼い頃からの不思議が少し解けた気がしませんか?
エッセイでは、物語に描かれる「食」の世界から、
人間の日常としての「食」の話へと広がっていきます。
失恋した時のヤケ食い、恋人の手料理…それらの持つ意味について。
食を与えるってことは、愛を与えるってことでもあるのだということ。

自分の恋愛経験を振り返って、そうかもな、と思ったんですね。
以前大好きだった人、2人でご飯を食べに行くと、
どんどん注文して、もっと食べろ、とすすめる人でした。
対するわたしは、あまり食べられなくて、いつも残してしまう。
若かったので(笑)、好きな人の前でパクパク食べられない、という
乙女の恥じらいもあったと思いますが。
一緒にいるときは、いつもわたしの方が相手を好きだと思ってました。
離れてみて、そうでもなかったんだ、と思い知らされ、
一緒にいるときに、その気持ちに気付けていたらな、と
悔やんだりもしました。
たくさん食べさせてくれようとした彼、それを拒むわたし。
彼の愛情を信じられず、受け入れられないわたし。
…どこか重なる気がしました。
まぁ、それも。思い出となった今だから、そう思えるというだけで。
実際にどうだったのか、それはわかりませんが。(;^_^A





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最終更新日  November 30, 2005 08:25:31 PM
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